模試でA判定の大学に落ちた!?

A判定でも落ちる?私立大学受験に起きた異変とは?

A判定でも落ちる?私立大学受験に起きた異変とは?

2018年の大学受験動向を総括します。

前年度に比べ、2000名以上合格者数を減らした大学は、東洋大学、日本大学、法政大学、南山大学、京都産業大学、立命館大学、関西大学、関西学院大学の8大学。これ以外にも1000名以上合格者数を減らした大学が10校近くあります。

毎年、約8000人の合格者を出している京都産業大学では、2018年度の合格者数は約5800人で、約2300人も少ない結果となっています。例年なら、合格していたはずの人の約3割が今年は落ちたのですから、驚きは隠せません。

受験本番までに十分準備を重ねてきた受験生でも落ちるというこの現実は、塾や予備校関係者の間でも衝撃が走りました。中には、模試でA判定(合格可能性80%以上)でも落ちた生徒がいるというのですから、関係者もショックだったことでしょう。

「滑り止め校」なのに、なぜ落ちる?

これには、2016年から始まった「私立大学の定員厳格化」が背景にあります。私立大学は、合格しても入学を辞退する人が多いため、あらかじめ定員よりも多めに合格者を出します。とはいえ、際限なく定員を超えて入学させてよいわけではありません。

収容定員が8000人以上の大規模大学では、これまでは定員をオーバーしてもよい割合は1.2倍でした(定員100名の場合、120名まで入学させても良い)。これをオーバーすると、大学は国からの助成金がカットされるのため、戦々恐々としているわけです。

この割合が、1.17倍(16年度)、1.14倍(17年度)、1.1倍(18年度)と徐々に厳格化され、多くの私立大学が合格者数を減らさなければいけなくなりました(収容定員が4000人以上、8000人未満の中規模大学では1.2倍)。

早稲田大学を始め、難関私大が合格者を大幅に減らしたため、そのあおりを受けた他大学は、さらに合格者減らさないと定員オーバーしてしまう可能性が高くなりました。

特に2018年度は、この割合がいよいよ1.1倍と厳しくなったので、歩留まり率(ぶどまりりつ)と呼ばれる「合格者のうち何割が実際に入学するか」の数値を見誤ると、億単位の助成金を失う危機に直面したのです。

その結果、多くの私大が一斉に合格者数を大幅に減らしたのです。

とばっちりを受けたのは進学校の受験生

私大大学受験の最新動向

私大大学受験の最新動向

さて、この事態に一番の迷惑を被っているのが受験生なのは言うまでもありません。中でも、AO入試や推薦入試ではなく、学力試験一本の一般入試で受験した受験生が、一番のとばっちりを受けたのです。

実際のところ、私立大学に入学する学生の約半数が、必ずしも学力試験を必要としないAO入試や推薦入試によって入学しています。

中堅の進学校ならば、たとえ学力試験の一発勝負では太刀打ちできない受験生でも、普段の定期テストを真面目に受ければ、推薦入試で合格できる、という抜け穴があります。

しかし、定期テストも簡単ではない難関進学校の受験生はそうはいきません。AO入試や推薦入試ではなく、一般入試で受験する受験生の方が多いため、滑り止めで受けたはずの大学に落ちる、ということが現実に起きてしまったのです。

2019年からの私立大学受験、対策は2つ

この事態に今のところできる対策は、まず、志望校を慎重に選ぶことです。今後は模試の判定が厳格になるなど、それなりの対応がなされるかもしれません。

いずれにしても、第一志望を今まで以上に慎重に選び、滑り止めは合格可能性が80%以上ある大学と、念のためほぼ100%に近い大学も受けておくのがベストでしょう。

もう一つは、2人に1人がAO入試や推薦入試で合格するという現実があるため、推薦入試も視野にいれることです。この場合、今まで以上に定期テストに力を入れるのはもちろんですが、特にAO入試では志望動機がカギになります。

「なぜその大学なのか」
「その学部・学科へ入学して何を学びたいのか」
「自分の得意なことや興味のあることをどう活かしたいのか」
など、面接や志望理由書を通して表現する必要があります。

そのためには、オープンキャンパスへ行ったり部活動や習い事など自分の個性を伸ばしたりすることが重要になります。このような教科書や参考書では学べないことを大切にしましょう。
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