アイボリー色とはどんな色?
アイボリー(ivory)は象牙という意味で、象牙のような黄みを帯びた白のこと
象牙は、材質が美しく加工も容易なので、古来工芸品の素材として珍重され、特に、日本では印鑑の高級素材として高値で売買されてきました。しかし、アフリカ象は絶滅の危機に瀕しており、ワシントン条約によって、象牙製品なども含め国際取引は原則禁止となっています。
年々、希少価値が高まる象牙そのものを見る機会は少なくなっていますが、アイボリーという色名は、真っ白ではない白を表す言葉として、日常的に使われています。
アイボリーとベージュ・オフホワイト・クリーム色との違い
真っ白ではない白を表す色名は、アイボリーの他にもあります。たとえば、ベージュ(beige)は、染色してない毛織物のことで、ごく薄い黄色ないし茶色を表します。オフホワイト(off-white)は、わずかに色みが感じられる白のこと。クリーム色(cream)は、お菓子などを作るのに用いるクリームのような、ごくうすい黄色のことで、クリームイエローと呼ばれることもあります。上図は、JIS慣用色名のアイボリー(ivory)のほか、DICカラーガイドから、アイボリーに関連する色、アイボリーと混同されやすいベージュ、オフホワイト、クリーム色をまとめたものです。詳細は下記のとおり。
1段目はアイボリーに関連する色名で、左から順に
- JIS慣用色名 アイボリー(ivory)黄みのうすい灰色
- DIC-N789(日本の伝統色)象牙色(ぞうげいろ)明るい灰黄
- DIC-F160(フランスの伝統色)IVOIRE(イヴォアール)くすんだ黄
2段目はアイボリーと混同される色名で、左から順に
- JIS慣用色名 ベージュ(beige)明るい灰みの赤みを帯びた黄
- オフホワイトの例 オイスターホワイト(oyster white)うすい灰色
- JIS慣用色名 クリームイエロー(cream yellow)ごくうすい黄
アイボリーと合う色・合わない色
真っ白は、ぱっと目を引く強さ、美しさがあります。どんな色とも合わせやすいですが、白が主張しすぎて、白が主役のコーデになってしまうこともあります。一方、黄みや灰みを帯びたアイボリーは、真っ白よりも穏やかなイメージがあります。主張しすぎないので、組み合わせた色を引き立て、コーデ全体でまろやかな印象を醸し出します。■アイボリー×パステルイエロー
アイボリーのような明るい色は膨張色。斜めにデザインされたスリットの効果で下半身をすっきりと見せてくれます。色相差、明度差が小さいパステルイエローは類似性が高く、統一感が生まれます。膨張色同士の組み合わせですが、縦のラインを分断しないので、案外ほっそり見えます。
■アイボリー×テラコッタ
リネンノーカラージャケットと細身のトラウザーパンツのセットアップは、カジュアルからビジネスにも使える優れもの。センタープレスをほどこしているので、脚のラインが綺麗に見えます。アイボリーとテラコッタは類似色相、中差明度の関係なので、類似性に明瞭性が加わります。
■アイボリー×ダークグリーンのフラワー柄
ワッフル素材を使用したVネックトップスに、プリント柄スカートを合わせたコーデ。やや灰みを帯びたアイボリーなので、ダークグリーンに穏やかに馴染みます。控えめなアイボリーが、プリント柄の赤やピンクを引き立てています。
■アイボリーのペイズリー柄×ティールブルー
伝統的なペイズリー柄はどこか懐かしい雰囲気の色が似合います。柄の色はややくすみのある赤や青なので、地色は真っ白よりもアイボリーのほうがしっくりします。ペイズリー柄のエキゾチックな雰囲気に、トップススの鮮やかすぎないティールブルーがマッチしています。
白と同じように、アイボリーも合う色は多いのですが、真っ白とは異なる穏やかな調和を生み出します。アイボリー、ベージュ、オフホワイト、クリーム色……白っぽい色にさまざまな色名が用いられているのは、それぞれ異なる印象を叶えてくれるからです。
イエローベース・ブルーベースとは?
このようにアイボリーは、合わせる色を選ばない万能色ですが、黄みを帯びたイエローベースの色同士を組み合わせると、しっくり馴染みます。ブルーベースの人がイエローベースの色をお召しになると、顔色が悪く見えることがあります。「イエローベースとは?」「ブルーベースとは?」とお思いになった方はぜひ、下記の記事をご覧ください。
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※あくまでも簡易診断/自己診断です。
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