20代前半・30代前半で知っておきたいプレ妊活の方法と不妊症の話

本格的な妊活は早い気がするけれど、いつかは子供が欲しいと思っている。でも、その時、すぐ妊娠できるかしら?もし不妊症だったらどうしよう?……パートナーがいる人も、まだパートナーがいない人も、妊活が気になりはじめた方に知っておいてほしいプレ妊活の方法と不妊症の定義について解説します。
 
本来、妊活や不妊治療をしなくても90%以上の女性は自然に妊娠できますが、なかなか生涯のパートナーに巡り会わない、結婚しているけれどセックスレス、仕事のキャリアが先、将来への展望がなく妊娠をためらっているなど、さまざまな事情で時間が経ってしまい、中には、いつの間にか妊娠の適齢期を逃していたという方が増えています。

妊娠は自然に授かるものから、計画するものになりつつあります。いざという時に、無駄なく時間を活用できるように、あらかじめ、不妊症、プレ妊活チェックについての知識を押さえておきましょう。

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不妊症の定義
プレ妊活チェック(旧ブライダルチェック)
卵巣予備能(AMH)  

 

不妊症の定義

2015年、日本産婦人科学会は、新しい不妊症の定義を発表しました。
「生殖年齢の男女が妊娠を希望し、ある一定期間、避妊することなく通常の性交を継続的に行っているにもかかわらず、妊娠の成立をみない場合を不妊という。その一定期間については1年というのが一般的である。なお、妊娠のために医学的介入が必要な場合は期間を問わない」
 
つまり、不妊症は
  • 健康な男女が、1年間、避妊なしの性交を行い、妊娠しない。
  • 排卵が無い、子宮や卵管の異常、精子異常などが明らかな場合、期間は関係ない。
ということです。
 
以前の一定期間は2年でしたが、初産婦の平均年齢が30歳を越え、自然妊娠をあまり長く待てない事情もあり、1年に短縮されました。
「1年間で不妊症と診断されるのは、早いのでは?」と思われるかもしれませんが、これまでも、基礎体温などで排卵日に合わせて妊娠を試みていた場合には、6ヶ月間で医学的には不妊症と判断され、治療が開始されてきました。

 

プレ妊活チェック(旧ブライダルチェック)とは

「ブライダルチェック」は、昔、武家などで嫁入り前に「娘は生娘である、結核・性病などの病気がない、家系に遺伝的問題が無い」などを、実家が証明していた釣書に由来します。

明治以降に家族制度ができて、庶民の間でも「嫁入り3年、子無くば去れ」とされ、結婚が家同士の問題だった頃の、花嫁の健康証明書という印象があり、産婦人科医の多くは、この日本独特の和製英語「ブライダルチェック(bridal check)」を使いたくないと考えています。
 
「プレ妊活チェック」は女性が自分のために行う健診です。結婚前のチェックだけでなく、まだパートナーはいないけれど年齢的に心配、男はあてにしていないけど子供はほしいなど、多様な価値観に対応するために「プレ妊活チェック」としています。本格的な妊活を始めようとしたときに、何か問題点があったら、その解決に長期間かかってしまわないようにする備えです。
 
「プレ妊活チェック」の例を示します。最初から不妊症専門クリニックに行く必要はありません。プレ妊活は、これからも気軽に受診できる近くのレディースクリニックなどで、自分に合った検査がお勧めです。健康保険は適応されず自費になります。費用は施設によってかなり異なりますが、セットで2~5万円位で、人間ドックの項目などと併せた高額なものもあります。職場の健康診断などで、既に済んでいる項目は省くこともできますが、費用が安くなるとは限りません。

「内診はしたくない」と思う方は、あらかじめ希望する検査を相談してみましょう。
妊活 ブライダルチェック

プレ妊活チェックの実際

解説
  • 治療が必要な内科疾患、高血圧、心臓病、糖尿病、腎臓病、膠原病などは、妊活前のコントロールが重要です。
  • 感染症では、体外受精でようやく妊娠できた方が、間が悪いことに、妊娠初期に風疹に感染してしまい、悩んだ末に妊娠を継続して、子供が先天性風疹症候群となったことがあります。ワクチン接種が必要な方は、妊活を始める前に済ませておきましょう。
  • 基礎体温は、少なくとも3ヶ月以上つけると、排卵の有無や黄体機能不全などが予測できます。できれば、アプリではなく専用の用紙に記録すれば、判断しやすくなり、もし、妊活で受診した際にも、先生に喜ばれます。
  • 甲状腺機能低下症の方は意外と多く、冷え性、うつ、不妊症の原因になります。妊活前に改善しておくと妊娠率も高まります。
  • クラミジア感染症は不妊症の原因になりますので、妊活前に治療が必要です。
  • 子宮がん検診も、妊活前に済ませておけば、より安心です。
  • 超音波検査で子宮や卵巣の異常が見つかった場合に、妊活前に治療が必要なものもあります。基礎体温表を参考に卵巣の卵胞発育を調べれば、排卵の有無をチェックできます。
  • AMHについては、次の欄で解説します。
 

卵巣予備能検査 抗ミューラー管ホルモン(AMH) 

不妊症治療の際に、卵巣予備能検査として、抗ミュラー管ホルモン(AMH)を調べる施設が増えています。血液中のAMHは、卵巣に存在する卵胞の数を反映し、卵巣予備能の評価に有用とされていますが、その意義については不明な部分もあり、次の点に留意することが必要です。

抗ミュラー管ホルモン(AMH)の測定に関する留意事項
    
(日本産科婦人科学会 平成27~28年度生殖・内分泌委員会報告)
  1. AMHは卵巣の質とは関連しない。
  2. AMHの測定値は個人差が大きく、若年女性でも低い場合や高齢女性でも高い場合があり、測定値からいわゆる「卵巣年齢」の推定はできない。
  3. 測定値と妊娠する可能性とは直接的な関連はなく、測定値から「妊娠できる可能性」を判定するのは不適切と考えられる。
  4. 測定値が低い場合でも「閉経が早い」という断定はできない。
基礎体温で排卵を認めない、超音波検査で卵胞発育がないなどの場合に、検査を勧められるかもしれません。もしAMHが低値なら、医師と相談の上、早めの妊活・不妊治療を考慮することがあります。

 
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