第3位 男子の心をわしづかみ! 『世界の美しいサメ図鑑』
一般書である『世界の美しいサメ図鑑』が堂々第3位となりました。
『世界の美しいサメ図鑑』
こういった決して子ども向けに作られたのではない図鑑がランクインするのも、小学校低学年の特徴の一つ。好きなジャンルの図鑑や写真集を、飽きずに1日中眺め、どんどん読んでしまう子には、大人向けであっても質の良い本を読ませてあげたいもの。たとえそのジャンルへの興味が一過性のものであっても、何かに夢中になり、知の海を深く深く潜った経験は、必ず今後生きてきます。
『世界の美しいサメ図鑑』は、かわいらしいキャラクターなどは一切なしの本気のサメ図鑑。世界のサメの中から人気や希少度を基準に厳選されたサメ63種が、写真付きで紹介されています。「美しい」というタイトルではありますが、獰猛なイメージと裏腹の繊細な美しさに驚かされるのではなく、迫力や凄みのある美しさを楽しむ本、という方が合っているかもしれません。
それでも、その迫力やカッコよさを愛する小学生は少なくありません。幼児期とは異なり、学名や和名を口にすることを好む子もいるので、巻末の世界のサメの分類表も出番は多いはず。
危険度が星印で示されているのも、サメの図鑑らしくて面白い。でも、実は人間に危害を加える恐れのあるサメは全体の1割、残りは無害なのだとか。図鑑をめくりながら、表情と性格のギャップにいちいち驚いてしまいます。
サメに興味のない大人にも充分お楽しみいただけると思いますが、そのような方には、「ほぼ日刊イトイ新聞」に掲載されている、図鑑の監修者であるの仲谷一宏氏のインタビュー記事がおすすめです。特に仲谷氏がサメの道に進まれた驚くべききっかけが書かれている「第6回 サメと43年。」にご注目を。仲谷氏のサメへの愛情が、じんわりと伝わってきて、きっと図鑑を手にとってみたくなりますよ。→「鮫のおはなし」
【書籍データ】
書名 世界の美しいサメ図鑑
監修 仲谷一宏
出版社 宝島社
価格 1728円