成功を導く「スジの良い失敗」とは
失敗は誰でも経験するし、失敗は成功への1つのステップに過ぎません。失敗して自分の課題がわかり、対策を考えて再挑戦する。その積み重ねが成功の確度を高めてくれる。そのため多くの成功者は、失敗の必然性を語ります。ここまでは耳タコの話だと思います。
しかし失敗には、スジの良い失敗とスジの悪い失敗があります。
スジの良い失敗とは、自身の成長につながる失敗です。失敗を通じて「何が問題だったか。次はどうすればよいか」と課題を発見し対策と教訓を得られるので、次の挑戦につなげることができます。
一方、スジの悪い失敗とは、心が折れて再起不能になったり、トラウマとなって挑戦できなくなったり、同じ失敗を繰り返すようなことです。これではせっかくの失敗を生かすことができず、単なる敗者で終わってしまいます。
そこで、スジの良い失敗のやり方をご紹介します。
スジの良い失敗は「受け入れること」から始まる
まずは失敗を受け入れることです。失敗そのものは悪いことではなく、むしろ今までの自分のやり方を変えなければならないという新たな気づきの場なのです。たとえばテニスでも野球でも、うまく打てなければ打ち方を変えるはず。試合に勝てないのに相変わらず同じ打ち方で勝とうとするのは、さすがに無理があるでしょう。
同様に、失敗を否定するとか、なかったことにするということは、今までの自分のやり方を肯定することであり、同じやり方しかしないことを意味します。それでは成長せずまた失敗を繰り返すだけ。
先のテニスや野球の例のように、同じことをして違う成果を求めるというのは、非論理的だということはわかると思います。
そこで、失敗は失敗として受け入れ、原因と対策を考えることです。それによって教訓を抽出でき、今後似たような場面に遭遇したときの自分の関わり方を変化させることができます。
たとえば「いつも似たようなダメ男に引っかかる」という女性の話を耳にすることがありますが、これもスジの悪い失敗の一例です。
そういう人は、その失敗を受け入れてないのです。だから自分がなぜそういう男性を求めるのか、あるいはなぜそういう男性からアプローチされるのか、その原因を掘り下げて分析しない。だから対策がない。だから自分の行動も変わらない。だからまた同じ男性に引っかかるのです。
失敗そのものではなく対策にフォーカスする
もちろん、失敗を受け入れるのには勇気がいることもあるでしょう。ときには無能感にさいなまれ、恥ずかしさに赤面し、あるいは怒りや無念の感情に支配され、記憶に蓋をしたくなることもあるかもしれません。そういう場合は、「失敗した」という事象や事実を思い出してクヨクヨするのではなく、失敗の原因となった自分の判断と、その判断の元となった根拠を思い出してみることです。
失敗の原因がわかれば対策は立てられる。自分の何を変えるべきかがわかる。
そうやって「この次はどうすればよいのか」にフォーカスすれば、起きた事実は変えられなくても、未来は変えることはできます。
「次はこうしよう」というのは、今までの自分が持っていなかった判断基準であり、それが新たに加わるということは、まぎれもなく自分が成長したことを意味します。
そう捉えれば、「失敗した」というつらい感情の記憶は時間の経過とともに薄らいでいき、教訓だけが残ります。
そして次に同じような場面に直面したときその教訓がよみがえり、より適切な意思決定がより短時間でできるようになるのです。