中小企業診断士

中小企業診断士1次試験:事前準備・持ち物・注意点

中小企業診断士1次試験当日に向けてやっておくべき事前準備とは?当日の持ち物や注意点なども併せて、中小企業診断士受験の講師がわかりやすく解説します。

つだ まどか

執筆者:つだ まどか

中小企業診断士ガイド

試験当日のトラブルを回避するためには、事前準備が必要

 

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試験当日に慌てないよう、ぬかりない準備を!


2018年(平成30年)度の中小企業診断士1次試験は、8月4日(土)と5日(日)の2日間で実施されます。試験直前の数日は、暗記系科目などの集中学習などに気を取られてしまい、肝心の試験当日に向けての準備がおろそかになりがちです。その結果、悔いても悔やみきれないミスや、信じられないようなトラブルに見舞われるケースがあるのです。

  • 試験会場に着くまでに、心身共に消耗してしまう
  • 受験会場を勘違いして、違う場所に向かってしまう
  • 忘れ物をしてしまう
  • 休憩時間を浪費してしまう
  • 他のことに気が散って、試験に集中できない

上記は全て、過去の受験者に実際に起こったことです。

そこで、皆さんが同じような事態に陥らないために、試験数日前から当日までやっておくべきことをご紹介します。

 

中小企業診断士1次試験当日に向けて、心がけるべき3つのこと


私はこれまで、数多くの受験生の失敗経験やヒヤッとした体験談などを耳にしてきましたが、それらを踏まえたうえで心がけてほしいことは、次の3つです。

  1. 決定事項・持ち物の用意など、前日までにできることを当日に持ち越さないこと
  2. 試験会場の場所、移動手段、試験会場到着から休憩時間までの過ごし方を確認・シミュレーションしておくこと
  3. 心身ともにコンディションが整った状態で、試験会場にまで無事辿り着くこと

 

あらかじめ決めておけること・準備しておけることは、試験前日までに
 

中小企業診断士1次試験はマークシート方式の試験とはいえ、用語を知っているか知らないかを問うような単純な問題はあまり出ません。科目にもよりますが、経営理論をしっかり理解できているか、与えられている情報を適切に把握・分析できるかといった、やや応用的な対応力を試される出題が多いのです。よって、試験時間の60分・90分は脳みそをフル回転させて、意思決定の連続作業を行うことになり、その負荷は大きいのです。

したがって、試験当日は極力無駄なことを考えなくて済むようにしておくべきです。

「朝食は何を食べようか?」「昼食はどこで調達しようか」「何時に出発し、何時に試験会場に到着するか」といったことは、試験当日にわざわざ悩んだり考えたりする必要がないはずです。持ち物についても、必要なものを前日や当日に慌てて調達することのないよう、2日前までにはできる限り用意しておきましょう。

もしもの交通機関トラブルなどを回避するために、あらかじめ試験会場の近くに早めに到着しておくつもりの方も多いことでしょう。早く着いたところで、試験会場の中にすぐに入れるとは限りません(試験開始1時間程前から入室できることが多いようです)。そのため、自習したりリラックスしたりしながら快適に過ごせる受験会場近くのカフェなど、いくつか目星をつけておくことをお勧めします。

 

休憩時間が30分から40分に! 自分にとって有意義な過ごし方を決めておく


平成30年度からの中小企業診断士試験主要変更事項についてで周知されている通り、1次試験は休憩時間が40分と、10分長くなりました。

暗記系科目など短期記憶で勝負できる科目においては、この40分の過ごし方次第で1マーク、2マーク、それ以上得点を伸ばすことも可能な場合があります。休憩時間に最終チェックすべき教材やファイナルペーパー(自分自身で重要論点をまとめたツール)もあらかじめ用意しておき、どの部分を優先的にインプットするか付箋などで印をつけておきましょう。

