お金が貯まる人には、いくつか共通点がある!
「なぜかお金持ちになる人」と「なぜか貧乏になる人」の違いは何か、心理学者たちがこの難題に立ち向かってきました。実は、お金持ちになる人には、いくつか共通点があります。
たとえば、「お金持ちになる人は自制心が強いぞ!」という話が有名です。スタンフォード大学の研究(1)によると、「将来のために今を我慢できる人ほど、人生で成功する可能性が高い!」ことが確認されました。
他にも、「お金持ちになる人は息抜きが上手だぞ!」とも考えられています。というのも、ストレスが溜まると自制心が崩壊し、無駄遣いが増えてしまうからです(2)。
お金が貯まらない人には、残念な癖があった!
この話と関連して、お金が貯まらない人に共通する残念な癖として、「自己連続性が低いぞ!」というデータ(3)を見つけました。この話の出所は、スタンフォード大学で行われた研究です。自己連続性とは、「今の自分が将来にわたって連続している」と捉える度合いのことを指します。自己連続性が高いと、「今の自分は、将来の自分と似ている」と考えがちなのに対し、自己連続性が低いと、「今の自分は、将来の自分とは別人だ」と考えがちです。
この論文によると、自己連続性が低く「今の自分は、将来の自分とは別人だ!」と考えている人ほど、貯金できない傾向があったのだとか。
「自己連続性」という概念の話だけを聞いても、イメージしにくいと思います。そこで、「明日から頑張る」という口癖を例にとって考えてみましょう。「明日から頑張る」は、自己連続性の低い人が好きそうな言葉です。
お金が貯まらない人は、「明日から~」が口癖になっているかも!?
「明日から頑張る」という口癖には、2つの意味が含まれています。
1つは、「今日の自分は頑張っていない」という意味。もう1つは、「明日になれば自分は頑張れる」という意味。よく考えてみると、言っていることが無茶苦茶です。どうして、今でさえ頑張れない人が、明日から頑張れるのでしょうか? この文書を書きながら、我ながら耳が痛くなってきました……。
「明日から~」を改めれば、貯まる人になれる!?
一方、お金が貯まる人は、「自己連続性が高い!」という結果が得られました。自己連続性が高いとは、「今の自分は、将来の自分と似ている!」と考えることを指します。自己連続性の高い人は「明日から頑張る」とは考えません。逆に、「今頑張れないなら、明日も頑張れない」と考えます。そして、「明日から」ではなく「今から」頑張ろうとするのです。
話をまとめると、お金が貯まらない人は、「未来の自分を今の自分と別物に考えがち」「今の自分を棚に上げがち」なのに対し、お金が貯まる人は「未来の自分は今の自分と似ている」「未来を現実的に見積もり、今から努力できる」といえるでしょう。
以前「循環思考をすることで、貯金がブーストできたぞ!」という話をしました。このメカニズムにも、自己連続性が関わっているようです。
「明日から頑張る!」が口癖の人は、「今日から頑張らなきゃ、明日も頑張らない!」を口癖に改めた方がよいのかもしれません。
【関連記事をチェック!】
- 貯蓄上手は息抜き上手?お金持ち流「散歩」の楽しみ方
- 頻繁にしない方がいい?お金持ちが1日3回だけしていること
- 貯金下手との違いは?貯金上手に共通する目標の立て方
- お金持ちは習慣にしている!?金銭感覚を鍛える方法
- 貯蓄率を上げる秘訣は「明日への希望」だった!
【参考文献】
- 論文:Walter Mischel, Ebbe B. Ebbesen, and Antonette Raskoff Zeiss, 1972, "Cognitive and Attentional Mechanisms in Delay of Gratification", Journal of Personality and Social Psychology, 21(2), pp. 204-218
- 論文:Marta Malesza, 2019, "Stress and delay discounting: The mediating role of difficulties in emotion regulation", Personality and Individual Differences, 144, pp. 56-60
- 論文:Hal Ersner-Hershfield, M. Tess Garton, Kacey Ballard, Gregory R. Samanez-Larkin, and Brian Knutson, 2009, "Don't stop thinking about tomorrow: Individual differences in future self-continuity account for saving", Judgement and Decision Making, 4(4), pp. 280-286