WPS Officeとは? 「KINGSOFT Office」から「WPS Office 2」へ

WPS Office 2はMicrosoft Officeの代わりになる?
さらに、2020年6月にはメジャーアップデートが行われ、「WPS Office 2」となっています。 「WPS Office 2」に用意されているアプリケーションは次のとおりです。
- WPS Writer……ワープロ(Word互換)
- WPS Spreadsheets……表計算(Excel互換)
- WPS Presentation……プレゼン(PowerPoint互換)
- WPS PDF……PDF閲覧ソフト
このうち、WPS PDFは「WPS Office 2」で新たに追加されたPDF閲覧ソフトで、他のWPSアプリケーションと同じ操作性でPDFファイルを表示できます。 「WPS Office 2」のもう1つの大きい新機能が「オールインワンモード」というモードが用意されたことです。次の画面を見てください。Writer、Spreadsheetsなどの異なるアプリケーションが、1つのウィンドウ内の別々のタブに表示されています。これが「オールインワンモード」です。 逆に、従来のようにそれぞれ別々のウィンドウに表示するモードを「マルチコンポーネントモード」と呼びます。どちらのモードで利用するかは次のように設定します。 なお、デスクトップに用意されるアイコンも、モードによって異なります。オールインワンモードだと「WPS 2019」というアイコンが1つだけ用意され、「マルチコンポーネントモード」だと、「WPS Writer」や「WPS Spreadsheets」などのアプリケーションごとのアイコンが用意されます。
「Office 365」は「Microsoft 365」に
上述の記事では、Office 365についても、その変化を説明しました。クラウド化が進んだことで、数年に1回だったバージョンアップが、数ヶ月ごとになったという内容でした。
それは現在も変わりません。むしろ、細かい機能改善を含めると、バージョンアップのサイクルは、さらに短くなっています。
さらに、「Office 365」という名称が「Microsoft 365」に変わったのも大きい変化です。まだ、一部に「Office 365」という名称は残っているようですが、今後は「Microsoft 365」というブランド名で統一されるものと思われます。
なお、上述の記事で書いたように、ファイル形式の変更のような根本的な変化は、現時点でもありません。したがって、「WPS Office 2」とOfficeの互換性にも、前回から大きい変化はないと考えられます。
というわけで、上述の記事とも比較できるように、以降では同じサンプルファイルを使って、ワープロ(WPS Writer)、表計算ソフト(WPS Spreadsheets)、プレゼン(WPS Presentation)の3つの互換性を検証してみました。
なお、以降に出てくる「WPS Office 2」の画面は、「オールインワンモード」でキャプチャしたものになります。
日本語ワープロソフト「WPS Writer」と「Word」の比較
あと、筆者が重要だと思うのが校閲履歴です。文書を複数のユーザーで校正する機能ですが、ビジネスではけっこう使われているからです。というわけで、いくつかのサンプル文書をWordで作って、WPS WriterとWordに読み込んだ結果を紹介しておきます。
<段組文書> <図形や表の含まれた文書> <校閲履歴>
表計算ソフト「WPS Spreadsheets」と「Excel」の比較
<小計処理> <テーブルの設定された表>

WPS Spreadsheets:テーブル機能も問題なく利用できます。見出し行のボタンで処理できる内容もほぼ同じです。Excelのテーブル機能を多用している方は、WPS Spreadsheetsでも安心して利用できます。条件付き書式も用意されているので、データバーやアイコンをセル内に表示させることも可能です
プレゼンソフト「WPS Presentation」と「PowerPoint」の比較
<テーマを設定した資料> <用意されているデザインの違い>

PowerPoint:PowerPointに用意されているデザインです。選択すると、すぐにデザインが切り替わります。さらに、最新版では「デザインアイデア」という機能で、デザインのアドバイスまでしてくれます
ビジネスならメイン「Microsoft Office」、サブ「WPS Office 2」の組み合わせがおすすめ
1つ1つのソフトの完成度も、非常に高いと思います。したがって、しっかりしたサポートの付いた完成度の高いOfficeソフトとして活用したい方には、安心しておすすめできます。
ただし、ビジネスで使うなら、WPS Office 2だけだと少し不安です。ビジネスではMicrosoft Officeが標準なので、取引先と情報をやりとりするときは、Microsoft Officeのファイルが必要になるからです。今回も確認できたように、互換性は非常に高いのですが、100%ではありません。
とはいえ、すべてをMicrosoft Officeで統一すると高コストになりますので、使っても問題のない業務でWPS Office 2を導入して全体のコストを抑えるのが、賢い方法だと思います。導入を検討する際は、以下のページから体験版をダウンロードして、業務で使っても問題のないことを確認することをおすすめします。
https://www.kingsoft.jp/office/
また、WPS Office 2には、Mac版、iOS版、Android版も用意されています。Macを使っている企業、スマートフォン/タブレットを活用している企業も安心です。
なお、同じパソコンにMicrosoft OfficeとWPS Office 2の両方をインストールすると、既定のアプリがWPS Office 2に切り替わる点も要注意です。共存はできますが、両方をインストールすることは、あまりおすすめしません。
最後になりますが、WPS Office 2には、VBA機能やフォントの有無など含まれる機能の違いによって、いくつかの種類(エディション)が用意されています。また、ダウンロード版/DVD-ROM版も用意されています。エディションによる違いは、このページを参照してください。
【参考記事】
・WPS OfficeはMS Officeの代わりになるか?
・KINGSOFT Office 2016はMS Officeの代わりになるか?
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