鍛えることで、お金持ち体質になれる?
先日、「お金持ちを目指すならワーキング・メモリ(作業記憶)を鍛えよう!」という記事を書きました。ワーキング・メモリとは、「記憶」と「情報処理」を同時にこなせる超重要な記憶のことです。ワシントン州立大学の研究(1)では、「ワーキング・メモリが優れている人ほど自制心が強い(=お金持ちになりやすい)!」ことが確認されました。
要は、ワーキング・メモリを鍛えると金銭感覚が鋭くなるってことです。お金を上手に扱えるようになるってことですね。(自制心についてはコチラの記事をご参照ください)
ワーキング・メモリは後天的に鍛えることが可能です。そこで今回は、ワーキング・メモリを鍛えるおすすめの方法として「感情日記」をご紹介します。
感情を紙に書き出すと、金銭感覚が鋭くなる!
ノースカロライナ州立大学の研究(2)によると、「感情を紙に書き出すとワーキング・メモリが改善する」ことが確認されました。この実験では「嫌なこと」を書き出すことで、特にワーキングメモリが改善することが明らかになりました。僕らは嫌なことがあると、つい頭の中でぐるぐると考えてしまうものです。気づけば頭の中が、ネガティブなことでいっぱいになってしまいます。ところが、負の感情を紙に書き出すと、頭の中がフレッシュになるみたい。
かくいう僕も中二病だった頃には、嫌なことを紙に書き出すことで思春期特有のストレスを乗り越えていました。これと似たような話に、「辛いことでも友人に話すとラクになる」心理効果もありますね。嫌なことを頭の中だけで考えてもイライラが募るだけですが、書き出したり話したりすることで、頭がスッキリします。言われてみれば、納得の理屈ですな。
「感情日記」をつけよう!
そこでおすすめしたいのが、「感情日記」をつけること。このテクニックは “筆記開示(Expressive Writing)”と呼ばれています。できれば夜の時間にやるのが効果的です。感情日記では、1日にあった嫌な出来事など、頭の中でモヤモヤしていることをひたすら書き出していきます。書き出すことは何でもOK。ブレーキをかけずに全てを吐き出しましょう。1日10分くらいやるだけでも、頭の中がかなりスッキリします。
頭の中のモヤモヤを書き出してみよう!
併せて書きたい「感謝日記」
ついでにオススメなのが「感謝日記」。ハーバード大学の研究によると、「感謝の気持ちを思い浮かべる」ことも、金銭感覚を磨くのに有効なことが確認されました(3)。嫌なことを紙に書きなぐった後には、周りの人に対する感謝の気持ちも紙に書き出してみましょう。僕自身、毎週末に妻と一緒にカフェへでかけ、「感情日記」と「感謝日記」を付けています。日頃のモヤモヤ感や嬉しいことを日記に書き出すことで、頭がスッキリするのです。
話をまとめると、「ネガティブな感情や感謝の気持ちを紙に書き出すと、お金持ち体質に近づける!」ということですね。
一見、遠回りに見えますが、「頭をスッキリさせる」ことで、余計な無駄遣いが減ったり、本当に大事なものにお金を使えるようになったりします。あなたがお金持ちを目指すなら、今夜から日記を書き始めてはいかがでしょう?
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【参考文献】
- 論文:John M. Hinson, Tina L. Jameson, and Paul Whitney, 2003, "Impulsive Decision Making and Working Memory", Journal of Experimental Psychology, 29(2), pp. 209-306
- 論文:Kitty Klein and Adriel Boals, 2001, "Expressive Writing Can Increase Working Memory Capacity", Journal of Experimental Psychology: General, 130(3), pp. 520-533
- 論文:David Desteno, Ye Li, Leah Dick, and Jennifer S. Lerner, 2014, "Gratitude: A Tool for Reducing Economic Impatience", Psychological Science, 25(6), pp. 1262-1267