中小企業診断士試験は2次対策こそ、過去問を使い倒そう!

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2次こそ過去問中心の対策を!

中小企業診断士2次試験の筆記と口述:難易度と対策はでもご紹介したとおり、1次試験とは異なり正解が存在しないのが、2次試験です。

国家資格である以上もちろん採点基準はあるはずですが、具体的に「どのキーワードやフレーズに何点加点されているのか」を知ることはできません。

だからと言って、過去問を無視した試験対策はあり得ません。

どの試験でも言えることですが、出題者は過去の出題傾向を踏襲した上で、新しい試験問題を作成するからです。

むしろ、正解が存在せず採点基準も不透明であるがゆえに、一見つかみどころのないように思える2次試験だからこそ、今後出題される試験のガイドラインでもある過去問は、試験対策の最重要ツールだということを忘れてはならないのです。


過去問学習に取り入れたい3つのツール

私が受験生の時、「ストレート合格をするためには早いうちから2次試験対策を進めておくことが有効である」ことを認識し、学習開始翌月から1次対策と並行して過去問を使った2次対策をスタートしました。

同じクラスの勉強仲間と毎週どの過去問を解いてくるのかを決めて、その事例問題の答案を作成しコピーをシェアしたうえで答案作成プロセスをディスカッションするという勉強会を行なっていました。

この勉強会は、
  • 実際に過去問を解く機会が得られたこと
  • 身をもって2次試験の難しさを知ることができたこと
  • 仲間の解答やプロセスから、色々な気づきが得られたこと
など様々なメリットがありました。

意識的にも、2次対策に気持ちを向けることができ「1次試験は通過点に過ぎないから、受かって当たり前」と思い込むことが、1次対策においてプラスに働いたように感じました。

一方で、2次試験の過去問は訳がわからなくなるほど難しく感じられ、空欄だらけの答案しか作れず情けない気持ちにもなりました。

その原因の1つは、2次試験のゴールイメージができていなかったことです。

ゴールイメージとは、
  • 本試験当日にどんな知識やスキルを身につけていればよいのか
  • 合格者はどんな答案を作っているのか
を把握することです。
このゴールイメージを持つために必要なのが、正解に代わる合否の判断基準となるものです。

  1. 受験者が試験終了後に作成した再現答案
  2. 受験指導校が発表する模範解答
  3. 自分以外の受験生が作成した答案

これらのツールの活用方法を理解したうえで過去問に取り組むことで、事例問題の特徴を理解しながら、知識やスキルを磨くことができるのです。


ツール1:受験者が試験終了後に作成した再現答案

実際に試験会場で2次筆記試験を受験した受験生の中には、試験終了後に問題用紙への書き込みや記憶を頼りに、自分自身の答案作成プロセスを振り返って、再現答案を作る方々がいらっしゃいます。

試験終了後に仲間と交わした会話などがバイアスになるため、下書きをしていない限りは100%の再現答案を作ることはほぼ不可能ですが、ある程度再現することは可能です。

私自身も受験2年目には再現答案を作りましたが、再現率は90~95%ぐらいだったと自負しています。

2次筆記試験通過者発表においては、合否と、不合格の場合の各科目・総得点の判定(ABCD)しか通知されません。

後日、中小企業診断士試験の実施機関である(一社)中小企業診断協会に対して、「中小企業診断士試験にかかる保有個人情報の開示請求の申請手続き」をすることで、どの科目が何点だったのかを把握することができます。

この開示請求の結果と再現答案のセットがある程度揃えば、分析することでゴールイメージのヒントは得られます。

とはいえ、分析を一からするのは大変ですから、再現答案の分析結果をまとめた書籍を活用するのもよいでしょう。

ただし、残念ながら再現答案をどんなに分析しても、明確な答えは得られません。

なぜならば、合格基準に達している人が必ず特定のキーワードを入れているというようなことはないからです。

再現答案は、合格者の傾向をつかむためのヒントは得られるという認識で活用しましょう。

 

ツール2:受験指導校が発表する模範解答

毎年2次筆記試験の数日後に、各受験指導校が模範解答を作成し、公表します。

模範解答は、正式な解答ではないものの、自分自身の答案と比較することで、様々な気づきが得られます。

ところが、残念ながら試験時間の80分で模範解答のような解答はまず作れません。

複数の講師が時間をかけて討議したうえで解答要素を検討し、作成したものが模範解答だからです。

しかも、学校により2次試験の解法テクニックも異なり、模範解答もバラバラです。

それぐらい、解答の要素としてあらゆるものが考えられるのが2次試験であり、だからこそ唯一の正解がなく公表もされないのです。

このことを理解していないと、複数の学校の模範解答の違いばかりに目がいき、混乱してしまいます。

模範解答については、
  • 自分自身の解法テクニックと近いものと比較して、自分が書けなかった解答要素のうち、どれなら書けそうかを分析する
  • 複数の学校の模範解答の中から共通する解答要素を探してみる
といった使い方がよいでしょう。

もちろん、模範解答は目指すべきものではないので、そこを強く認識したうえで活用しましょう。

ツール3:自分以外の受験生が作成した答案

私が受験生時代に、仲間との勉強会で基準として使っていたのが、これです。

重要なのは、他の仲間が「答案に何を書いたのか?」よりも、「どのようなプロセスを経て答案を作ったのか?」ということです。
  • 事例問題に与えられたどの記述を根拠としたのか
  • その根拠にどうやって気が付いたのか
  • 解答作成にあたってはどんな知識を使ったのか
これらが、いわゆる答案作成プロセスです。

私は、再現答案も模範解答もほとんど使わず、他の受験生のプロセスから自分に足りないものを吸収していきました。

自分が書けなかった解答を他の人が書いていれば、どうやってそこにたどり着いたのかプロセスを聞く、そのうえで自分自身のプロセスに取り入れてみる。

この繰り返しで、事例問題に対するスキルが飛躍的に高まりました。


どのツールを判断基準として使うにしても、それぞれの欠点も理解したうえで、明確な目的を持って活用しなくては、効果的な過去問学習はできないのです。


過去問は何年分解けばいいの?

巷には、「過去10年分は解くべき」とか、「なるべく現行の制度が始まった平成13年度まで遡って解いた方がいい」という意見もあるようです。

結論からいえば、直近5年分で十分だと思います。

私が講師を務めるTACでもその方針であり、過去問題集も直近5年分を掲載したものが発売されています。

TACでは毎年多くのストレート合格者がうまれていますが、彼らが直近5年分の過去問学習で十分であることを証明してくれています。

ちなみに、私も2次試験対策を担当する講師であり、平成13年度から平成29年度の全事例が頭に入っていますが、それでも過去5年分の学習で十分だと思います。

もし時間に余裕があって、もっと事例問題に触れたいということであれば、6年以上前のものまで遡って過去問に取り組むのもよいでしょう。

何年分の過去問を解くのかにこだわるよりも大切なことは、面倒がらずに手を動かして実際に答案を作成する過去問トレーニングを行うことです。

 

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