国民年金の保険料を払えなくなったら? 月1万6410円の支払いが苦しくなったらやっておきたいこと
国民年金の加入者は3種類に分かれます。第1号被保険者は20歳以上60歳未満の自営業者、厚生年金に入っていない会社員、学生、無職者等。年金保険料支払いは、月1万6410円を半年払いや年払い、2年払いで納めることもできます。
第2号被保険者は厚生年金に加入している会社員・公務員で、年収に応じた厚生年金保険料が給与・賞与から差し引かれます。厚生年金は国民年金の上乗せなので、会社員・公務員は厚生年金・国民年金両方の保険料を支払った扱いとなります。
第3号被保険者は第2号被保険者に扶養されている配偶者です。第2号被保険者が毎月給与から厚生年金保険料を払っていることで、配偶者の国民年金保険料分も支払い済みの扱いになります。
第1号被保険者の年金保険料っていくら?
平成29年度の国民年金保険料の納付率は66.3%でした(2018年6月29日『厚生労働省』発表の資料より)。この納付率は、自営業者などの第1号被保険者のものです。平成31年度の国民年金保険料は月額だと1万6410円です。
第1号被保険者には、失業者等も含まれます。通常、国保料や住民税(前年分所得より計算)を優先させる人も多く、「年金はもらえるかわからないし、払わなくていいや」と年金保険料を支払わない人も多いのです。
国民年金保険料、払えなかったら申請免除を相談!
「払うのが大変」という理由だけで「年金保険料を滞納」してしまうと、後で痛い目を見ることもあります。年金は老後のためだけではないからです。「保険料納付要件を満たしていない」ということで、遺族年金や障害年金などがもらえなくなることもあるのです。住所地の市区町村役場または年金事務所へ「申請免除」の相談に行きましょう。
年金保険料、支払いが苦しいなら市区町村役場へ相談を!
申請して認められれば、年金保険料が全額免除または軽減
申請者本人の他、配偶者、世帯主の所得に応じて、年金保険料が全額(年金保険料がゼロ円になる)、3/4(年金保険料が4100円)、半額(8210円に)、1/4(1万2310円に)免除になります。
所得が基準未満であれば、年金保険料を減額してくれます。1人世帯の場合、全額免除は57万円、3/4免除は78万円、半額免除は118万円、1/4免除は158万円の所得未満だった場合(原則扶養が1人増えると基準額が35万円増額)です。
将来、免除されている期間の老齢年金は減額支給されますが、「年金保険料を払っていた期間」としてカウントしてもらえます。
後から届け出てもOK、法定免除
「申請免除」は、本人からの申請によって年金保険料額が免除・減額されるかどうか決まりますが「法定免除」もあります。生活保護の生活扶助を受けている人や、障害年金1・2級の受給者は、住所地の市区町村役場か年金事務所へ届け出ることで、その期間の年金保険料は免除してもらえるのです。
若年者や学生は、納付猶予
20歳以上の学生は、学生本人の前年所得が118万円(単身者)以下なら、学生納付特例制度を利用すると、年金保険料の猶予を受けられます。学校の窓口または住所地の市区町村役場で手続きできます。
学生でない50歳未満の低所得者(単身者なら57万円以下)には、納付猶予制度があります。住所地の市区町村役場で手続きできます。
学生納付特例や若年者納付猶予で年金保険料が猶予されると、その期間中は、老齢基礎年金の額には反映されませんが、死亡したり、障害になった場合、遺族年金や障害年金は支給されます。
申請免除も納付猶予も毎年手続きを!
年金保険料の免除額をそのままにしたいとき、年金保険料の申請免除の手続きは毎年行う必要があります。また、昨年度免除されなかった人も今年は免除が認められるかも知れません。申請免除、若年者猶予の人は原則7月から、学生特例納付の人は原則4月からの1年間免除されます。
2年1カ月前までさかのぼって免除を受けることもできますので、7月や4月を待たずとも、年金保険料の支払いが苦しいと思い始めたら、住所地の市区町村役場へ相談してみましょう。申請免除や納付猶予が認められても、却下されても、それは今年度分だけなので手続きは毎年行いましょう。
平成31年4月以降の出産からは、前後の国民年金保険料が免除に
会社員・公務員である第2号被保険者の厚生年金保険料は、出産前後と育児休業中は免除されるのに、自営業者等の第1号被保険者の国民年金保険料は、今まで妊娠出産でも免除されていませんでした。
平成31年4月以降の出産からは、出産日の前月から4カ月(多胎妊娠は6カ月)の年金保険料が免除されるようになりました。厚生年金加入者と同じように、将来は育児期間中も免除されるようになることを願っています。
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