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報国寺の竹林散策~歴史や御朱印、お抹茶を楽しむ

鎌倉の竹寺・報国寺(ほうこくじ)……すがすがしい竹林を歩き、歴史や御朱印、竹のお庭を眺めながらのお抹茶も楽しみませんか? 見頃やアクセス、坐禅や「休耕庵」、お寺周辺の観光情報など、報国寺の魅力をギュッと凝縮してお伝えします。

村田 江里子

執筆者:村田 江里子

鎌倉・江ノ島ガイド

竹寺・報国寺~すがすがしい竹林に、和の情趣を味わう

竹寺・報国寺の竹林

しっとりとした緑が美しい、竹寺・報国寺の竹林

すがすがしい、緑の竹林。心洗われる景色を眺め、小道を歩いて。吹き渡る風に、カラン、カランと竹と竹が当たって奏でる風流な音色……。鎌倉を訪れたら、ぜひ竹寺・報国寺の、趣ある和の情緒を味わいたいですよね。

報国寺の竹林を散策では歴史の趣にふれ、お抹茶や御朱印をいただいたり、坐禅で自分の心をみつめるひとときも。そんな鎌倉らしい和の体験ができる、報国寺の魅力をご案内します。
    

報国寺の竹林の見頃、混雑をさけた時間帯

竹林はいつでもあおあおとしているので、通年、美しい緑の竹を楽しむことができます。そうした中でも、特に竹が青々として「竹の春」といわれるのは、実は9月を中心とした8~10月ごろ・秋の季節。竹は春のうちに筍を育てて、親竹は弱り、5月から6月に黄葉・落葉していきます。

みずみずしい緑が味わえる「竹の春」といわれる8~9月ごろだと観光客も比較的少なく、暑い季節なら、竹林の涼感も味わえて、おすすめです。
石灯籠が趣を添える竹林

石灯籠が趣を添える竹林

鎌倉のハイシーズンに合わせ、報国寺も混雑します。特に、お正月・サクラの時期・ゴールデンウィーク・アジサイの時期は、竹のお庭入口や、バス停にも行列ができます。混雑を避けやすい時間帯は、平日の開門一番の時間~午前中。静かな趣の、竹林を楽しめるといいですね。
 

報国寺 おすすめのめぐり方

報国寺の竹林の情緒をゆったり味わいたいなら、ゴールデンウィークや梅雨時などを外した、オフシーズンの平日に訪れるのがおすすめ。
報国寺山門奥の庭園

報国寺の山門を入ると緑の苔が美しいお庭に迎えられます

ハイシーズンにはバスも混雑するので、静かな情緒を味わいたいなら、報国寺と併せて、周辺の社寺を歩いてめぐるのもいいですね。フォトジェニックな竹林を、お着物を着て拝観するのも素敵です。
 

足利尊氏の祖父・家時が創建したお寺、報国寺の歴史

報国寺は、鎌倉幕府を滅ぼした足利尊氏の祖父・家時が創建したお寺。足利氏代々の菩提寺でした。開山は、中国に渡り修行を積んだ高僧で、五山文学の代表の1人に数えられている仏乗禅師です。

室町時代、この地にて栄えていた鎌倉公方・足利持氏は、永享の乱(1438~39)で将軍・足利義教と戦いましたが、利あらず敗れ、報国寺は関東における足利公方終焉の地となりました。持氏の子・義久は、わずか10歳にして、この地にで自害したといわれます。
中世の武士や僧侶のお墓「やぐら」

足利一族の墓といわれる やぐら群

見事なモウソウチクの庭があることから、報国寺は竹寺とも呼ばれています。1791年(寛政3年)の「報国寺境内絵図」にも、本堂裏手に竹やぶが描かれており、当時から竹の庭があったと考えられます。竹は青々とまっすぐ伸びる様子から、清浄な植物のひとつとされています。 
 

「休耕庵」でお抹茶はいかが?

休耕庵でいただくお抹茶

竹のお庭を眺めながらお抹茶を

境内の休耕庵では、竹林を眺めながら、お抹茶をいただくことができます。心落ち着く、和のひとときを味わいたいですね。竹のお庭を歩いてお席が空いている様子が見えたら、ぜひ訪れてみてください。

抹茶(干菓子付):500円
※抹茶の受付は15:30まで
※混雑時は抹茶の受付が一時停止される場合があります
休耕庵

竹林を眺めつつお抹茶をいただける休耕庵

    

座禅体験~静かに心と向き合うひとときを

報国寺は、臨済宗の禅寺です。毎週日曜午前7時半より、迦葉堂(かしょうどう)にて、一般の方も参加できる「日曜坐禅会」が行われています。 昭和34年から始められた、歴史のある座禅会。凛とした空気の中、自分の心と向き合うひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。
報国寺の本堂

報国寺で心静かに坐禅体験を

※注意事項
・ある程度厳しい坐禅会ですので、多少覚悟を持ってお越しください
・なるべく動きやすい服装でお越しください
・原則日本語での坐禅会です。途中で通訳することはできません


