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事業テーマを狭く絞り込むメリットとは
「事業計画書は不要!?お金持ちが教える失敗しない起業術」の続きになりますが、起業にしろ副業にしろ、考えなければならない重要なことは、顧客ターゲットや分野を狭く絞り込むことです。これにはメリットがあり、個人でも参入しやすく、そして競合と差別化しやすいからです。たとえば、自分は英語が得意だから英会話スクールをやろうとしたときは、大手・中小規模を含めてたくさんのスクールがあり、大資本が派手に広告宣伝をしています。
あるいは、ピアノが得意だからピアノ教室といっても、ヤマハやカワイなどが全国展開しており、地元には古くから個人の教室が散在しています。こういったマーケットで勝つ(安定的かつ継続的に集客していく)のは容易ではありません。
しかしたとえば、「ビジネスパーソンのための、英字新聞や英語雑誌がスラスラ読めるようになるスクール」とすればどうでしょうか。大手企業はマーケットの大きいところに参入します。
つまり日常英会話・ビジネス英会話・TOEIC対策といった、誰でもわかりやすい市場は、当然ながら大手企業の草刈り場。それに、大手はハイレベルな講師も擁しており、クオリティ面での差別化も難しいです。しかし、英字紙読解に特化したスクールは多くありません。
また、ターゲットが主婦や学生ではなくビジネスパーソンなら、多少は単価が高くても受講料を払う余裕があるはずです。それに、英会話が必要なビジネスマンは多くなくても、英語文献を読めることは、情報収集という点からもニーズを掘り起こせるかもしれない、と考えることができます。
ピアノ教室も、たとえば「英語でレッスン」とか「3歳から5歳までの音感教育専門」などと謳うことで、競合との差別化が可能となります。
絞り込みで競争を回避し、効率よくターゲットにリーチ
個人がやる事業の場合、企業のようにオフィスの賃料や従業員の給料、人事総務経理といったバックオフィス部門の人件費などは発生しません。つまり、大量に顧客を獲得しなければ、やっていけないわけではないので、市場規模が小さくても問題がありません。むしろセグメントを狭く絞り込めば、そのマーケットの小ささゆえに、大手企業が参入してくる可能性は低く、競争も激化しにくいといったメリットがあります。
さらに、顧客ターゲットをより細かく特定すれば、そこに当てはまる人に振り向いてもらいやすいといえます。たとえば英語スクールのケースも、「海外の最先端情報の収集」に興味がある人にダイレクトに届く可能性が高いということです。
ニッチな分野ならすぐに第一人者になれる
もう1つのメリットは、分野が狭ければ狭いほど、第一人者になれる可能性が高いという点です。ニッチな分野であるがゆえに、短期間でその道を極めるのが容易というわけですが、その結果「第一人者です」と名乗ることができるようになります。たとえば英語でも、上には上がいて毎回TOEICで990点を連発している人から、帰国子女でパーフェクトな英語力を持っている人までいます。
つまり、ほどほどのレベルの人では、とても太刀打ちできません。「なぜ他ではなく、あなたを選ぶの?」「なぜあなたの商品をお金を出して買う必要があるの?」という質問に答えられなければ、商売として成り立つ強みが打ち出しにくいわけです。
しかし、英字紙読解であれば、レベルの差は外からは見えにくいでしょう。さらに、語学習得に関する全方位(リスニング・スピーキング・リーディング・ライティング)を提供しようとすると、時間も労力も得られる情報も分散してしまいます。
一方で英字紙読解だけを毎日毎日教えていけば、自然に効果的な教え方を掘り下げていくことになります。生徒からの質問にはどんなものがあるのか、どこでつまづくのか、などのフィードバックも得やすくなります。
そうして急速にレベルが上がり、もともと競合も少ないので数年で第一人者になれる、ということが容易に起こるわけです。
このように、自分がやろうとしていることで、顧客ターゲットやテーマをより絞り込むことは、資本力も宣伝力も乏しい個人事業には重要なことなのです。
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