名所・旧跡

二条城の見どころ!世界遺産に登録された京都の城

京都市内の中心部にあり、世界遺産にも登録されている二条城。城と言っても天守閣はなく、本丸、二の丸御殿がある城です。二条城の歴史や見どころ、桜・紅葉など季節のおすすめやライトアップ情報、入城料、アクセスなどの観光に役立つ情報をご紹介します。

村田 博之

執筆者:村田 博之

名所・旧跡ガイド

 

京都の真ん中にある城、世界遺産にも登録された二条城

平安時代、室町時代と都が置かれて、多くの人が行き来してずっと賑わいをみせる京都。その歴史から寺社仏閣が所狭しと立ち並ぶ京都ですが、その街の中に二条城があります。

城の代名詞とも言える天守閣は残っていないのですが、都にある城ゆえに歴史の舞台として幾度となく登場した由緒ある場所でもあります。

今回は都にある美しい城、二条城の魅力とアクセス方法などについてご紹介します。

<目次>
  1. 徳川家康の命により築城され、数々の歴史の舞台に登場する二条城
  2. 二条城の見どころ1.天守はなくとも、櫓や御門、御殿は必見!
  3. 二条城の見どころ2.春は桜、秋は紅葉、ライトアップにも注目!
  4. 二条城へのアクセス・入場料・観覧可能日
 

徳川家康の命により築城され、数々の歴史の舞台に登場する二条城

二条城・京都の見どころ

戦国時代の終わりから歴史の舞台となった二条城・二の丸御殿

二条城Googleマップ)は、京都市内の中心部、中京区にある城です。

平安時代から都が置かれた京都ですが、城については室町時代に築かれた船岡山城、淀古城、安土桃山時代に豊臣秀吉が築いた伏見城や淀城など、いくつかの城が造られました。

そんな中、戦国時代に終わりを告げる関ケ原の戦いの後、京都に築城されたのが二条城です。関ケ原の戦いで勝利した徳川家康の命により築城が始まり、1603年に二の丸部分が完成。その後20年ほどの歳月をかけて本丸や天守閣などが造られました。
二条城(2)

二条城の内堀。奥に見える一段高い石垣は天守閣跡(1999年11月撮影)

江戸時代の間、徳川氏が城主として存在した二条城ですが、明治維新後は京都府庁として使われたり、宮内省の管轄に移されて二条離宮と呼ばれるようになります。昭和初期には京都市が下賜を受けて「恩賜元離宮二条城」として一般の人々も見学ができるようになりました。

徳川家康が江戸幕府を開くために征夷大将軍の宣下を受けたのは伏見城ですが、京都御所への「将軍拝賀の礼」の参内は二条城から行われ、将軍就任の祝賀の儀も二条城で行われました。また豊臣家を滅ぼすことになった大坂冬の陣、夏の陣にて徳川家の参謀本部が置かれたのも二条城です。

そして時は幕末に移り、15代将軍 徳川慶喜が江戸幕府の終焉を告げる大政奉還を決めたのもここ二条城。まさに江戸時代の始まりから終わりを見つめていた歴史の舞台という訳ですね。

歴史の生き証人と言える場所が江戸時代の建物や庭園を含めて現代に残っていることから、京都を中心に存在する寺社仏閣とあわせて1994年に「古都京都の文化財」の構成資産の一つとして二条城はユネスコの世界文化遺産に登録されました。
 

二条城の見どころ1.天守はなくとも、櫓や御門、御殿は必見!

二条城(3)

二条城・東南隅櫓。貴重な築城当時の櫓が今に残ります(1999年11月撮影)

それでは二条城を見学しましょう。地下鉄東西線の二条城前駅を出ると、目の前にあるのは二条城の外堀。南側の両端にある櫓(西南隅櫓、東南隅櫓)は、二条城築城時のものが今に残る数少ない貴重な建造物の一つです。
二条城(4)

二条城・東大手門。観覧時はここが出入口となります(1999年11月撮影)

東大手門はどっしりとした重厚な構え。この門をくぐって城内に入っていきます。
二条城(5)

二条城・唐門。ここをくぐると二の丸御殿です(1999年11月撮影)

東大手門をくぐり、左手にまわりこんだ先にある唐門をくぐって二の丸御殿に向かいます。
二条城(6)

二条城・二の丸御殿。大政奉還が行われた大広間などを見学することができます(1999年11月撮影)

二の丸御殿は二条城の建物として最初に造られたもので国宝に指定されています。二の丸御殿の中には、徳川慶喜が大政奉還を決めた大広間など将軍の居室を見学することができます。それぞれの部屋にある障壁画にも要注目ですね。
二条城(7)

二条城・二の丸庭園。江戸時代に造られた庭園です(1999年11月撮影)

