中小企業診断士試験の勉強は、働きながらでも十分に継続できる

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仕事と中小企業診断士の勉強、両立できる?


 

中小企業診断士試験の難易度、合格してわかるその実態でご紹介したとおり、中小企業診断士試験は片手間に勉強して合格できるほど簡単な試験ではありません。

だからといって、仕事や家庭などご自身の現状の生活に多くの犠牲を払ってまで、学習時間を捻出する必要はありません。

実際に、合格者の大半が働きながら学習を継続して、合格を勝ち取っています。

近年は、働き盛りの20代後半~40代が受験者層のボリュームゾーンとなっており、忙しくされている方が大半です。

さらに、中小企業診断士有資格者は、大企業勤務者や経営者、管理職など、どちらかというと社会的ステイタスが高い層が多い傾向にあります。

出張で国内外を飛び回っている方、休日や勤務時間が不規則な方も、少なくありません。

中には海外駐在中、試験や合格後の実務補習の度に日本と駐在先を飛行機で往復し、中小企業診断士登録をされた方もいらっしゃいます。

私自身も、受験生時代は中小企業の管理職でしたから、忙しい中でも努力して勉強時間を捻出していたものです。

データでみる中小企業診断士2016にある「中小企業診断士資格取得の動機は」という質問項目において、「経営全般の勉強など自己啓発、スキルアップを図ることができるから」と回答した方の構成比は、最多の28.8%です。

これは、自分自身のビジネスパーソンとしての能力向上のために資格取得を目指した意欲的な層が多いということの表れです。


合格までに要する一般的な勉強時間は「1000時間」

中小企業診断士受験の情報が記載されている書籍やサイトはたくさん存在しますが、大半が1000時間という数字を合格するまでに必要な勉強時間の目安として挙げています。

私が担当クラスの受講生の方から多く受ける質問の一つも、勉強時間に関するものです。
  • 1日に何時間ぐらい勉強した方がいいですか?
  • 1週間では?
  • 1カ月では?

これらのご質問に対しては、「あくまで目安ですが」と付け加えてから、以下のように回答しています。

・平日2~3時間、休日は講義も含めて5~8時間
・1週間では、20~25時間
・1カ月では、80~100時間

私の実感としては、合格者の平均値がこの程度です。


実際は個人差が大きな必要勉強時間

とはいえ、上記はあくまで目安にすぎず、実際の必要学習時間は個人により大きく異なります。

なぜならば、職業・保有資格・学歴など、バックボーンは人それぞれだからです。

あえて、極端な実例を挙げてご説明します。

私が担当していたクラスのある受講生の方は、公認会計士・税理士資格を保有し、すでにコンサルティング業務に従事していました。

1次試験の免除科目は、経済学・経済政策と財務・会計で、他の受験生にとって重荷になる2科目を勉強しなくてもよい状況でした。

その方は、春・秋の繁忙期には仕事に追われて寝る時間もままならないぐらいでしたが、1次試験はギリギリ合格、2次試験対策の講義も半分近く休んだにもかかわらず、見事ストレートで合格しました。

もちろん、忙しいながらもなんとか勉強時間を捻出しようというその方の気概は伝わってきました。

とはいえ、他の受験生に比べて、すでに合格に必要な知識とスキルをある程度身につけていたことも、勝因の一つだったと思います。

やみくもに勉強時間を増やすより、学習効果の高い勉強方法を取り入れることが大事

全く逆のケースが、私自身です。

私は、高卒で学生時代もろくに勉強したことがなかったうえに、数学が大の苦手でした。

簿記の“ぼ”の字も知らないところからのスタートでしたから、本当に苦労をしました。

いまでは笑える話ですが、分数の計算もちゃんとわかっていない状態でした。

そんな当時の私も、同じクラスの勉強仲間と仲良くなるに連れて、自分自身が相対的にかなり劣っていることがよく分かりました。

そこで、こう決意しました。

「人一倍勉強しよう!もし合格できなかった時に、勉強時間が足りなかったという理由だけは言いたくない」

私は、1カ月の勉強時間ノルマを120~130時間に設定しました。

ただ、今だから言えることですが、勉強時間は十分に確保していたものの、その貴重な時間を使って学習効果の薄い無駄なことも少なからずやっていました。

勉強の仕方をちゃんとわかっていなかったからです。

つまり、現時点で知識やスキルが相対的に乏しい方でも、やみくもに勉強時間を増やすよりも、学習効果の高い勉強方法を取り入れることの方が重要なのです。


苦手な学習分野があるように、得意な分野もあるはず

私が日々学習相談を受けていて感じることは、苦手分野は認識できていても、得意分野を自覚している方が少ないということです。

どんなかたでも、これまでの学歴や仕事を通じて、学んできたことが必ずあるはずです。

私の場合も、そうでした。
  • マネジメント業務に関する知識と経験
  • ネイリスト時代の店長経験
  • 趣味の読書で培った読解力や語彙力
1次試験科目でいえば、企業経営理論と運営管理の一部ですが、実務を通してある程度の知識を保有していました。

このように、どんな方でも必ず試験で使える武器があるはずです。

それを意識的に探してみましょう。


自分自身の実力を測定する最適な方法

「平均的な必要学習時間が1000時間だとすれば、自分はどの程度だろうか?」

仕事や家庭との両立という意味でも、気になる方が多いのではないでしょうか。

もっとも手っ取り早く実力を測る方法は、直近の本試験問題を時間通りに解いて、自己採点することです。

仮に60点を上回る科目があれば、その科目についてはそれ程多くの勉強時間を必要としないということになりますし、20点台のような低い得点にとどまってしまった科目は、重点的に学習した方がよいということがわかります。

合格点と現状の乖離を把握したうえで「そのギャップを埋めるために何時間程度の学習が必要か?」を自己判断するのも、方法の1つです。


通学・通信講座受講者の必要学習時間の測定方法

資格学校の通学・通信講座を受講している方は、カリキュラムを消化することが学習計画に直結します。

予習→講義の受講→復習→基礎問題集や過去問題集+講師に言われたこと

これだけしっかりこなせれば、合格可能性は確実に高まります。

したがって、上記のサイクルを回すのに必要な学習時間(科目により異なる)が、そのまま合格するために必要な学習時間であると言えます。


合格者の1年間の勉強時間は100~1500時間程度とばらつきが大きい


私が実際にお会いしたことのある合格者の中で、もっとも少ない方の学習時間は、1次試験はほぼ無勉強、2次試験は直前1カ月に過去問のみの学習で100時間程度というケースがありました(これは、例外パターンですが……)。

また、すでに年金を受給されている無職の方で、時間はたくさんあるからと精力的に1500時間程度を費やし、合格した方もいました。


私自身、10年以上中小企業診断士受験に関わる中で実感していることがあります。

それは、
  • 誰しもある程度の学習時間は必要
  • 必要学習時間にはかなりの個人差がある
  • 学習時間よりも重要なのは学習の質を高めること
  • 質を高めるためには勉強時間よりもタスク重視で進めるべき
ということです。

 


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