50歳代でも平均貯蓄額は1000万円に届かない?

『家計と金融行動に関する世論調査(令和2年)』(金融広報中央委員会)によると、単身者世帯の平均貯蓄額は653万円、中央値は50万円という結果になりました。そのうち金融資産を保有していると回答した人の平均貯蓄額は1044万円、中央値は300万円となっています。

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こうした調査は、全年代を通しての平均となりますので、年代や年収によって、貯蓄の実態は変わってきます。この調査での平均年齢は、44歳、手取り年収は260万円(中央値239万円)でした。

※ここでいう平均貯蓄額は、『家計と金融行動に関する世論調査(令和2年)』(金融広報中央委員会)の「金融商品の保有額」のことです。金融商品の保有額とは、預貯金、貯蓄性のある生命保険、債券や株式、投資信託、その他の金融商品の総合計。ただし、預貯金に関しては、日常的な出し入れ・引き落としに備えている部分を除いた、「運用のため、または将来に備えて蓄えている部分」のみをカウントすることとしているため、銀行口座などに保有している金額のすべてではないことを、前置きとして付記しておきます。また、コロナの影響によって調査方法を変更しているため、前年との単純比較はできません。
 
まず、年代別の実態をみていきましょう。
 
年代別・単身者世帯の金融資産保有額

年代別・単身者世帯の金融資産保有額



 
金融資産を保有していないと回答した人を含む全体の平均は653万円(中央値50万円。以下カッコ内は中央値)ですが、20歳代では113万円(8万円)と、かなり厳しい結果になっています。年代が上がるにつれ、貯蓄額は増えますが、それでも、30歳代で327万円(70万円)、40歳で666万円(40万円)、50歳代で924万円(30万円)となり、1000万円には届きません。60歳代で大幅に増加し1305万円(300万円)となりますが、退職金のほか、住宅ローンの返済が終わるなどの要因もあるでしょう。
 
一方、金融資産を保有している世帯のみの集計では、平均が1044万円(300万円)。年代が上がるにつれて貯蓄額が増えるのは同じで、20歳代で203万円(81万円)、30歳代で484万円(300万円)、40歳代で1066万円(400万円)となり、50歳代で1601万円(622万円)という結果になります。
 
しかし中央値でみると、金融資産を保有している世帯のみであっても、60歳代でも1000万円に届きません。また、金融資産を保有していない人を含めた貯蓄額と、金融資産を保有している人の貯蓄額との差は、どの年代を通してもとても大きいのです。
 
平均貯蓄額ではわからない、多くの人が抱える老後資金への不安は、こうした実態からも見えてくるかもしれません。
 

年収300万円~500万円未満の貯蓄額は平均690万円

では、年収別ではどうなっているでしょう。
 
シングルの集計数は2500人で、年収300万円未満が1310人と半数以上を占めており、年収750万円以上はわずか73人と偏りがあります。一覧には記載しましたが、参考程度にとどめ、ここでは750万円未満のデータをみていくことにします。
 
年収別・単身者世帯の金融資産保有額

年収別・単身者世帯の金融資産保有額



年収が高くなるほど、貯蓄額も増えていますが、問題は年収ではないという点に注目してみます。
 
年収300万円未満で金融資産を保有していない人も含めた平均は472万円(中央値20万円)であるのに対し、金融資産を保有している人だけの平均は788万円(191万円)。平均で316万円の差があります。
 
年収300万円以上500万円未満では、金融資産を保有していない人も含めた平均は690万円(145万円)なのに対し、金融資産を保有している人のみの平均は958万円(367万円)と、その差は268万円。同じように、年収500万円以上750万円未満では、平均1614万円(562万円)に対し、平均1990万円(750万円)で、差は376万円。
 
年齢構成まではわからないので、勤労者世帯のみとなると、また異なった結果になるかもしれませんが、やはり年収の多寡によらず、きちんと貯蓄行動をしているかどうかは大切で、年収が低いから貯蓄できない、というのは、理由にはならないでしょう。
 

20歳代の貯蓄割合は18.0%と平均以上

若いうちから貯蓄グセを身につけることが大事で、毎月の給料やボーナスから、きちんと積み立てなどをする以外に、貯蓄の王道はないのです。
 
金融資産を保有している20歳代の貯蓄割合は年収の18.0%と平均の13.0%を上回っています。30歳代も16%、40歳代で13%、50歳だと12%と下がっていますが、一般的には年齢とともに年収も上がっていきますから、割合としては減っても、金額自体は、年齢とともに積み上がっているはずです。
 
平均貯蓄額といったデータの表面の数値にとらわれず、同じ年代、同じ年収レベルの人の貯蓄額などを参考に、もしも不足しているようであれば、まずは、自分の貯蓄行動を見直すことからはじめましょう。また、平均より上回っていても、それで安心することなく、いつまでに、なんのために、いくら必要なのか、明確な目標を持って、貯蓄プランを考えてみてください。

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