アイルランド製アニメ映画『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』

  2014年アイルランドのアニメ映画「ソング・オブ・ザ・シー 海の  うた」、2016年に日本でも公開された
 

暑い日、雨の日、退屈な日、自宅でのんびり映画を観るのもいいですよね。映画ガイドの私がおすすめしたいのが、アニメーション映画「ソング・オブ・ザ・シー 海のうた」です。

アイルランドで製作された映画で、神話上の存在が登場したり、太古のピクト人が遺した装飾を元にしたデザインが使われたりと、幻想的かつ神秘的。そして海の美しさに心が洗われるようです。お子さんがいる方はぜひ一緒に観てください。
   

アイルランドの伝承が現代によみがえる

(C)Cartoon Saloon, Melusine Productions, The Big Farm, Superprod, Norlum

第87回アカデミー賞長編アニメーション映画賞ノミネートほか、いくつもの映画賞を受賞
 

アイルランドで作られた本作品は、その土地を反映した設定や画が多くあります。例えば、海中ではアザラシ、陸では人間の姿になるセルキーと呼ばれる神話上の存在が登場する他、渦巻きや螺旋などの模様は太古の時代のピクト人が遺した装飾が元になっています。

大切な歴史や価値観を現代に蘇らせることも本作の意義だったそうで、それが色濃く表れた作劇や美しいアニメとしての表現は斬新に映ります。

 

スタジオジブリ作品を思わせるところも?

(C)Cartoon Saloon, Melusine Productions, The Big Farm, Superprod, Norlum

監督・原案トム・ムーア、脚本はウィル・コリンズ
 

ポストジブリと称賛されるだけあって、「となりのトトロ」のねこバス疾走シーンや、「千と千尋の神隠し」の湯婆婆に影響されたキャラクターなど、ジブリ作品を思わせるシーンが多く存在します。

水彩画がそのまま動き出すような表現は「ホーホケキョ となりの山田くん」と同様の手法が用いられたのだとか。これらは日本のアニメをリスペクトしての表現であり、ここにアイルランドの土地柄を反映した表現方法が相まって、独創性のある仕上がりになっています。その美しい画に驚き、感動すること間違いなしですよ。

 

ちょっぴりの怖さも重要な、教育的な内容だった

(C)Cartoon Saloon, Melusine Productions, The Big Farm, Superprod, Norlum

日本語吹替は本上まなみ、リリー・フランキーなどが担当
 

肝心の物語は、幼い兄妹による冒険活劇。ワクワクできる一方で、兄妹がいなくなってしまうかもしれないという不安や孤独感も表現されています。

いじわるなお兄ちゃんと、しゃべることができない妹が次第に打ち解けていく様子が丁寧に描かれていて、観たあとにはお子さんが現実の兄弟に優しくなれるかも。そんな、誰かを大切に思える映画です。
 
DATA
ソング・オブ・ザ・シー 海のうた

販売元: TCエンタテインメント
上映時間:93 分
販売元: TCエンタテインメント
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