開催:毎週日曜日 年中無休
 (天候等により開催が休止されることがあります。
    休止の場合はホームページトップページでお知らせ)
時間:8:00~10:30
※到着は7:30まで、時間厳守。途中での退場は原則不可
       

御朱印~竹をあしらった御朱印帳も

報国寺の御朱印

「大悲」~観音さま~のいらっしゃる仏殿を表す報国寺の御朱印

御朱印は、拝観受付の横にある御朱印所でいただくことができます。
報国寺では、2種類の御朱印をいただくことができます。

・「聖大悲殿」の御朱印(鎌倉三十三観音霊場第10番札所)
・「南無観世音」の御朱印(鎌倉十三仏詣第8番札所)

御朱印の「大悲」は観音様を表す言葉で「聖観世音菩薩」の仏殿という意味。どちらの御朱印をいただきたいのか、あるいは両方なのか、事前にお伝えして、御朱印帳を提出しましょう。
3種類の御朱印帳

趣がある竹が描かれた、御朱印帳は3種類


竹寺らしく、落ち着いた趣の竹がデザインされた御朱印帳も頒布されています。

御朱印:1種類300円
御朱印帳:1冊1000円
受付時間:9:00~16:00
 

竹林以外の見どころ

山門をくぐり、境内に入ると、緑のコケが美しい枯山水の庭園があり、心洗われる景色です。拝観料をお支払いして進むとすぐに、池を配したお庭があります。夏には水辺に、ハンゲショウが白い葉をつけ、涼やかです。
ハンゲショウと庭園

7月初め、半分お化粧したように白い葉をつけるハンゲショウと庭園

境内奥の裏山には、足利一族の墓といわれるやぐらが並んでいます。やぐらは、山の中腹に横穴を掘ってつくられた、中世の鎌倉特有の武士や僧侶のお墓です。

鐘楼前にはたくさんの五輪塔群があります。1333年、鎌倉幕府が滅ぼされた新田義貞の鎌倉攻めの際、亡くなった人々をまつり、由比ヶ浜から改葬されたものといわれます。
 

アクセスと周辺の観光情報

JR鎌倉駅から京浜急行バス 鎌倉霊園正面前太刀洗・金沢八景行き/ハイランド行き に乗り、浄明寺バス停下車。横断歩道を渡り、滑川にかかる「華の橋」を渡って、坂を登ると3分ほどで、報国寺に着きます。

報国寺を拝観して出たら、この辺りをゆったり散策するのもおすすめ。報国寺の前の道を奥に進めば、鎌倉三大洋館の1つ、旧華頂宮邸へ。宅間谷と呼ばれる谷戸の緑に包まれたフランス式庭園を拝見でき、春と秋には、建物が一般公開される日もあります。
バラ咲く旧華頂宮邸

5月と10月にはお庭にバラが咲く旧華頂宮邸

また、報国寺から徒歩約5分、バス通りを挟んで向いの谷戸に、鎌倉五山第五位の浄妙寺があります。四季のお花が咲く散策路があり、喜泉庵でお茶をいただいたり、石窯ガーデンテラスで焼き立てパンを購入したり、ランチをいただくこともできます。
浄妙寺

鎌倉五山の第五位・浄妙寺

ここからバス通りを鎌倉側に5分ほど進むと、鎌倉で一番古いお寺・杉本寺に到着。茅葺き屋根の本堂に上がってお参りでき、こけ石段もあります。

報国寺から周辺散策しながら鎌倉駅へ戻るなら、杉本寺を経て、荏柄天神社や源頼朝の墓・鶴岡八幡宮を拝観し、小町通りから鎌倉駅を目指すコースも楽しいですね。
 

アジサイ情報、 開門・閉門時間、拝観料など 

報国寺は、アジサイはそれほど多くは見られません。門のところにアジサイがあるほか、竹林脇にも数株のアジサイがあります。
竹林前のアジサイ

竹林前にしっとりと咲くアジサイ

梅雨時はアジサイ観賞に鎌倉を訪れた方の多くが、しっとりした竹寺の風情を味わいたいと報国寺を拝観し、例年、混雑する季節です。バスも混雑するころなので、時間に余裕をもって訪れてくださいね。


以上、竹寺・報国寺の魅力を、お伝えしました。しっとりとした緑に包まれた、歴史の趣漂う境内。緑の竹を眺めて、心落ち着くひとときを……。お抹茶や坐禅もまた、心に残る、かけがえのない体験となりそうです。鎌倉らしいすてきな竹寺散歩を、楽しんでくださいね。

<DATA>
■報国寺
住所:鎌倉市浄明寺2-7-4
TEL:0467-22-0762
拝観時間:9:00~16:00(12/29~1/3休み)
拝観料:200円
アクセス:JR鎌倉駅より鎌倉霊園正面前太刀洗・金沢八景行き/ハイランド行き京浜急行バスに乗車、浄明寺バス停より徒歩約3分
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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