南部鉄器は、岩手の伝統工芸品である鋳物です。美しいデザインと昔ながらの良さを伝え続ける南部鉄器を手元に置きたいと憧れがある人も多いのではないでしょうか。
今回イチオシしたいのは南部鉄器のメーカーの老舗である及源の「すき焼きぎょうざ兼用鍋」です。
「すき焼き」「ぎょうざ」とありますが、使い方はそれだけにとどまりません。いつもの料理の美味しさもアップするのが南部鉄器のスゴイところです。
老舗南部鉄器の及源による一生ものの鍋
美しい黒とズシリとした重み。表面のザラザラとした砂目は南部鉄器の特徴です。砂で作った型に鉄を流し込んで作るため、その表面には砂の跡がつき、ここに油がしみこむことで、焦げつきにくくなります。餃子を焼いたときにも、皮をカリッと色よく仕上げることができます。フッ素樹脂加工のフライパンとは異なり、使えば使うほど油なじみはよくなり、耐久性も高く、一生ものどころか何世代も伝えていける調理器具です。
また、熱伝導率が高く、保温性も高いのが魅力。熱しやすく冷めにくい鍋は、食材を入れても温度が下がりにくく、すき焼きをしたときにも食材をムラなく加熱するため、美味しく煮込むことができます。
すき焼き、餃子だけじゃない!ガンガンに熱したい料理に
この鍋で作れるのは、すき焼きと餃子だけではありません。熱伝導率が高く、高温を保てるので、一気に手早く仕上げたい炒め物や焼き物にもぴったりです。
家庭のフライパンや鍋はフッ素樹脂加工のものが主流になってきていますが、空焚きや高温調理が苦手なのがデメリットです。一方で、南部鉄器はガンガンに加熱できる鉄製。高温で一気に加熱したい料理にぜひ活用していただきたいです。
我が家ではステーキを焼くときには、この鍋が必ず登場します。油を引いてからしっかりと熱して、ステーキ肉を乗せると、ジューッという気持ちのいい音が響きます。ほどよい焼き色がついたら、ひっくり返して、さらにジューッ。
この鍋で焼けば、特に難しい技術も要らないのに、普通のフライパンで焼くより、ずっと美味しい。表面だけが焦げつくこともなく、肉の中までじんわりと熱を伝えて、焼いたお肉のジューシーな美味しさを堪能できるのです。
南部鉄器のその重たさは美味しさにつながるのですが、洗ったり収納したりには負担になるかもしれません。でも、幅広い料理に使えるので、ひとつ持っていて、決して無駄にはならない調理器具です。
IH調理器でも使用可能です。木製のフタ付きなので、餃子はもちろん、煮物や蒸し料理などにもおすすめですよ。
DATA
及源|南部鉄器 すき焼ぎょうざ兼用鍋
サイズ:内径26×深さ5.5cm
重量:3.7kg
材質:本体・鋳鉄 蓋・焼杉材