お金の悩みを解決!マネープランクリニック/20代のお金の悩み相談

2年前に自己破産。恋人との同棲を予定しており、引っ越しますが貯金がないため不安です(2ページ目)

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は過去に自己破産をしたものの、生活を立て直して収入もアップしたという26歳の自営業の女性。彼氏との同棲をする予定ですが貯金もないため将来が不安とのこと。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

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アドバイス1 生活の立て直しが図れてGOOD。今が貯めどきと思って

よく生活を立て直されました。いろいろご事情はあったのでしょうが、同じ過ちを繰り返さないと心に誓っていることでしょう。前向きに、いろいろなライフプランを予定されていますが、今の調子のままであれば、問題なくクリアできると思います。
 
まず、年間の貯蓄目標を200万円としているのは、とてもいいことだと思います。でも、おもちさんの収入であれば、もっと貯蓄ができるはずです。
 
収入を平均で月42万円、支出は平均で約月26万円とすると差し引き16万円の黒字です。さらにボーナスから約半分の60万円を貯蓄に回すと、年間で約250万円貯蓄できることになります。250万円を毎年貯金できれば、20年間で5000万円は貯蓄できることになります。
 
目標の立て方や貯蓄の管理の仕方は、おもちさんがやりやすい方法でいいと思いますが、目標達成するコツは、毎月の貯蓄額とボーナスからの貯蓄額をあらかじめ決め、先取りして貯蓄することです。特に、おもちさんのように、収入も支出も月ごとに変動がある場合、残ったら貯蓄では計画倒れになりますし、支出の変動の原因にもなります。先に貯蓄してしまえば、残ったお金は自由に使っていいのですから、管理もしやすくなるでしょう。
 
おもちさんの場合なら、毎月15万円、ボーナスから少し頑張り70万円で年間250万円達成です。ムリに切り詰めなくてもできると思いますので、頑張ってみてください。それでも余力があれば、残った分もしっかり貯蓄してください。今が貯めどきです。
 

アドバイス2 将来の子どもの教育費も住宅購入も大丈夫

さて、ここからは、少し先の話になります。まずは結婚し、お子さんが生まれたときの教育費です。高校まで公立で大学は私立という場合で、子ども1人につき1000万円前後、2人なら2000万円は用意しておきたいものです。高校から私立と考えれば2人で2500万円弱を意識しておきましょう。
 
でも、先の計算で、今後20年で5000万円貯められる力があるので、お子さんが大学を卒業される頃には、教育費を差し引いても2500~3000万円程度は残る計算になります。
 
また、7年後を目途に住宅購入をとのことですね。親御さんから1000万円、ご自身が500万円を頭金として用意できるので、3000万円ぐらいの住宅ローンは組むことができるでしょう。7年後には、おもちさんは33歳。ローンの完済の年齢を考えると、長くても30年返済で考えてください。金利がどうなっているかですが、1.5%程度とすると、毎月の返済額は約10万3000円。その時点で、結婚されて夫となる人と、どう負担するかにもよりますが、現在の住居費が8万円強ですから、それほどの負担増ではないでしょう。
 
また、今後、結婚したら、生活費は折半するとのことですが、ここまでの計算は、おもちさんひとりの、現在の収支で試算しているものです。もし生活費を折半できるのであれば、その分は確実に貯蓄に上乗せできますから、最終的に残る資産としては、もう少し多くなるでしょう。
 
出産、子育てで仕事のペースも変わり、収支に変化があると思います。産休、育児休暇で給付もあると思いますが、子育て期間中の収入減に備えるためにも、今の貯めどきは逃さないでくださいね。
 

アドバイス3 変額保険は傷が浅いうちに解約するのがベスト

最後に保険についてです。変額保険なので、最終的に、契約を継続したほうがよかった、となる可能性はありますが、毎月2万円以上の保険料をあと10年払い続けるのがいいかといえば、傷が浅いうちに解約することをおすすめします。今なら、15万円の払い込みで済んでいますが、今後240万円もの保険料を払うことになり、最終的な受取額はどうなるかわからないわけです。10年で、損を重ねていく可能性も大きいのです。
 
その浮いたお金を貯蓄に回したり、将来子どもが生まれた場合に、死亡保障2000万円程度の割安な掛け捨ての定期保険に加入してほしいと思います。医療保険は、現在加入のままでOKです。
 
iDeCoへの加入もいいと思います。ただ、今は貯蓄がないので、数百万円程度貯まってからでも遅くはありません。老後資金として、ということもありますが、おもちさんの場合は、節税効果が高いので、掛金全額が所得控除になるiDeCoへの加入はおすすめです。
 
いろいろとつらいこともあったと思いますが、これからのライフプランをしっかり立てて、計画的な貯蓄に取り組んでください。おもちさんなら、大丈夫ですよ。
 

相談者「おもち」さんから寄せられた感想

詳しくアドバイスをいただけ、大変嬉しいです。一人でも老後まで今のところは問題がないということで、とても安心しました。貯金はしっかり働ける間に増やしたいので深野さんのアドバイス通り、年250万円を目標に頑張ってみます。変額保険については不安があるので早めに解約・貯金し、今後はiDeCoと定期保険への加入を検討したいと思います。漠然とした不安がありましたが、気持ちが晴れました。本当にありがとうございました。


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★「お金のことで悩む人に、貯金のコツを伝授!貯蓄達人の貯めワザ」はコチラ

教えてくれたのは……
深野 康彦さん
  
 

 


マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。近著に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/伊藤加奈子


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