近年増えている「プレミアムエコノミー」
エールフランス航空のプレミアムエコノミークラス。機内食やヘッドセットなどが異なり、アメニティポーチも提供(画像:Air France)
空港や機内で“プチ贅沢気分”が味わえる、プレミアムエコノミー。実際のところエコノミークラスとどのくらい違うのでしょうか。両クラスをよく利用する飛行機の旅ガイドが、プレミアムエコノミーの主なサービスや導入する航空会社、アップグレードする方法まで分かりやすく紹介します。
プレミアムエコノミーの主なサービス
キャセイパシフィック航空のプレミアムエコノミークラス。(画像:Cathay Pacific)
■優先チェックイン、優先搭乗、手荷物の優先受け取り
■ウェルカムドリンクの提供
■エコノミークラスの機内食に加えたデザートなどの提供
■機内で使える歯ブラシなどのアメニティの提供
■空港でラウンジが利用できる
■手荷物の優遇、など
キャセイパシフィック航空のプレミアムエコノミークラス向け機内食(画像:Cathay Pacific)
エコノミーとの大きな違いは「シート」
ニュージーランド航空のプレミアムエコノミークラス(画像:Air New Zealand)
エコノミークラスとの大きく違うのは「シート」です。どの航空会社でも共通事項となっています。
エールフランス航空の場合、エコノミークラスより40%も広い空間があるとし、人間工学に基づいたというシートはリクライニングしても固定されたシェルの中で動くため後ろの人に影響せず、快適なフライトを過ごすことができます。
また、ニュージーランド航空では、エコノミークラスよりもゆとりあるスペースと、シートはエコノミークラスより1.5倍のリクライニング角度、アームレストやレッグレストを備えています。手荷物の優遇、豊富なワインリスト、Antipodes社のニュージーランド産パパイヤとアボカドのリップバームなどが入ったアメニティキットを提供しています。
ニュージーランド航空のプレミアムエコノミークラスで提供されるアメニティポーチ。リップバームや靴下、歯ブラシセットなどが入っている
また、ANAの場合、エコノミークラスのシートピッチ(足元のスペース)が約79cmなのに対し、プレミアムエコノミーは約97cmと約18cmの差があります。この差は、長距離路線であるほど大きく、快適度が違います。個人モニターのサイズも大きく、電源もしっかり装備されています。
プレミアムエコノミーを導入する主な航空会社
デルタ航空のプレミアムエコノミークラス「Delta Premium」。「TUMI」のアメニティキットを提供(画像:Delta)
【国内エアライン】
ANA、JAL
【海外エアライン】
デルタ航空「デルタプレミアム」、アメリカン航空、ユナイテッド航空「ユナイテッドプラス」、ブリティッシュエアウェイズ「ワールドトラベラープラス」、エールフランス航空、ルフトハンザ航空、フィンエアー、カンタス航空、ニュージーランド航空、シンガポール航空など
プレミアムエコノミー、気になる運賃は?
スカンジナビア航空のプレミアムエコノミークラス(画像:SAS)
運賃が高めな一方、「マイル」がよく貯まります。エコノミークラスの安い運賃だとほとんど貯まらないところ、プレミアムエコノミーにすると倍以上貯まることも。マイルを貯めている人、飛行機に良く乗る人にとっては、航空券のお得度が少し上がります。
また、プレミアムエコノミーのセールもANAやJALなどでよく行っています。セール期間中に購入すると、普段よりもお得なことも多々。セール情報はぜひチェックしましょう。
マイルでアップグレード、当日空席あれば追加料金でも
JALでプレミアムエコノミークラスに当日空港でアップグレードする際の案内
エコノミークラスの運賃で購入してからプレミアムエコノミーにアップグレードする手もあります。例えば、JALでは事前にマイルを使ってのアップグレードが可能です。また、もし出発当日に空席があれば、空港のチェックインカウンターでマイルもしくは追加料金でプレミアムエコノミーへのアップグレードもできます。
一方、ANAでは、エコノミークラスからプレミアムエコノミーへのアップグレードがマイルではできないので注意してください。また、ヨーロッパ・アメリカ。オセアニア路線で、事前入札(オークション)によるアップグレード「Bid My Price」サービスが2018年4月から導入されました。
海外エアラインだと、出発前にエコノミークラスから数万円の追加料金だけでプレミアムエコノミーにアップグレードできることもあります。
プレミアムエコノミーのサービス例:シンガポール航空、日本限定の女性向け新サービス「なごみ+」
シンガポール航空「なごみ+」なでしこスペシャル(朝食)アサイーボウル
「なごみ+」では、まず、3種類ある機内食の1つとして「なでしこスペシャル」を用意。利用便が昼食または夕食提供便であれば、炭水化物を控えてコラーゲンが豊富な食材などをふんだんに使った、総カロリー600キロカロリー未満のヘルシーなメニューが選べます。
シンガポール航空「なごみ+」なでしこスペシャル(昼食・夕食)牛サーロインのソテー 赤ワインソースがけ
シンガポール航空「なごみ+」利用者限定のオリジナルアメニティキット
【参考リンク】
ANA
JAL
シンガポール航空
エールフランス航空
ニュージーランド航空
デルタ航空
スカンジナビア航空