起業の契機と“フリーソフト文化”
Fenrir& Co.の公式サイト |
利益追求を第一ではなく、ソフトウェアを通じて幸福を提供する会社にしたいという発言の裏には、フリーソフト哲学ともいえる柏木氏のこだわりがある。
「『持ちつ持たれつ』がフリーソフトの一番の魅力ですよね。お互い幸福を感じられるというか。」
開発者は無料でソフトウェアを提供する代わりに、ユーザからのフィードバックを受けることができる。それにより不具合を修正したり、自らのソフトウェア開発能力を高めることができるわけだ。一方、ユーザは自己責任の範囲内でフリーソフトを利用することで、作業の効率化など「そのソフトがなければできないこと」を実現できる。金銭を介することなく、お互いが得をする・嬉しくなる、Win-Winの仕組みがそこにはあるのだ。
FDの流れを踏襲したWindows向けファイラーソフト「WinFD」は出射 厚 氏の遺志を継ぐ高橋直人氏のサイトで配布されている |
自分自身がフリーソフト作家として便利なソフトを無料で世の中に提供し続けることでフリーソフトの概念がユーザに根付き、後続のフリーソフト作家が続々、誕生してくれることを願うという柏木氏。そしてフリーソフトを通じて幸福を感じられる世の中にしたい。その想いは、Fenrir& Co. の新プロダクトであるタブブラウザGrani(グラニ)にも表れている。
次のページでは、Frnrir& Co. の新プロダクト「Grani」とそこに込められた想いに迫る!