RGBやCMYKの違い……「色の表現方法」を表すカラーモード用語
RGBやCMYKとは「色の表現方法」を表すカラーモード用語
【INDEX】
RGBとは
赤(R)、緑(G)、青(B)の3種類の色の発光の度合いを調整して、さまざまな色を作り出します
ただ、一般的な照明と違って、液晶ディスプレイの中に、赤(R)、緑(G)、青(B)の光を透過させるカラーフィルタがあり、3種類の色の発光の度合いを調整して、さまざまな色を作り出しています。
太陽の白い光は、虹の7色のように、連続的に変化する無数の異なった色からなっています。無数にある光の色のうち、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色は「光の3原色」と呼ばれます。この3色の光の組み合わせで、人が見ることができるほとんどすべての色を作り出すことができます。
上図の左側の図が示すように、光の三原色は、次のような関係が成り立ちます。
- 緑(G)+青(B)=シアン(C)
- 赤(R)+青(B)=マゼンタ(M)
- 緑(G)+赤(R)=イエロー(Y)
- 赤(R)+緑(G)+青(B)=白(W)
RGB値とは
RGB値とは、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色を混合する比率のこと。これは、細やかに設定することができます。最もよく使われているのは、16進数カラーコードや各色0~255の256段階で、次のように指定します。- 黒:#000000:RGB(0,0,0)
- 青:#0000FF:RGB(0,0,255)
- 紫:#800080:RGB(128,0,128)
- オレンジ:#FF6600:RGB(255,102,0)
- アイボリー:#FFFFCC:RGB(255,255,204)
- ブルーグレー:#666699:RGB(102,102,153)
CMYKとは
パソコンやテレビ、スマホやデジカメのディスプレイなど、光を出しているものは、RGBの3色を混ぜてさまざまな色を作り出しています。しかし、印刷やプリントアウトなど、紙などにインクの色をつけて表現する場合は事情が異なります。印刷やプリントアウトでは、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の3原色を混ぜ合わせて、さまざまな色を作ります。CMYを「色料の3原色」と呼びます。
冒頭の図の右側の図が示すように、色料の三原色は、次のような関係が成り立ちます。
- マゼンタ(M)+イエロー(Y)=赤(R)
- シアン(C)+イエロー=緑(G)
- シアン(C)+マゼンタ(M)=青(B)
- シアン(C)+マゼンタ(M)+イエロー(Y)=黒(K)
雑誌のカラー印刷はシアン・マゼンタ・イエローとブラックの点の集まりで構成されています
液晶ディスプレイも、光を混ぜ合わせるのではなく、RGBの小さな光を配置しているので、「並置混色」という点は同じです。
並置混色は、印象派の画家たちが考案した点描画と同じように、本当は2つ以上ある色が、人間の脳では1つの色として知覚される現象を活用しています。
シアン・マゼンタ・イエローを混色すると、理論上は黒になるのですが、実際には濁った灰色になります。インクの厚みも出るため、すっきりとした黒を表現するため、シアン・マゼンタ・イエローにブラックのインクを加えた4色でさまざまな色を作り出しています。これをプロセスカラーと呼びます。
RGBとCMYKは、ようは何が違うの?
RGBとCMYKは、混色に用いる3原色が、光とインクという点で違いがあります。そして、どちらも理論上は、人が見ることができるほとんどすべての色を作り出すことができるのですが、現在、市販されている製品では、限られた色の領域しか再現することができません。また、RGBよりもCMYKの方が表現できる色域が狭いため、RGBでは再現可能であってもCMYKでは再現できない色があります。そのためRGBで作成されたデータを印刷すると、全体的にくすんだ色味に仕上がります。これは、再現できない領域の色を別の色(CMYKでの近似色)に置き換えるために起きます。
そのため、印刷用データは、CMYKで作成するか、RGBで作成したものを、CMYKに変換するのが一般的です。また、CMYKで制作したものをRGBに変換しても、RGBの鮮明な色合いにはなりません。
「紙に印刷したら色のイメージが違っていた」というのは、実はよくあることです。RGBとCMYKとでは再現色域が異なるため、避けられない部分もあります。パソコンで印刷物をデザインするときは、カラーモードを確認し、仕上がりのイメージをしっかりと確認することが大切です。
【参考】
Adobe Illustrator カラーについて
Adobe Photoshop カラーモードの変換
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