人気モデル『XV』にハイブリッドを追加
スバルの人気モデル『XV』に簡易型ハイブリッド仕様(Advance)が追加された。このタイプのハイブリッドは、プリウスなど本格的なシステムほど燃費が良くない反面、普通のエンジン車との価格差を抑えている。
XV Advanceの価格は282万9600円で、ほぼ同じ装備内容を持つ2000cc車(2.0i-S EyeSight)は270万円だ。その価格差は12万9600円でハイブリッドの方が高い。
果たしてハイブリッドを選ぶべきか、普通のエンジンを選ぶべきか迷う。結論から書くとハイブリッドだ。
ハイブリッド車とエンジン車、コスト面の違いは?
ハイブリッド車と普通のエンジン車との、コスト面における違いは2つ。
まず税金。購入時に取得税と重量税そして毎年掛かる自動車税が、簡易型であってもハイブリッドなら優遇を受けられる。スバルのWebサイトを見ると試算を掲載しており、それによればXV Advanceを購入後1年で6万2800円(エコカー減税と自動車グリーン税制での減税総額)安くなるという。税金分だけ考えても、ハイブリッド車と普通エンジン車との価格差は6万6800円に縮まる。
2つ目が燃費。ハイブリッド車を選ぶと普通のエンジン車より実用燃費が良い。大雑把なイメージだと(JC08モードを七掛けすると実用燃費に近い)、ハイブリッドで13.4km/L。普通エンジンなら11.2km/Lといったあたり。
ガソリン代に換算したら、走行1万km毎に2万2000円(2018年10月時点)くらい違う。となれば、3万km走ると6万6000円差になる。この時点でハイブリッド車と普通エンジン車のコストが並ぶ。
さらに! 3~5年乗った後、乗り換えのため査定に出すと、中古車市場はハイブリッド車の方が人気だ。確約できないものの、今までの実績だと10万円くらい高い買い取り値を付けてくれる。何と!税金と燃費でトントン。
4万km以上走るとガソリン代が節約でき、手放せば査定の上乗せが期待できるという寸法だ。最初に12万9600円高くたって取り戻せる。
ということで、ハイブリッドを考えたらいいと思う。
e-BOXERの走りは?
続いて、XVのハイブリッドシステムについて紹介したい。
スバルが『e-BOXER』と称しているハイブリッドは、145馬力のエンジンに13.6馬力の小さいモーターを組み合わせたタイプだ。プリウスの場合、98馬力のエンジン+72馬力のモーター。モーター出力大きいため、停止からの発進もモーターだけのパワーで可能。
e-BOXERは駐車場の移動に代表されるホンの少しのアクセル開度や、制限速度程度の巡航時のみモーターだけで走れるモードを持っているけれど、基本的にエンジンで走る。
プリウスの場合は、ハンドルを握ったら誰でも「普通のクルマと全く違いますね!」とわかる。
一方、簡易型ハイブリッドのe-BOXERだと、運転してても解らないかもしれない。しばらく乗っていればモーターの存在を感じる程度。個人的には少しばかり物足りない感じだ。「普通のエンジン車の方が違和感なくて好ましい」と考える人であれば、e-BOXERも悪くないかもしれない。
気になる燃費は、高速道路の巡航燃費は10%くらいの差しかないが、信号停止の多い街中だと30%くらい違う。都市部で使うならハイブリッドのメリットは大きい。アイドルストップからの始動もハイブリッドは滑らかだ。
XVを乗りたい!ハイブリッドと普通エンジン、どっちがいい?
唯一の悩みが282万9600円という価格かもしれない。諸費用を払えば軽く300万円を超える。そこまで予算がないけれど、アウトドアの雰囲気満点のXVに乗りたいというなら、226万8000円の1600ccエンジン車をおすすめする。実用燃費はハイブリッドと2000ccの普通エンジンの中間程度。絶対的な動力性能で15%くらい低くなるだけ。もちろんアイサイトは標準装備だ。