中には、短期記憶に自信がなく、当日はリラックスしたりテンションを上げることに徹したいという方もいることでしょう。その場合は、保冷パックの中に入れたチョコレートや、お気に入りの音楽などが聞けるスマホやイヤホンを持っていきましょう。

男性の場合、休憩時間はトイレ待ちの行列に並ぶことを想定し、並びながら時間を浪費してイライラすることのないよう、トイレに持っていくものも決めておきましょう(女性の受験生は少ないので、トイレ待ちで並ぶことはほとんどありません)。中には、トイレで長時間並ぶことを回避するために、試験時間中に途中退室するという裏技もなくはないですが、その場合は試験時間終了後に問題用紙を受け取ることを忘れないでください(問題用紙を持ち帰らないと、自己採点ができません)。

 

受験会場の勘違いに注意!


これまでの受験生のミスでは、受験会場を勘違いしたまま別の場所に向かってしまうというケースもありました。

特に、東京地区のように受験会場が複数あったり、毎年違う会場が用意されていたりする場合は、要注意です。例えば、受験会場が大学の場合は複数の拠点・校舎があるため、別の資格試験で受験経験があると、受験票をよく見ずに過去と同じ会場だと思い込んでしまうパターンがありました。改めて、お手元の受験票をよく確認した上で、自宅や宿泊先から受験会場までのアクセスを確認しておきましょう。

受験会場に着いたら、トイレや休憩場所、自習室などの場所をあらかじめ確認しておくことも忘れずに。

とにかく、少し余裕を持って無事受験会場までに、辿り着くことが大事です!

 

腕時計と暑さ・寒さ対策を忘れるべからず


全受験生にとって不可欠なのは、試験時間中のタイムマネジメントですが、会場に時計があるとは限りませんし、あったとしても会場のレイアウトの関係でいつでも時計が確認できる状況とは限らないということを、知っておきましょう。置き時計やキッチンタイマー、計算機能付きの腕時計の持ち込みは認められていませんから、シンプルな腕時計を必ず持参しましょう。

また、今年は猛暑が続いており、試験当日も会場にたどり着くまでに体力を消耗してしまう可能性があります。私のおすすめは、大きめの保冷剤をビニール袋に入れて、鞄の中の体が接する部分に仕込んでおくことです。例えば、リュックサックなどの背中が当たる部分の内側に保冷剤を入れた状態で背負うだけで、体感温度は確実に下がります。

試験会場は、席によって冷房が効きすぎたり弱かったりするので、暑さ・寒さ対策として、薄着になれる服装や防寒用の膝かけやはおれるものを持っていくことをおすすめします。

 

悪い状況パターンもシミュレーションしておく


試験時間中のトラブルとして、気になる行動をとる他の受験生の近くの席になってしまうというケースがあります。例えば、必要以上に強い筆圧で問題用紙に書き込みをして耳障りだったり、落ち着きなく周りをキョロキョロする、ブツブツと小声で独り言をつぶやいたりする、といった人たちです。そのような環境に遭遇するケースは、決して少なくないようです。私自身も2次筆記経験の時に経験しましたが、気になり出すと試験に集中できなくなってしまいます。

また、外から街宣車の音声や大学の応援団の練習が気になってしまうということもあります。

どんな状況であっても、気にしたところで1点にもなりませんから、そのような悪い状況に遭遇するパターンもあらかじめ想定しておくことで、いざその状況に陥ったときにも落ち着いて対処できる可能性は、高まるでしょう。

もし、「我慢するにも限界がある」というぐらいのひどい状況であれば、試験監督に相談してみるのも選択肢の1つです。試験監督の責任者は、皆さんの先輩である中小企業診断士であり、受験生ができるだけ快適に試験に集中できるような運営をすることを、最優先としています。言いがかりのようなクレームはもっての他ですが、「悪い心象を与えて、不合格になるかもしれない」なんてことは考えず、本当に困ったときには頼りましょう。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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