すでに分かっている研究としては、
「株を買うベストな月は11月が有利!」とか、
「株を買うなら月末が有利!」とか、
「祝日前は株価が上がりやすいらしい!」とか、
「夕方は株価が安くなるから割安に仕込める!」とか。
お手頃な価格で株を仕込む方法が、さまざまな研究者によって明かされています。
この他にも、
「1月は小型株が有利!」とか、
「株主優待銘柄は権利確定の3カ月前が狙い目!」とか、
「IPOは上場してから5年間目以降に買うべき!」とか。
買い付ける銘柄によって、特有のタイミングがあるようです。なかなか奥が深いんですな。
そんな中、「株を買うなら何曜日がベストか教えて欲しい!」というリクエストもいただいていたのですが、これまで取り上げてきませんでした。というのも、株を買うベストな曜日は、国によって違うみたいなんで、使えそうなエビデンスを見つけるのに手間取っていたんです。
しかし、先日、やっと良さげなデータを見つけました。今回は、このデータを元に、「株を買うなら何曜日がベストなのか?」という話をご紹介しましょう。
株を買うなら水曜日がベスト!
金融専門誌「ジャーナル・オブ・バンキング・アンド・ファイナンス」に掲載された論文(1)によると、「週明けは株価が上がりにくい!」傾向があるのだとか。ですから、少なくとも株を買うタイミングとして、週明けは避けておいた方がよさそうです。また、2013年にニッセイ基礎研究所が公開した記事(2)によれば、「日本株市場は月曜日と火曜日に下がりやすく、水曜日から週末にかけて上がりやすい」傾向が確認されたようです。
特に、「週の前半は株価が下がりやすい!」という傾向は約30年間を通じて傾向が確認されています。だから、株を買うなら、週の後半。できれば、水曜日、木曜日、金曜日のどれかを選ぶのがベストなようです。
個人的に調査した結果では、「水曜日に買って、週明けに売る」という売買手法を使うと、もっとも利益を出しやすい傾向が見つかりました。
安く株を買うなら、月曜日や火曜日に株価が下がった後=水曜日あたりが有利。
高く株を売るなら、水曜日~金曜日に株価が上がった後、月曜日や火曜日に株価が下がる前=月曜日あたり、が有利だからです。
とはいえ、ここまで厳密に取引する必要はありません。
ざっくりと、「週の前半は株価が下がりやすい!」「週の後半は株価が上がりやすい!」という傾向を覚えておくだけでも、有利に取引できるはずです。頭に入れておいて損はないでしょう。
まとめ
投資家の方の中には、「良い会社の株さえ買っておけば大丈夫!」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ちょっとタイミングに気を配るだけで、さらに利益を伸ばすことができると思うのです。本記事をきっかけに「いままで株を買うタイミングに気を配ってこなかった…!」と思った方は、良い機会ですから、次に買う予定の株は、いつにするか計画し直してみてはいかがでしょうか。
●参考文献
- 論文:M. Dubois and P. Louvet, 1996, "The day-of-the-week effect: The international evidence", Journal of Banking & Finance, 20(9), pp. 1463-1484
- 記事:伊藤拓之, 2013, "投資の法則は変化したか?(2)-曜日効果アノマリー(月曜効果等)を再検証する", ニッセイ基礎研究所, 2018年12月16日時点