「OCCASION -おもてなし-」は、鮮やかな色遣いで知られるデザイナーのケイト・スペードがパーティとおもてなしについて書いた本。装丁やイラストなどのデザインが素敵で、眺めるだけで楽しい、手元に置いておくだけで嬉しくなる一冊です。
でも、絵本のような見た目からは、「意外!」と感じる、なかなか豊富な情報量。フードやドリンクのレシピ、食器やお酒の種類、飾り付けのアイディアなどがかなり詳しく紹介されています。「こんな時はどうしたら?」という時にこの本を広げれば何かヒントが見つかるはず。
結婚式も誕生会も、いいパーティにするための想いは共通
この本は、私の仕事である、ウェディング プロデュースの参考にと買ったもの。出版された当時は、日本で欧米のウェディング文化が取り上げられ始めたばかりの時期だったので、海外のパーティ文化を知るのにとてもいい内容だと手に取りました。国によっておもてなしの形は違っても、想いは同じだと実感させてくれた本でもあります。ちょっとした友達との集まり、年中行事、そして結婚式。パーティの目的や規模はさまざまでも、お客様を迎えるおもてなしの心は同じ。
大切なのは、お客さまに自分の家にいるような気分でくつろいでもらうこと。そう心がけ、努力することに価値があるのです。
そうそう、まさにそれ。迎える側の心がけや努力が伝われば、喜んでいただける……パーティに長けた人のこの一言は、初めてパーティを開く人を勇気づけ、準備を楽しもうと思わせてくれるもの。花嫁さんたちと一緒にウェディング準備をする立場として、とても共感できる一言です。
「嫁入り道具」的に花嫁さんに持たせたい
結婚すると、人をもてなす機会が格段に増えます。花嫁さんのウェディング準備に役立つのはもちろん、その後の家族での集まりや子どもの誕生会など、折々でも役に立つはず。ケイトのデザイナーらしい統一感や自分らしさの演出が随所に見られるので、ライフスタイルに関心がある人にもおすすめの一冊です。自分で購入するだけでなく、プレゼントにしてもいいでしょう。
実は、ウェディング プランナー仲間からこの本をプレゼントとしてもらったことがあるんです。同じようにいい本だと感じて、愛読していたそう。せっかくもらった2冊目は、後輩にプレゼントしました。
おもてなしのアイディアやヒントを得ることのできる、頼れる友だちのような本となるよう心がけました。
とケイトが書いているように、おもてなしのシーンでいい相談相手になってくれるのではないでしょうか。
DATA
ケイト・スペード著┃OCCASION -おもてなし-
発行:ブックマン社
初版:2005年7月5日