アドバイス1 築年数を重ねたときの修繕積立金の負担増には注意したい
住宅ローンの返済計画について、無理があったと思われているようですが、たしかに、頭金が少なく、フルローンに近い点では不安かもしれません。しかし、「ぴよさん」の所得からすると、マンション購入後であっても、計画的に貯金できていることからも明らかなように、問題はなさそうです。むしろ、一般的な家計と比較しても、優秀であるといえます。もっとも、住宅ローンの返済のほか、管理費等で2万1000円かかっていることには、注意しなければなりません。築年数が浅いうちは、管理費等に含まれる修繕積立金が低額におさえられていますが、築10年、20年と年月を重ねるうちに、負担額が数万円となる場合もあるためです。
おそらく、その頃には、奨学金の返済も終えられているでしょうから、少なくとも、現在の奨学金返済分は、浪費することなく、修繕積立金の増額分に充当することを予定しておきましょう。
アドバイス2 固定期間が終わる返済10年目以降は、借り換えも検討したい
20代で貯金ができなかったという反省点を生かし、既に、繰り上げ返済されている点、また、定年退職前の完済を目標にしている点、素晴らしいとしかいいようがありません。1点だけ注意があるとすれば、10年固定でローンを組まれている点です。返済10年後の残債が約2700万円、仮に、金利が1.5%になった場合、月々の支払いが7000円アップとなるため、このタイミングでの借り換えについても、視野に入れておきましょう。
なお、繰り上げ返済するための資金の作り方としては、ハイリスク・ハイリターンの投資商品はひかえ、定期預金などの安全性の高い商品で積み立てていきましょう。現在でも毎月2万円の定期預金に加え、ボーナスからも10万円の貯蓄ができているため、1年で34万円のペースで貯金を増やすことが可能な家計となっています。
安心のため、手元に貯蓄を残すにしても、たとえば、3年ごと100万円程度の繰り上げ返済を続けていけば、特に、現在の生活レベルを落とすことなく、50代後半の完済も現実となります。
アドバイス3 定年後も働けるように健康を維持し、スキルを身につける
まず、万一の場合に備え、入院・手術を保障する医療保険の加入をおすすめいたします。いわゆる「ネット保険」では、月々千円程度のものも用意されているため、検討する価値があるでしょう。また、誰しも老後の不安はつきものですが、特に「ぴよさん」のような現役世代の場合、「年金は何歳からもらえるのか」、さらには、「本当にもらえるのか」といった疑念さえ抱かれるかもしれません。
もっとも、貯蓄のみならず、安全性の高い投資、さらには、個人年金保険にも加入されているため、一般的な家計と比較して、この点でも、優秀であるといえます。ただし、「人生100年時代」、経済的余裕がありすぎて困ることはありませんし、特に、60代では、個人年金があるものの、一定の収入を確保しておきたいところです。
「ぴよさん」は海外旅行が趣味とのことですので、語学や経験を生かし、旅を楽しむのみならず、旅を投資としてとらえ、たとえば、ブログやSNSなどで情報発信することで、副収入を得てみるのもいいかもしれませんね。そして、何より、定年後も元気で働けるよう、若いうちから、ご自身の身体や健康に自己投資していきましょう。
教えてくれたのは……
大島 浩之さん
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