生理不順でも妊娠した! 妊娠可能性や妊娠に気づくタイミングとは
生理不順の人の妊娠。そのままにしていると、自然妊娠が難しくなってしまうことも/また妊娠に気づくのがとても遅くなってしまうことも
生理不順の人の中には、簡単に妊娠する人もいますが、いつの間にか、自然妊娠が難しくなってしまうこともあります。そのため今は妊活を考えていなくても、自分の状態をチェックしておくことが大切です。また、妊娠した場合には、気がつきにくく、受診が遅れがちです。どのように受診したら良いか、分娩予定日はどう決めるのか、受精した日はどう推定するのか、などについて解説します。
正常な生理周期とは
生理周期とは、生理初日を1日目として、次の月の生理が始まる前日までの日数です。基礎体温の変化を調べることで、生理周期、排卵の有無、妊娠の可能性などの重要な情報が判ります。正常生理
- 生理周期:25~38日周期で、周期のばらつきが6日以内
- 生理期間:3~7日
- 低温期と高温期の2相性
- 低温期と高温期の平均体温差が0.3℃以上
- 高温期:(10~)14日
生理(月経)の異常とは
生理不順の場合、正常の生理周期のようにはならず、以下のような生理(月経)の異常が見られます。- 頻発月経:生理周期が24日以内
- 希発月経:生理周期が39日以上3ヶ月以内
- 生理周期のばらつきが7日以上
- 黄体機能不全:高温期が10日未満
- 無排卵性月経:排卵(高温期)を伴わない月経
- 無月経: 3ヶ月以上、月経がない
軽度の生理不順のケアや妊活対策
■軽度の生理不順- 普段は正常周期、年に1、2回、1ヶ月くらい飛ぶことがある
- 生理が1~2週遅れることもあるが、生理前に10日以上の高温期がある
- 夏ばてで食欲が低下すると生理が止まる
- 受験や仕事のストレスで一時的な生理不順になる
生理周期が長くなる、生理が飛ぶ回数が増えるなど、徐々に症状が悪化する場合には、産婦人科を受診してください。
軽度の生理不順では、自然に妊娠する人もいますが、妊活の際には、基礎体温表にセックスした日や体調変化を記録しておくと振り返ることができ、排卵の参考になります。しかし基礎体温や排卵検査薬による排卵予測は困難です。半年(排卵6回)で自然妊娠しない場合には、産婦人科を受診しましょう。
中程度、重度の生理不順のケアや妊活対策
■中程度、重度の生理不順- 黄体機能不全:高温期がいつも10日未満
- 無排卵性月経:生理出血の前に高温期(排卵)がない
このような方は卵巣機能不全、排卵障害のため、冷え性などの症状があることが多く、妊活前であっても、産婦人科の受診をお勧めします。将来、妊娠しにくくなる場合があります。生活や食事の改善、体重、体脂肪のコントロール、漢方薬による治療などで、改善する場合もありますが、黄体ホルモン剤や排卵誘発剤による治療を勧められることもあります。
妊活の際には、最初から不妊専門施設の受診をお勧めします。本格的な不妊治療が必要となることが多く、不妊症の約2割は、女性の排卵障害が原因とされています。
無月経の場合
■無月経- 15歳までに、一度も生理がない女子は、できれば母親同伴で産婦人科を受診しましょう。内診をせずに、採血や腹部超音波検査などでの診療を希望できます。
- 3カ月以上生理出血がない場合も受診が必要です。無月経が続くと子宮の筋肉は萎縮します。成熟女性の子宮はLサイズの鶏卵の大きさですが、短期間にSサイズ(小中学生並)の大きさになってしまい、妊娠しにくくなります。ホルモン治療で月経周期が規則的になっても、元の大きさに戻るのは時間がかかります。
気づくのが遅れがちな生理不順の人の妊娠
生理不順の場合、妊娠に気づくのが遅れがち……。受精日や分娩予定日はどう確定するのでしょう?
最終月経がいつだったかが思い出せれば参考になりますが、もし、分からないときは、いい加減に答えるよりも、分からないと正直に伝えて下さい。現在は、超音波検査のおかげで、かなり正確に妊娠週数を判断できます。
生理不順の人が妊娠しても、胎児のリスクが高くなることはありませんが、妊娠に気づくのが遅くなり必要なタイミングで検査ができないことがあります。妊娠初期の採血検査や超音波検査は、通常8~10週で行われますが、遅くとも12週までにできれば、問題ありません。12週を過ぎたら、胎児の頭部の幅や大腿骨の長さから、妊娠週数を決定します。
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