お金持ちが重視する近隣環境とは?
以前、「お金持ちになれるかどうかは住む場所で決まる!」という話をしました。この話の根拠は、ハーバード大学の研究(1)です。この研究では4000万人の収入データを分析しました。研究の1つには、「どうやったら貧乏を抜け出せるか?」というテーマもありました。研究の結果、「貧乏から抜け出すには住む場所が大事だ!」ということが確認されました。僕も過去のデータを引っ張り出して、「日本だったら愛知県がよさそうでは?」なんて記事も書きましたね。
とはいえ、この記事はあまりに過激だったので、「地元に住みたい!」「他の46都道府県をバカにしてるのか!」といったご意見を頂きました。
そこで今回は、都道府県とは関係なく、「アノ店の多いが地域には、低所得層が多いことが分かった」という話をします。貧乏になりたくない方は、アノ店の近くに住むのは止めておいたほうがよいかも!?
ファストフード店の近くに住むと貧乏になる!?
先日、「ファストフードを食べると貧乏になるかも!?」という記事をアップしました。この話には続きがあります。実は、「ファストフード店の近くに住むだけでも貯金が減る」ことが、同じ研究(2)で確認されています。この研究では、OECDの先進国30カ国の貯蓄率データと某ファストフード店の店舗数の相関を調べました。研究は1978年~2008年の30年分のデータが対象で、なかなか信憑性の高いデータかと思います。
調査の結果、「人口あたりのファストフードの店舗数が高いと、貯蓄率が下がる!」「ファストフードのことを思い浮かべただけでも、目先の誘惑に弱くなった!」といったことが確認されました。つまり、ファストフード店が密集している地区ほど、近隣住民は貯金できなくなるんだそうな。
ファストフードには最先端の科学が詰め込まれています。「世界一おいしい」といっても過言ではありません。しかし、おいしすぎるがゆえ、脳の暴走を引き起こします。その結果、欲求をコントロールできなくなる(=自制心を失う)のです。
まとめると、ファストフードの近くに住むと……「自ずと目に入る回数も増える」→「ファストフードを頻繁に食べる」→「自制心が下がる」→「貧乏になりやすい」という流れです。言われてみれば、納得の理屈ですな。
お金持ちは「誘惑」に近づかない
どんなに我慢強い人間でも、ファストフードの強烈な「誘惑」には勝てません。あのおいしさは反則です。「食べれば食べるほど、もっと食べたくなる」極上の料理と言えるでしょう。しかし、経済的な面から見ると、ファストフード店に近づくのは得策ではありません。以前、「お金持ちは誘惑に負けないために環境作りを重視する!」という話もしましたが、ファストフードは節約するには刺激が強すぎます。
かくいう僕は、いまの家に引っ越す前まで某ファストフード店の近くに住んでいました。近くに店があるとどうにも食べたくなり、毎晩のように足を運んでいました。ホットスナックを食べ、お酒を毎晩のように飲んでいました。いま思えば、自堕落な生活を送っていたと思います。
これから引っ越しを検討している方は、近くにファストフード店がある立地は避けたほうがよいかもしれません。
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参考文献
- 論文:Raj Chetty, Nathaniel Hendren, Patrick Kline, and Emmanuel Saez, 2014, “Where is the Land of Opportunity? The Geography of Intergenerational Mobility in the United States”
- 論文:Sanford E. Devoe, Julian House, and Chen-Bo Zhong, 2013, "Fast Food and Financial Impatience: A Socioecological Approach", Journal of Personality and Social Psychology, 105(3), pp. 476-494