犬にピーマンを与えても大丈夫?
犬にピーマンをあげても平気?
犬に食べさせてもいい食材、ピーマンに含まれる栄養素やその働き、犬の病気や薬、アレルギーとの関係を具体的にお伝えします。
<INDEX>
- 犬にピーマンを食べさせても大丈夫!茎や種は取り除いて与えましょう
- ピーマンの色によって含まれる栄養素の特徴がある
- ピーマンのアルカロイドで犬の関節炎を悪化させる根拠はない
- 犬の間食として取り入れる場合、1日に与えていい量の目安
犬にピーマンを食べさせても大丈夫!茎や種は取り除いて与えましょう
カラーピーマン、パプリカも犬に食べさせて大丈夫
緑色のピーマンはもちろん、赤色や黄色のピーマンも犬に食べさせることができる食材です。生で食べさせることができますが、種やヘタは取り除いてください。ナス科トウガラシ属に分類されるピーマンですが、辛味成分を含んでいないことが特徴です。ピーマンより肉厚なパプリカも犬に食べさせて大丈夫です。
外皮は張りがあり、やや硬さもあるので、消化が心配であれば細かく刻んだり、皮を湯むきして取り除いてください。
スパイスとして販売されているパプリカパウダーも犬の食事に取り入れることができますが、メーカーによっては強い辛味を感じる可能性もあります。使用する前に辛味を感じないか必ず確認するようにしてください。
同じトウガラシ属の唐辛子やししとうは、犬にとって刺激が強すぎるため与えないようにしてください。
ピーマンの色によって含まれる栄養素の特徴がある
ピーマンは犬の健康にもいい?
犬がピーマンを食べた時の健康への働きについて、具体的な研究結果は存在していないようですが、緑、赤、黄の色によって含まれる栄養素に特徴があります。
1:血流を整える働きは緑ピーマン
緑色の成分の元になっているクロロフィルには、血液の流れを助けることによって貧血を予防するはたらきや、有害物質の排泄作用が期待できます。また、緑ピーマンに多く含まれているビタミンKには怪我や手術などによる出血が起きた時に、血液を固めるために必要な要素の働きを助ける作用があります。
2:皮膚や粘膜の健康維持には赤ピーマン
特に赤ピーマンに多く含まれるβカロテンやビタミンCは、皮膚や粘膜、目の健康に一役かってくれます。皮膚や粘膜は免疫に大切なバリア機能なので、これらが健康であることで免疫力を維持することにつながります。
本来、ビタミンCは犬の体内で作られますが、ストレスや加齢で失われやすいとも言われているので、ごはんやおやつで補ってあげることもおすすめです。
βカロテン、ビタミンCは、緑ピーマンと黄ピーマンにも含まれていますが、赤ピーマンに特に多く含まれています。
3:食べすぎによるダイエットにもオススメ
ピーマンにも含まれるルテオリンという成分を高脂肪食による肥満のラットに与えたところ、肥満が改善したとの報告があります。まだ研究段階なので、ピーマンの色による含有量の差は明確になっていないようです。他にも、ルテオリンには炎症を抑える作用も期待できるのではとも言われています。
ピーマンのアルカロイドで犬の関節炎を悪化させる根拠はない
ピーマンで犬の関節炎はおきる?アレルギーは?
どのような食材でも、良い面と良くない面を持ち合わせています。ピーマンを避けた方がいい犬はいるのか、ピーマンと相性の悪い薬はあるのか、飼い主としては気になるところ。犬の食生活・健康管理の講座も開催している獣医師の丸田香緒里先生(Animal Life Partner代表)にお伺いしました。
「生のピーマンを食べると苦みを感じます。この苦みは”アルカロイド”によるもので、植物自体が動物に食べられないようにしている防御機構であると言われています。
アルカロイドは多くの植物に含まれており、1万を超える種類が存在しています。その中には、アヘンやケシなど麻薬のような物もありますが、ピーマン自体に含まれているものはメトキシピラジンと呼ばれ、いわゆる”ピーマン臭”を構成する成分の一つです。
主にインターネットで、このアルカロイドが原因で犬の関節炎が悪化したり関節炎を発症するといった記載を見かけることがありますが、特に内容の根拠はないと考えられます。
ピーマンとの食べ合わせの悪い犬の病気、薬は今のところないようです。
ピーマンにアレルギー反応を起こすという報告はありませんが、同じナス科の仲間であるナス、トマト、じゃがいもを食べると体調を崩すことがある場合は、念のため様子を見ながら少しずつ与えるようにしましょう。」
犬の間食として取り入れる場合、1日に与えていい量の目安
上記の表を参考にして、与えすぎないように注意してください。食物アレルギーはどのような食材でも反応する可能性があります。初めての食材を与える時は必ず少量ずつ与え、体調に変化がないか様子を見てくださいね。
犬にピーマンを食べさせても大丈夫?まとめ
- ピーマン、パプリカは犬に与えても大丈夫
- 茎や種は取り除いて与えること
- ピーマンの色別に含まれる成分に特徴がある
- アルカロイドの影響で関節炎が悪化することは考えにくい
- ナス科の食材でアレルギーが起こる犬に食べさせるときは注意
【執筆協力】
丸田香緒里 獣医師
丸田香緒里 獣医師(Animal Life Partner 代表)
日本大学卒。動物病院勤務後、飼い主様にもっと近い存在になりたいと思い「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーにAnimal Life Partner設立。ペット栄養管理士など様々な資格を取得し、病院での診療や往診の他、セミナー講師やカウンセリング、企業との製品開発など活動は多岐にわたる。
ホームページ:http://animallifepartner.com/
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