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小学校の新学習指導要領 何が変わる?簡単総まとめ!

2020年学習指導要領が大きく改訂されます。小学校における学習指導要領の大きな変更点としては、英語と道徳が教科として導入され、またプログラミングの授業が行われることになるの3点です。また、アクティブラーニング(主体的、対話的で深い学び)の方法で授業が行われることで、子供たちが進化の予測不可能な社会で将来人生を切り開く力を身に付けることを目指します。小学校の新学習指導要領で何が変わるのか具体的に解説します。

田宮 由美

執筆者:田宮 由美

子育てガイド

2020年改訂される「学習指導要領」

 
2020年学習指導要領は、予測不可能な将来にも、自ら人生を切り拓く力を身につけられることを目指します

2020年学習指導要領は、予測不可能な将来にも、自ら人生を切り拓く力を身につけられることを目指します


2020年に「学習指導要領」改訂の時期を向かえます。「学習指導要領」とは、国が定める教育課程の基準をまとめたもので、これを指針として、各学校は授業を行い、また教科書の編纂や時間割なども決められていきます。

学校教育においてとても重要であるこの学習指導要領は約10年ごとに改訂が行われ、次回は、2018年からの移行措置期間を経て、小学校では2020年に新学習指導要領が完全実施となります。

今回の改訂で、小学校教育において大きく変更される点は、以下の3点です。
1.英語の教科化、2.道徳の教科化、3.プログラミング教育の導入
では、改訂される学習指導要領のベースとなる理念や各教科について説明していきます。

Index
新学習指導要領の理念
英語:3年生から「外国語活動」、5・6年生では「教科」に
道徳:正式な「教科」となり、教科書も導入
プログラミング教育で論理的思考力を養う
それ以外(国語・算数・社会・理科)
英語の時間数分、 授業時間が増加
 

新学習指導要領は「社会に開かれた教育課程」を理念とする

情報化やグローバル化といった社会的変化が予測を超えて進展するようになってきており、今の子ども達が大人になる頃には、どのような社会になるか予測不可能な面があります。しかしそのような中でも、主体的に向き合い、広い視野を持って、自分の人生を切り拓いていけるような力を身に付けていくことを重視し、今回の改訂は行われています。

またそれらを実現させるために必要とされる資質や能力を育み、学校教育を学校内に閉じずに、社会と共有・連携しながら実現させることを目指し、「社会に開かれた教育課程」を理念として改訂が行われます。
 

新学習指導要領:英語(外国語)
3年生から「外国語活動」、5・6年生では「教科」に

2020年の新学習指導要領では、英語(学習指導要領では「外国語」と表記)が小学校3年生から、「外国語活動」として導入されます。3・4年生と英語に慣れ親しむことを主な目的とし、「聞く」「話す」のコミュニケーションを中心に、年間35時間(小学校での1単位は45分)授業が行われます。現在、5年生から行われている英会話や英語に触れる授業が、改訂後は2年前倒しされることになります。

そして5・6年生では、年間70時間に増え、英語は評価が伴い、成績のつく教科となります。「聞く」「話す」に加え、大文字・小文字の文字指導(活字体)、語順の違いや文構造への気づきなども指導されます。
 

新学習指導要領:道徳
正式な「教科」となり、教科書も導入

 
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主体的、対話的に取り組み、多様な考えを理解し、学びを深めます


道徳の授業は「特別の教科である道徳」という位置付けになり、教科書も作られます。現行では、正式な教科の扱いになっておりませんので、地域によって、取り組みに差が生じている問題があります。そして昨今、いじめや青少年の自殺が大きな社会問題となっていていることなどが背景にあり、教科化されました。
 
では、どのような授業内容になるのでしょうか。
例えば「いじめ」をテーマにした場合、「自分はだれとでも仲良くしたいと思いながら、実際はいじめられている友達を傍観している」などの状況を考え、その葛藤と向き合い、自分とは異なる意見をもつ他者と議論を交わします。

直ぐに解決策を出すのではなく、社会のマナーや常識ある言動、他者への思いやり、命の尊さ、人の生き方などを深く考え追求していくような授業が想定されています。
 
多方面、多角的に考え、道徳的価値の理解を自分自身との関わりの中で深めてくことに意義を見出す授業となります。このように道徳には、ハッキリとした正解はありません。ですので道徳は教科にはなりましたが、数値化された評価の対象にはならない方針です。
 

