広がる自転車保険などの加入義務化

自転車を利用する人に自転車保険などへの加入を義務付ける自治体は、関西地方を中心に増えていましたが、2018年4月から埼玉県で、同7月からは神奈川県相模原市でと、関東地方にも広がりを見せています。

2013年、神戸地方裁判所で自転車事故の加害者側に9,000万円を超える損害賠償を命じる判決があり、自転車事故での賠償責任に対する補償の必要性が多くのメディアで報じられました。この判決も大きなきっかけとなり、兵庫県は「自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」を制定。2015年10月から、県内で自転車を利用する場合、自転車損害賠償保険等(自転車事故により生じた他人の生命又は身体の損害を填補することができる保険又は共済)への加入を義務付けました。その後、同様の義務化が他の自治体にも広がっているのです。

出所:各自治体ホームページ(2018年6月18日時点)を基にガイド作成

出所:各自治体ホームページ(2018年6月18日時点)を基にガイド作成


知っておきたいのは、各自治体とも「自転車保険」という商品への加入を義務付けている訳ではないということです。
一般に販売されている自転車保険の主な補償内容は「事故の相手への補償」と「自分のケガの補償」の大きく2つに分けることができます。前者は「個人賠償責任補償」と呼ばれ、日常生活に起因する偶然な事故により他人にケガをさせたり他人の物に損害を与えたりして、法律上の損害賠償責任を負った場合の補償です。条例で義務化された「自転車損害賠償保険等」として必要な補償内容はこの部分であり、後者の自分のケガの補償は必須ではありません。特に、傷害保険や医療保険に入っている人は、一般的な自転車保険に加入すると自分のケガの補償が重複するため、個人賠償責任保険への加入を検討するとよいでしょう。

「個人賠償責任保険」にはどのように加入する?

それでは、個人賠償責任保険にはどのように加入したらよいのでしょうか。実は、この補償は単独の保険としてはほとんど販売されていません。一部のクレジットカード会員の専用商品として販売されているものがある程度です。

多くの人にとって加入しやすい方法としては、自動車保険や火災保険など、他の損害保険の特約としてつけるという方法です。追加の保険料も年間で1,000~2,000円程度で済みます。

この特約は通常、加入した本人(記名被保険者)だけでなく、次の人が対象となります。
  • 本人
  • 配偶者
  • 本人または配偶者と生計を共にする同居の親族
  • 本人または配偶者と生計を共にする別居の未婚の子(例えば仕送りを受けている学生など) 
つまり、生計維持者が加入すれば家族全員が補償の対象となり、家族が個々に加入する必要はありません。

また、同特約は、自転車事故に限らず、日常生活での偶然な事故(自動車事故を除く)による法律上の損害賠償責任を補償してくれるため、例えば次のような場合でも役立つことを頭に入れておきましょう。

  • ゴルフのプレー中、打ったボールが他の人にあたりケガをさせてしまった
  • マンションで洗濯機から水が溢れて、下の階の部屋に損害を与えてしまった
  • 買い物中に、誤って高価な商品を棚から落とし壊してしまった
  • 子どもがサッカーボールで遊んでいて、他人の家の窓ガラスを割ってしまった
  • 散歩中に飼い犬が他人を噛み、ケガをさせてしまった
※被保険者の範囲や補償の対象は、商品によって異なる場合があるので、詳細は保険会社にご確認ください。

ダイレクト自動車保険であれば、どんな特約をつければいい?