投資信託

ファンド償還時点で「元本の確保を目指す」投資信託の仕組み

投資に踏み出すことができない理由の1つに「元本が保証されていない」ことがあげられます。逆にいえば元本が保証されていれば投資するということになりますが、為替リスクのない円建てで、投資したお金が目減りしない「元本確保型」の投資信託である、「ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンド」が登場しています。投資未経験層を取り組むために設定されたそうですが、どんな投資信託なのか見ていくことにしましょう。

深野 康彦

執筆者:深野 康彦

お金の悩みに答えるマネープランクリニックガイド

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「ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンド」の、元本を確保する仕組みとは?

投資したお金が目減りしない「元本確保型投信」とは、正式名称を「ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンド」といい、アセットマネジメントOneが設定・運用しています。この投信は、2018年7月11日~30日の間で、大和証券1社の販売で307億円ものお金を集めたわけですから、投資家の関心が高い商品だと言えるでしょう。

 
投資したお金が目減りしない「元本確保型投信」

投資したお金が目減りしない「元本確保型投信」



それでは元本を確保する仕組みを簡単に説明しましょう。

同ファンドは、ゴールドマン・サックス・ファイナンス・コープ・インターナショナルが発行する円建ての社債に投資します。同社債は、額面の100%で発行され、額面の100%で満期償還を迎えることから、満期まで同社債を保有した場合は、投資額と同等の償還金を確保することができます。

投資金額は確保できるものの、投資信託には運用管理費用(信託報酬)がかかるためその分だけ収益がマイナスとなるはずです。同ファンドでも年率0.3132%(税込み)の信託報酬がかかりますが、投資対象である社債から年間0.32%の固定利子(クーポン)を得ることができるため、利子収入で信託報酬をカバーすることができ、ファンドとして円ベースで元本を確保することができます。

注意したいのは「元本確保」となっているものの、元本が確保されるのは満期償還時まで保有したときで、このファンドの場合は10年になります。信託期間中に換金した場合、投資対象である社債が債務不履行となった場合には、元本を下回る可能性があります。もちろん、信託期間中に換金した場合、売却益を得られるケースもありえます。
 

どのくらいの収益が期待できるのか

同ファンドの投資リターンは、経費・報酬控除後、年1回の分配金にて投資家に還元することになっています。同ファンドの投資先である社債には固定利子のほかに、実績連動の利子(クーポン)が得られます。固定利子部分は信託報酬に充当されるため、実績連動の利子部分が収益の源泉になります。ただし、実績連動クーポンに対して10.8%(税込み)の成功報酬が差し引かれます。

実績連動部分の利子は、アセットマネジメントOneの徹底した国際分散投資戦略に基づいて資産配分が決定されます。同社の国際分散戦略の特徴は、安定した収益の確保を目指す方法として、投資対象の分散に加え、価格の「変動要因」にも着目。また市場の急変時には現金等も活用しています。

国際分損投資戦略のパフォーマンスは、2007年から2017年の年次の平均リターンは2.1%(戦略控除率=年率1.0%、複製コスト等控除後)とシミュレーションされています。また、ゴールドマン・サックスにより機械的に年率3.0%程度に価格変動リスクがコントロールされるとなっています。
 

募集期間が決まっている単位型投資信託であることに注意

償還時点まで保有すれば「元本が確保される」投資信託ですが、同ファンドは募集期間が決まっている単位型です。9月3日から9月27日まで第2弾が募集されるようですから、その募集期間内に購入しなければなりません。

第1弾(7月募集)は、申込単位300万円以上10万円単位。信託期間は10年、購入時手数料は1億口(円)未満の場合、1.08%(税込み)、1億口以上はかかりません。第2弾は1口以上1口単位または1円以上1年単位で販売会社が定める単位と小口化されましたが、反面、購入時手数料は税込み1.62%が上限となっています。10年間寝かせておけるお金でないと元本確保のメリットを享受できないことも念をおしておきましょう。
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