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極楽ネットワークHDD生活

ビデオ撮影したデータなどをパソコンで使用すると、膨大な容量を必要とします。LANさえあれば簡単にHDD容量を増やすことのできるNASについての説明です。

執筆者:中村 伸



極楽ネットワークHDD生活

 オリンピックイヤーの今年、家電店では薄型大画面テレビやHDDレコーダーが飛ぶように売れているとか。筆者サイトをご覧の皆様なら、薄型テレビとしてもHDDレコーダとしても、PCを活用していらっしゃることでしょう。MP3などの圧縮音楽ファイルであればそれほどでもありませんが、動画データは膨大です。大容量HDDを内蔵しているパソコンでも、すぐ容量不足になってしまいますし、ちょっと前のパソコンはそこまで大容量のHDDを搭載していないかもしれません。そんな時、自宅にLANを設置しているなら、NASを検討してみませんか。

ところでNASって何?

 NAS(Network Attached storage)とは、ネットワークに直接接続するHDD(ストレージ)の事です。とはいうものの、HDDのみを本当に直接接続出来るわけではありません。NASは実は一種のサーバで、ファイル保存に特化したものとなっています。

 通常のクライアントPCと違って、サーバであればユーザ設定やアクセス権などの難しい設定が必要になります。でもサーバの知識が無ければNASが使えないのでは困りますよね。そこで各社ともWEBブラウザを使って使いやすさを強調しています。

OSは色々、簡単に使えるのかがポイント
 家庭用では外付けHDDのような筐体に組み込み用のLinuxを使用したものが多いのですが、企業などで使う本格的なNASではWindows Storage Server 2003を使った大型のものもあります。Windows環境で使用するファイルサーバの場合、管理者の工数(手間)などを考えるとWindows系のサーバが嬉しいですが、いくらWindows環境であっても一般のパソコンユーザには少々難しいと思います。また、Linuxなどを組み込んだNASにしても、そのままの状態では一般的なPCユーザでは手も足も出ないでしょう。前述の通り、WEBブラウザで管理できるのは必然とも考えられます

大型のNASはWindows採用モデル

 企業などでサーバ管理者が使うような大型のNASは、Windows Storage Server 2003がインストールされたものが主流で、HPやDELL、NECなどのサーバメーカーから出ています。拡張性も高く、高性能、大容量ですが、安いものでも20万円台と、個人で使うにはちょっと高すぎます。設定などもWindowsサーバの知識が必要です。RAID5などを使ってデータの保全にも対応できる様になっています。

DELLのPower Vaultシリーズ写真はPV745N

日本HPのNAS1000SシリーズHP StorageWorks NAS 1000sNAS

周辺機器メーカは小型のLinux版

 アイ・オー・データ機器やバッファロー、ロジテックからは小型のNASが出荷されています。これらは外付けHDDのような小型の筐体に組込型LinuxとHDDを組みあわせたものです。Linuxの知識、経験が無くとも特段苦労せずに使用開始することが出来ます。簡単なネットワークの設定、使用ユーザと共有フォルダの作成やアクセス権の設定などを行うと、ネットワーク上にNASがリモートコンピュータとして見えるようになり、UNC名、「\\コンピュータ名\共有フォルダ名」でアクセスできるというわけです。

 アイ・オー・データ機器のHDLシリーズやバッファローのリンクステーションは、それぞれが出荷しているネットワークプレーヤのコンテンツストレージとして使うことも出来ます。ネットワークプレーヤーは基本的にパソコン上にある動画や音楽データの再生を行うように作られていますが、パソコンを起動していなければならないという欠点があります。これらの自社製NASを使用すると、NASがパソコンの代わりになる、というわけです。

バッファローのリンクステーションアイ・オー・データ機器のHDLシリーズより大きい

NASなら、ネットワーク上のすべてのPCで使用可能

 パソコンでHDDの容量不足を感じたとき、多くの方は内蔵HDDを交換(増設)したり、USBやIEEE****の外付けHDDを検討すると思います。速度などを考えると内蔵、手軽さでは外付けが便利です。しかしながら、両方式よりスペックは明らかに劣るNASが選択される理由は何でしょう。ずばり、「複数のPCで使用できる」事に尽きます。LAN上にディスクを用意するのですから当然ですね。

 自宅に複数のPCを所有し、LAN接続して使い分けている、という方なら、NASの便利さがご理解いただけると思います。Windowsのパッチや各PCのドライバなどをNAS上に置いておけば、PCの再セットアップも楽に出来ますし、同じファイルが複数のPCにだぶって置かれるなどの無駄も排除できます。小型のNASなら、何より静かでそれほど電気も消費しませんので、ファイルサーバとしては最適でしょう。プリンタを接続できたり、USB-HDDを接続して容量を増やしたりも出来ますので、LAN接続と電源の心配だけで、家中どこにでも設置できるのは、それだけでも大きなメリットです。

 夏のボーナスでHDDを追加したいなぁ、とお考えのあなた、家にLANが設置してあるのなら一度NASを検討してみることをお薦めします。


大型NAS

日本HPのWEBサイト
HP StorageWorks NAS 1500sのページ

DELLのWEBサイト
NAS Powervaultのページ

小型NAS

アイ・オー・データ機器のWEBサイト
LANDISKシリーズ

バッファローのWEBサイト
HD-LANシリーズ

ロジテックのWEBサイト
LHD-LANシリーズ
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