新学習指導要領:プログラミング
小学校から情報やコンピューターを学習

改訂のもう一つの大きなのポイントは、プログラミング授業の導入です。AI(人工知能)や情報化の急速な進化に対応できるよう、小学校から情報やコンピューターを学習し、中学高校へと更に充実化を図ります。

児童がプログラミングを実際に体験したり、コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動が計画的に実施されていきます。ただし、新教科にはせず、現行の各教科のなかに組み込まれていきます。
 
その他の教科については大きな改訂はありませんが、「社会に開かれた教育課程」を基に質の向上が図られます。国語、社会、算数、理科についても新学習指導要領のポイントの一部分を簡単にお伝えします。
 

新学習指導要領:国語

  • 教科等を越えたすべての学習の基盤として育まれ活用される資質・ 能力として言語能力を重要視されています
  • ことわざ、故事成語、伝説、また古文・漢文の音読などの指導も充実され、伝統的な言語文化に関すること等が新設されます
  • ローマ字は現行の4年から3年に移行されます
 

新学習指導要領:社会

  • 歴史の年代を暗記だけするのではなく、「何故、その出来事は起こったのか」「その出来事がどのような影響を及ぼしたか」を追求していきます
  • その過程で当時の社会や現在に持つ意味などを含め、知識相互がつながり関連つけられ、社会における様々な場面で活用できる知識として、身に付けていくことが重要視されます
 

新学習指導要領:算数

  • 基礎的・基本的な知識・技能の確実な定着のため、発達や学年の段階に応じた反復による指導が充実され、例えば、1年生で簡単な2ケタの足し算引き算を導入的に扱い、2年生で2ケタの足し算引き算を本格的に習います。4年生では整数の計算の定着と活用が行われます。
  • 学ぶことの意義や有用性を実感できるよう、実際の場面で活用する活動などの「算数的活動」を「数と計算」「量と測定」「図形」「数量関係」の4領域に加え、新たに指導内容として規定されます。
 

新学習指導要領:理科

  • 身の回りの自然や現象に知的好奇心を持ち、課題の把握(発見)、課題の探究(追究)、課題の解決という過程を通じた学習活動が行われます
  • 子どもが主体的に「何故?」の疑問を持ち、それに自ら取り組んでいくような働きかけの授業が行われます
 

英語の時間数分、 授業時間が増加

その他の授業の時間数(学習指導要領では「時数)と表記)は現行のままです。そうなりますと、全体の授業時間が、英語の時間数の分、従来より増えることになります。その時間数をどのように時間割に組み入れるかは、各学校ごとの工夫に任せられます。

ですので、土曜の休日や、夏休みなどの長期休暇の活用、また45分を何回かに区切り、朝の授業開始前、昼の長休み、放課後の時間の利用などで工夫することになり、自治体や学校によって、各々に違ってくるでしょう。
 

「学校」「家庭」「地域」の連携で未来を担う子どもを育む

2020年度からの新学習指導要領では「何ができるようになるのか」「何を学ぶのか」「どのように学ぶのか」それらを明確にし追求しています。

知識を学ぶだけでなく、それをどのように活用するかを考え、「何のために勉強をするのか」という意識を持ち、アクティブラーニング(主体的、対話的で深い学び)の方法で授業は行われ、生涯、能動的(アクテイブ)に学び(ラーニング)続けることを目指します。
 
子ども達が将来を生きていくために、身につけたい大切なことが全て書かれている、本当に素晴らしい2020年の学習指導要領改訂、ですが最も大切なことは、これらを実現させることです。それには学校だけに全てを任せるのではなく、家庭、地域、全ての連携が必要になります。

是非、親もアクティブに関わり、社会全体が協力しあって、未来を担う子ども達の「確かな学力」「健やかな体」「豊かな心」を育んでいきたいですね。

 

参考資料

新しい学習指導要領の考え方・中央教育審議会における議論から改訂そして実施へ:文部科学省
新学習指導要領(本文、解説、資料等):文部科学省
小・中・高等学校を通じた英語教育強化事業等:文部科学省
小学校プログラミング教育の手引き:文部科学省
道徳教育の抜本的充実に向けて:文部科学省

 

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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