二の丸御殿の前にあるのは江戸時代に造られた二の丸庭園。アメリカの庭園専門誌「Sukiya Living magazine(The Journal of Japanese Gardening)」の日本庭園ランキングにて、常に上位にランクインするこの庭園は、二の丸御殿からも眺めることができます。
二条城(8)

二条城・本丸御殿。元々は京都御所内にあった旧桂宮邸の建物です(1999年11月撮影)

二の丸御殿を出て、内堀にかかる東橋を渡った先が本丸。お気づきの方も多いと思いますが、二条城には、城の代名詞とも言える天守閣が残っていません。本丸の南西角に五層の天守閣が1626年に造られたのですが、雷によって1750年に焼失した後、再建されないまま今に至ります。

本丸にある本丸御殿は築城当時のものではなく、明治時代になってから京都御所内にあった旧桂宮邸の御殿を移築したものになります。
 

二条城の見どころ2.春は桜、秋は紅葉、ライトアップにも注目!

二条城(9)/桜

二条城のしだれ桜

甲子園球場6個分もの広さを持つ二条城。春は例年3月下旬から4月中旬にかけて「二条城桜まつり」が開催され、庭園に咲く山桜、里桜、八重紅枝垂などの美しい桜が楽しめます。
二条城(10)/紅葉

二条城で見られるモミジの紅葉(1999年11月22日撮影)

秋を迎えると城内のいちょうやモミジが色づきます。建物を埋め尽くすほどのボリュームはありませんが、秋ならではのカラフルな風景を楽しむことができますね。
二条城(11)/ライトアップ

春の桜の時期と秋の二条城まつりにあわせて行われる二条城のライトアップ(2009年4月撮影)

なお、二条城桜まつりにあわせて、桜が咲く時期に二条城内でライトアップが行われます。また秋は二条城まつりにあわせて10月下旬にライトアップが行われますので、時期を合わせて出かけるのも良いでしょう。


京の都で数々の歴史を見てきた二条城をご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。400年超の歴史は千年以上の歴史を誇る京都では新しい方に属しますが、日本百名城にも名を連ねる見ごたえのある城ですので、京都を訪れた時には、ぜひ二条城に立ち寄ってみて下さい。
 

二条城へのアクセス・入場料・観覧可能日

京都駅・中央口のバス案内板

京都駅前・中央口のバス乗り場案内板。二条城へは地下鉄を乗り継いでも行けますが、市バスだと乗り換えなしで行けます

地図
Googleマップ (〒604-8301 京都府京都市中京区二条城町541)

観覧可能日
<二条城の城内>1月1日~12月28日
<二の丸御殿>観覧不可日を除く城内の観覧可能日(観覧不可日:毎年1月、7月、8月、12月の毎週火曜日(祝日の場合は翌日の水曜日)と1月1日~3日、12月26日~28日)
入城料
<2019年9月末まで>
  • 入城
    一般 600円,高校生・中学生 350円,小学生 200円
  • 二の丸御殿観覧(入城とは別料金)
    一般のみ 400円,高校生以下は加算なし
<2019年10月以降>
  • 入城
    一般 620円,高校生・中学生 350円,小学生 200円
  • 二の丸御殿観覧(入城とは別料金)
    一般のみ 410円,高校生以下は加算なし
※なお、入城日に有効となる京都市交通局発行の地下鉄一日券、地下鉄・バス一日券、地下鉄・バス二日券を提示すると、一般のみ入城料金の優待割引(100円引き)が受けられます。

アクセス
<鉄道>
・東海道新幹線 京都駅から、京都市営地下鉄烏丸線で烏丸御池(からすまおいけ)へ。東西線に乗り換えて二条城前下車。二条城入口まで徒歩約3分。
※山陰線(嵯峨野線) 二条駅からは、二条城入口まで徒歩約15分の距離です。
または京都駅前より京都市バス 111系統 急行 二条城・金閣寺行き、50系統 立命館大学行き、101系統 洛バス 急行 金閣寺行き(乗り場B2)、9系統 西賀茂車庫前行き(乗り場B1)で二条城前バス停下車。

<高速バス>
・東京駅、新宿駅などから京都駅を結ぶ高速バスが多数発着しています。京都駅から先は<鉄道>のルートと同じ。

<飛行機>
・伊丹空港から空港リムジンバスで京都駅へ。関西空港からはJR西日本 特急「はるか」で京都駅へ。京都駅から先は<鉄道>のルートと同じ。

<車>
・名神高速 京都南インターチェンジから国道1号線を京都市内方面へ。京阪国道口交差点を右折後、九条油小路交差点を左折して堀川通を北へ。
二条城の東側と南側に駐車場があります。

【関連サイト】 「関西の名所」に、「名所・旧跡」ガイドで関西地方の名所・旧跡を紹介した記事の一覧をまとめてあります。
「日本の世界遺産」に、「名所・旧跡」ガイドで日本国内の世界遺産を紹介した記事の一覧をまとめてあります。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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