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年代別に解説!二人以上世帯の平均貯蓄額は?【2020年版】

金融広報中央委員会が発表した「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」によると、二人以上世帯の平均貯蓄額は1436万円でした。年代別、収入別ではどうなのか、細かくみていきましょう。

伊藤 加奈子

執筆者:伊藤 加奈子

貯蓄ガイド

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60歳代の貯蓄額の中央値は875万円で、老後に不安は残る

金融広報中央委員会が毎年調査している「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」によると、二人以上世帯の平均貯蓄額は1436万円、中央値は650万円という結果になりました。そのうち金融資産を保有していると回答した人の平均貯蓄額は1721万円、中央値は900万円となっています。
 
平均貯蓄額を参考に我が家のマネープランを振り返ってみましょう

平均貯蓄額を参考に我が家のマネープランを振り返ってみましょう



※ここでいう平均貯蓄額は、金融広報中央委員会が発表している「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」の「金融商品の保有額」のことです。金融商品の保有額とは、預貯金、貯蓄性のある生命保険、債券や株式、投資信託、その他の金融商品の総合計。ただし、預貯金に関しては、日常的な出し入れ・引き落としに備えている部分を除いた、「運用のため、または将来に備えて蓄えている部分」のみをカウントすることとしているため、銀行などの口座などに保有している金額のすべてではないことを、前置きとして付記しておきます。また、令和2年の調査では調査方法に変更があり、前年との単純比較はできません。
 
では、年代別では、どうなっているか見ていきましょう。
 
年代別・二人以上世帯の金融資産保有額

年代別・二人以上世帯の金融資産保有額



金融資産を保有していないと回答した人を含む全体の平均は1436万円(中央値650万円。以下カッコ内は中央値)ですが、20歳代では292万円(135万円)。年代が上がるにつれ、貯蓄額は増え、30歳代で591万円(400万円)、40歳代で1012万円(520万円)、50歳代で1684万円(800万円)となります。60歳代以降に大幅に増加するのは、退職金のほか、住宅ローンが完済した、子どもの教育費負担がなくなったなど、支出が大幅に減った影響もあるでしょう。
 
ちなみに、二人以上世帯の集計数は2052世帯で、世帯主の平均年齢は57歳、手取り平均世帯年収は541万円(中央値450万円)ですので、全体の平均貯蓄額が多いと感じるのは、比較的、年齢が高めの層に引っ張られた格好になっているのでしょう。
 
金融資産を保有している世帯のみの集計では、平均貯蓄額が1721万円(900万円)。年代が上がるにつれて貯蓄額が増えるのは同じで、20歳代で350万円(235万円)、30歳代で644万円(423万円)、40歳代で1177万円(686万円)となります。ただし、それでも平均には届かず50歳代で1955万円(1000万円)という結果になります。
 
単身者世帯のデータと比較すると、すべての年代において貯蓄額は多いのですが、60歳代の貯蓄額を見ると、金融資産を保有していない世帯も含む集計で、中央値が875万円。金融資産を保有している世帯でも1465万円という結果で、公的年金で不足する分を考えると、老後資金としては、やや不安が残る結果といえるのではないでしょうか。
 

年収500万円~750万円未満で平均貯蓄額は1342万円

では、年収別ではどうなっているでしょう。
 
サンプル数の少ない1000万円以上と、無収入、無回答の数値は参考程度に見ていただき、1000万円未満までの世帯年収別の貯蓄額を見てみましょう。
 
年収別・二人以上世帯の金融資産保有額

年収別・二人以上世帯の金融資産保有額


年収が高くなるほど、貯蓄額も増えていますが、平均年収の階層である500万~750万円未満の世帯では、金融資産を保有していない世帯も含めた平均貯蓄額は1342万円(中央値720万円)。金融資産保有世帯のみでは1475万円(中央値850万円)となっています。
 
その上の、750万~1000万円未満の階層では、金融資産を保有していない世帯も含めた平均貯蓄は2032万円(1300万円)、金融資産保有世帯のみでは2142万円(1350万円)。このあたりの数値になると、実感を持てない人も少なくないかもしれませんが、よく老後には3000万円必要などと言われます。年収が高い層であっても、なかなか達成するのは、難しい目標額といえるかもしれません。特に年収が高い層は、リタイア後も生活のレベルを下げたりすることができず、貯蓄はいくらあっても足りないという状況に陥りがちです。
 
当たり前のことですが、貯められるときを逃さず、きちんと貯めることが大事で、現在の年収からどれだけ貯蓄に回せるのか、もう一度チェックしてみてもいいのではないでしょうか。
 

貯蓄割合は現役世代では平均の10.0%以上

ボーナスも含めた年収から、どれだけ貯蓄に回しているかを示す貯蓄割合。金融資産を保有している世帯では、貯蓄割合の平均は10.0%でした。
 
年代別で見ると、20歳代が13.0%、30歳代も13.0%、40歳代が11.0%、50歳代は10.0%。60歳代は8.0%、70歳以上は7.0%とさらに下がりますが、現役世代に限れば、平均の10.0%を上回っています。
 
二人以上世帯の場合、30歳以上になると借入金のある世帯が62.3%と半数以上あり、また子どもが生まれれば子どもの教育費もかかるようになり、その分、貯蓄に回せる割合が少なくなるのでしょう。
 
お金の貯めどきは、「独身時代」「結婚して子どもが生まれるまで」「子育てが一段落、または子どもが独立してから定年退職する」までの3回あります。20歳代で世帯を持ったなら、今がお金の貯めどきです。子育て中であれば、子どもが学校に上がったら働き方を変えて収入増を図ることも考えましょう。定年退職まであと10年など先が見えてきたら、老後資金はあといくら必要なのか、何歳まで働くのかなどのイメージを持つことも必要です。
 
平均貯蓄額などを見て、我が家はどうなのか、これからどんな貯蓄プランにするのか、考えるきっかけにしてほしいと思います。
 
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