家計簿アプリ比較をよくコメント求められるが
私たちは肌身離さず、ほとんど全ての時間、スマホを持ち歩いています。機能はすでに2000年当時のパソコンを超えているはずで、こんな薄型の端末に最先端の高機能が詰め込まれています。スマホの高機能をもう少し使いこなしたいと思っているなら、家計簿アプリは絶対にインストールするべきだと思います。しかし家計簿アプリはたくさんありすぎて、どれを選べばいいのか悩んでしまうことがあります。
そんな家計簿アプリについて、使い勝手のコメントを求められることがあります。iPhoneとAndroidスマホの2台持ちのITガジェット好きファイナンシャルプランナーとして、こういった取材は喜んで受けていますが、家計簿アプリの善し悪しについて「一番大事」なポイントを抜きに比較をしていることが多いなと思っています。
今回は一番いい家計簿アプリはどれか、という話をしてみます。
家計簿アプリは機能比較では大きく2つに分類できる
家計簿アプリのトレンドを大きく2つのグループに分けると「紙の家計簿の置き換えイメージのもの」と「フィンテックを通じて自動化を行うもの」に分かれます。1.紙をイメージした家計簿アプリ
紙の家計簿イメージ、はそのとおりで、アプリの中に紙の家計簿のような画面があって、ひとつひとつ入力をしていくと、電卓の計算についてはスマホが代わりに行ってくれるものです。これだけでも家計簿の面倒さは相当軽減されますので、家計簿アプリは紙の家計簿をもはや過去のものにしてしまいました。
こちらの代表格は「レシーピ」「おカネレコ」「Dr.Wallet」などです。
2.外部連携を得意とする家計簿アプリ
フィンテック(金融とITの融合)を活用したのがもうひとつの家計簿トレンドです。モバイルバンキングで銀行のアカウントがある場合、ネット証券の口座を持っている場合、クレジットカードのアカウントがある場合、これらを登録すると、銀行の残高がチェックできたり、自動引き落としされた利用明細が自動的に家計簿に記帳されたりします。
楽天やAmazonのようなECサイトのアカウントを登録しておくと、これまた買い物のたびに自動的に記帳することができます。Suicaやnanacoのような電子マネーについても同様に登録すると、利用のつど家計簿アプリが記帳してくれるようになっています。
こちらの代表格は「Zaim」「マネーフォワード」「マネーツリー」などです。
かつては家計簿アプリといえば「カメラでレシート撮影すると自動入力」くらいでしたが、自動化や省力化はここまで進んでいるのです。
同じグループであれば機能面で比較しても大差なし
こうしたサービスの現状を踏まえて「それではどの家計簿アプリが最強か」となります。「紙の家計簿系」と「フィンテック系」で大別してみたとき、同じグループの中であれば実は決定的な機能差はありません。フィンテック系については「自分の銀行口座がリンクできるか」というところで未対応のアプリは検討から除外、ということになりますが、代表的な金融機関やクレカならおおむね登録できると思います。
ほとんどのアプリは利用料金無料です。過去ログを残したいとか広告を消したい場合、課金をするアプリが多く、利用は無料になっているのがほとんどです。ここもあまり比較にはなりません。
続けられるデザインこそ最も重視すべき家計簿アプリの要素
それよりもむしろ、家計簿アプリに影響をする要素があります。それは「インターフェイスデザイン」です。そしてこれが最後の、最大のカギです。各社はそれぞれのスタンスで「入力しやすい画面デザイン」「確認しやすい画面デザイン」を工夫しています。これは言い換えると「合う」「合わない」が必ず生じるということです。
万人に合うデザインというのはありません。そして違和感を覚えながら家計簿記帳をしようとするとこれは続けるのが苦しくなります。
辛いなら、楽なアプリを選べばいいのです。そしてそれは、個々人の「フィーリング」の部分も無視しないで考えるべきです。
家計簿アプリはストアで5個くらい試してみよう
iPhoneであればApp Store、AndroidスマホであればGoogle Play ストアにアクセスして、「ファイナンス」カテゴリーをチェックするか「家計簿」でキーワード検索をします。そこで出てくる並べ替えは基本的には人気ランキングですから、上位からいくつか良さそうな雰囲気の家計簿アプリを5つくらいダウンロードしてみましょう。
そして、3~5項目くらいの記帳を試しにやってみましょう。マニュアルを読む必要はありません。むしろ「マニュアルを読まずにスムーズに入力できる」ということが、あなたにしっくり合う、ということだからです。
家計簿は「続ける」ことが一番大事なことです。どんな高機能のアプリでも3日坊主であれば家計は改善させられません。シンプルなデータでも1カ月記帳ができれば、家計を改善する参考になります。
データを途中から他のアプリに引き継ぐのはちょっと簡単ではないので、できれば最初のアプリで長く入力を続けたいもの。機能比較はあまり気にする必要はありません。ぜひ、自分に「合う」家計簿アプリをみつけてみてください。