私の死亡後に、家内の生活がどうなるのかとても不安です
皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回は、病気のため余命が長くない可能性があり、奥さまの生活を心配する66歳の男性からいただいたご相談です。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください(相談は無料です)★マネープランクリニック編集部では貯蓄達人からのメッセージを募集中です★
病気のため余命が長くない可能性があります
■相談者
1208さん(仮名)
男性/自営業・自由業/66歳
関東/持ち家(一戸建て)
■家族構成
妻(65歳)
■相談内容
66歳、病気で余命が長くありません。私の死亡後の妻の生活が不安です。外国の会社と個人契約で報酬は月々約75万8000円。私は61歳から厚生年金を、家内は今年から国民年金を受給しています。家のローンはサラリーマン時代の退職金で一括返済し、子どもは結婚して所帯を持っているので費用はかかりません。定年もなく、75歳までは働くつもりで、私も家内も趣味に多くを費やしてきたのですが、先月私が病気で先が長くないことが判明しました。私の死亡後に、家内の生活がどうなるのかとても不安です。支出はかなりどんぶり勘定で、各自の小遣い12万円は使いきれず、結果的に税金や一時出費などの支払いに回っていることも多いと思います。私の葬儀代は貯金に手を付けずに、死亡保険金でまかなえます。私の死亡後、家内が95歳まで生きるとした場合、毎月の生活費がどの程度になるか。私が今年末で仕事を辞め70歳到達直後に死亡(団体生命保険給付なし)した場合と、70歳まで仕事が続けられて73歳で死亡した場合について、お教えいただければ幸いです(後者の場合、リタイア時点での車の購入可否も)。また、現在の生活費各項目に対して、コメントやアドバイスがあれば、それもぜひ、お願いしたいと思います。
■家計収支データ
■家計収支データ補足
(1)収支について
事業年収約910万円→手取り月収実績値75万8000円。仕事にかかる経費は、立替金として会社から翌月に支払われるため、手取り月収はすべて、プライベートの支出・貯蓄に使用。
(2)年金について
<本人>
♢厚生年金:月額約18万2000円=手取り年額218万4000円
♢厚生年金基金:振込年額7万2000円
<妻>
♢国民年金:月額5万1000円=振込年額61万2000円
(3)住居費について
必要なリフォームはすべて終了。今後は、和室の畳交換程度
(4)車両費について
車が趣味の一つなので定年退職後に買い替えを行い、現在3台の乗用車を所有
・任意保険:年13万9000円
・自動車税:年11万3500円
・ガソリン代:約36万円/年
・通常メンテナンス費用:約5万円/年
・車検・定期点検:約22万円/年
・車ローン:72万円/年(2020年末まで)
・外部駐車場代(1台分):3万6000円/年
■合計約159万円/年→13万3000円/月
職業柄、2台は営業車として経費処理。まだ数年生きられそうであれば、年末に1台を100万円程度の中古車に買い替えたい。70歳まで仕事ができたなら、リタイア時に人生最後の1台として600万円程度を支出したい。購入の可否がわからない。年齢を問わずリタイアしたら、車を2台に減車する。
(5)加入保険について
♢団体生命保険
・本人/70歳まで継続可能、死亡保障2000万円=保険料8400円/月
・妻/70歳まで継続可能、死亡保障1000万円=保険料4300円/月
♢医療保険
・本人・妻/入院日額1万円、通院日額3000円、放射線治療10万円(1給付のみ)など=保険料9万1620円/年
♢がん保険
・本人/入院日額4万5000円、診断給付金150万円、がん死亡保障225万円
・妻/入院日額3万円、診断給付金90万円、がん死亡保障150万円
=保険料合計8900円/月
その他傷害保険などへの加入あり
(6)趣味娯楽費とお小遣いについて
夫婦で国内旅行を年に1~2回。これは貯蓄から支出。
【本人】
趣味の支出は毎月12万円と決めているが、使いたいだけ使っているのが実態。不足分は毎月の貯蓄額で調整するか、貯金から引き出して使用。月々12万円の支出以外に1年から5年ごとに用具代として60~80万円を支出。
【妻】
私の病気判明前は、ゴルフ代などが主な支出のよう。たぶん、余らせている。
(7)ご家族について
家内の老後については具体的に考えていないが、介護施設への入居は資金的に難しい。健康なので、あと10年は一人でやっていける。家内の母親(80代)が、車で2時間ほどのところで経済的にも健康的にも自立して住んでいる。私の死後は、家内が自宅に引き取って面倒を看るのではないかと勝手に考えている。母親の遺産はあっても少額。家内は相続を辞退し、親戚に譲ることになると思われる。そういう優しさや、身内に対して自己犠牲を厭わないところが心配な点。
(8)毎月の貯金について
小規模企業共済:7万円、中退共:3万円、普通預金:12万5000円(不定額)。2018年の貯蓄実績は約310万円
(9)貯蓄と投資について
・普通預金:1070万円
・小規模企業共済:427万円
・中退共:186万円
・米国債券ファンド:98万円
・10年個人国債:1000万円
■貯蓄+投資の合計:2780万円
(10)その他
家内に渡している月生活費31万8000円の内訳
・食費 12万円
・光熱費 6万円
・通信費 2万5000円
・ガソリン(妻分) 1万5000円 ※車両費に含む
・ペット関係費 1万5000円
・保険(健保、団体生命保険、ガン保険) 4万5600円
・衣類・雑費 3万7400円
♢小計:31万8000円
その他、固定資産税、自動車税2台分、火災保険の月割り分として1万3000円を加え、合計33万1000円
(11)補足
私の母親と25年以上にわたり、同居。母は勝気で食にうるさく、晩年は体が不自由だったため、家内が母の面倒を毎日看ることは、大変なことだった。たまに私に愚痴を言う程度で、とてもよく面倒を看てくれていた。その母が、昨年、介護施設に入居。家内は、ようやく自分の生活を楽しめるようになったが、私が病気になり、また苦労をかけることになってしまった。私の望みは、家内が自分の老後を楽しんでくれること。そのため定額で渡している生活費や、家内の年金を含む趣味娯楽費についても、好きなようにやってもらっており、使途の詮索はしていない。
生活費の内訳は5年前に会社をリタイアしたときに家内と決めた額。当時は、母親が一緒に住んでいたため、光熱費や食費がかかっていたが、今は、余剰金が出ていると思うが、見直しはしていない。生活費も趣味娯楽費も月々の残額に関して私はノータッチ。上手くやってくれている(貯蓄している)と信じているが、年金受給もまだ始まったばかり。へそくり分はないものとし、家内の老後費用としてはカウントしていない。
■FP深野康彦の3つのアドバイス
アドバイス1 今、仕事を辞めるなら急速に生活費を半分にする必要がある
アドバイス2 奥さまが、今後どのような生活を望むのかで、必要なお金は違う
アドバイス3 奥さまと一緒に、エンディングノートなどを使って、気持ちと資産の整理を
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