かかとで厚くなりやすい角質……皮膚を乾燥やダメージから守る役割
かかとはなぜガサガサになりやすいのでしょうか? 正しいセルフケアの方法と、病院に行くべき目安は?
かかとのガサガサは刺激による「角質肥厚」……セルフケアか皮膚科に行くべきか
外からの刺激などに反応して、角質が分厚くなり、ガサガサした状態になることを「角質肥厚」といいます。肌にキズをつけない範囲で軽く軽石でこすったり、削ったりすることは問題ありません。ただし、削るだけではガサガサがつるつるの状態にはならないことが多いです。市販のかかとのガサガサ用のクリームには、尿素などの角質を溶かす成分が入っていることが多いですので、保湿力の高い塗り薬をまめに塗って対応することも重要です。2~3日では改善しませんので、最低でも2週間は毎日塗りましょう。乾燥によるガサガサであれば市販薬など自分で対処しても問題ありませんが、症状によっては皮膚科やクリニックでの治療やケアが必要なものもあります。
例えば、
- かゆくなり赤くなっている場合や亀裂ができていて痛いとき→ステロイドの塗り薬
- 押すと痛い場合→削りの処置
- かかとの水虫の場合→顕微鏡で検査した上で水虫の塗り薬や飲み薬
間違った角質ケアが原因のトラブル……タコ・ウオノメを削って、出血や痛みも
かかとのガサガサ部分にできることは稀ですが、角質肥厚が強く分厚くなると「タコ」になり、中心の角質肥厚が強くなり芯ができてしまうと「ウオノメ」になります。角質肥厚が強くなることで、当たると痛みが出るようになります。これらもかかとのガサガサ同様、自宅で削って対処している方もいるようですが、無理に削るとキズになって出血することもあります。また、角質を溶かす作用のある市販薬で治療を試みる方も多いと思いますが、ふやけて皮膚が痛くなってしまい皮膚科を受診される患者さんもいらっしゃいます。
皮膚科のクリニックでは保険適応で「タコ」や「ウオノメ」を月2回まで削れます。費用の目安としては、3割負担で500円程度です。また、市販薬と同じように使用できるテープや角質のガサガサを取る塗り薬として、サリチル酸ワセリン軟膏や尿素クリームなども処方できます。かかとのガサガサを始めとする角質肥厚が気になり、ケアの仕方がわからない場合やうまく改善しない場合は迷わず皮膚科専門医を受診しましょう。
角質ケアの適切な方法・頻度
自分でできるガサガサのケア方法として、まずはまめに保湿剤を塗ることが大事です。最低でも2週間、1日2~3回程度は欠かさず毎日塗りましょう。通常のガサガサであればかなりの改善がみられるはずです。かかとのガサガサの場合は通常の体用のものよりも、かかとのガサガサにより特化した尿素やサリチル酸の入ったクリーム、軟膏がおすすめです。この2つの成分はいずれも角質を溶かして、スムースにする作用があります。日本の市販品の場合、かかと用のものにはよく尿素が成分として含まれています。アメリカではサリチル酸の入った市販の保湿クリームがよく用いられていますが、日本の製品にはサリチル酸があまり使われていません。皮膚科クリニックの処方薬としてサリチル酸ワセリンをよく出していますので、市販品でガサガサが改善しにくいときにはクリニックを受診しましょう。
タコやウオノメになっていて痛みが出ている場合や、赤くなっていたり、亀裂があってヒリヒリしたりする場合には、皮膚科の受診をおすすめします。