中小企業診断士の仕事は「診る・書く・話す」
中小企業診断士になったら、どんな仕事ができるの?
中小企業診断士は、経営コンサルタントの国家資格ですが、その業務は多岐にわたります。
主な業務は、一般的に「診る・書く・話す」と言われています。
- 診る:企業診断・助言や創業者に対するサポートなどのコンサルティング業務
- 書く:記事の執筆・書籍の出版、作問などコンテンツ作成業務
- 話す:企業研修・セミナー・講演会など講師業務
中には、コンサルティングを専門とする人、フリーライターばりに執筆ばかりしている人、講師業務に特化する人など、特定の領域に特化して活動する中小企業診断士も少なくありません。
<目次>
中小企業診断士は副業、育児の傍ら等ライフステージに合わせて働ける
「診る・書く・話す」のいずれかに偏らず、バランスよく取り組むケースもあります。私自身の独立当初は、公的機関経由のスポット案件や、ご紹介頂いた民間企業との顧問契約からスタートしたので「診る:書く:話す=8:0:2」の割合でした。
8年たった現在では「診る:書く:話す:その他=2:3:4:1」の割合です。
これには理由があって、ライフステージに合わせて業務のバランスを変化させているからです。
家庭・育児と両立しながら仕事を続けるには、いつでもどこでもできる「書く仕事」や「自分の都合に合わせて準備ができ、比較的高収入を得られる話す仕事」メインであることが、都合がよいのです。
中小企業診断士の年収事情ー企業内・独立でどう違う?でもお伝えした通り、「仕事がなくて困る」ということは、そうそうありません(むしろ、人材不足の業界です)。
したがって、本業との兼ね合いや、健康状態や家庭の状況といった個人的な事情を考慮し、業務のボリュームを調整することが可能です。
中小企業診断士になりたての時は、どうやって仕事をとるの?
難しい試験を突破したり厳しい養成課程を修了したりして、晴れて中小企業診断士に登録されたといっても、当然ながら実績ゼロからスタートします。そこで、最初のうちは各都道府県の中小企業診断(士)協会が主催する研究会などに参加し、先輩診断士とのネットワークを構築するところからスタートします。
他にも、民間企業や任意団体が企画する中小企業診断士向けのイベントに参加して、繋がりをつくっていきます。
そうして何度かキーマンと接点を持つうちに仕事を紹介してもらえるケースや、研究会などで募集する実務従事案件などにPJメンバーとして参加して、無報酬で実績を積んでいくというケースが多いでしょう。
また、東京地区を中心に、地域によってはプロコン塾というベテランの中小企業診断士が実務知識や実習の場の提供、お作法までもレクチャーしてくれる講座に通い、その繋がりから仕事を経ていくケースもあります。
取材・執筆の実務実績を積むのであれば、取材の学校に通って実務知識を得てから、実際の執筆案件を獲得していくというケースが増えてきました。
このように、実績がほぼゼロの状態から仕事を獲得していくには、実務知識やノウハウを習得できる中小企業診断士向けの講座に通うのが、近道かもしれません。
受験時代に受験指導校の通学講座で受講していた場合は、現役の中小企業診断士として活動する講師との繋がりや、同じ講師に教わっていたOB・OGとの繋がりから、仕事に繋がっていくケースもあります。
中小企業診断士になりたての時は、どんな仕事ができるの?
中小企業診断士の多岐にわたる業務の中には、1~2年目の実績に乏しい段階であっても、比較的頼まれやすい仕事もあります。
- 各種補助金の申請書類作成
- 受験指導校で提供する答練や模試などの作問
- 自身の専門分野に関するセミナー(最初は、無報酬の場合も多い)
- 中小企業診断士関連団体が発行する機関誌の記事の執筆
- 各都道府県の中小企業診断(士)協会経由の企業診断案件
- イベントの司会や運営・事務局
したがって、このような依頼にしっかりと対応して期待に応えていくことが重要で、その積み重ねが次の仕事に繋がっていくのです。
上記の業務は、企業内診断士が副業として引き受けるケースがほとんどです。
中小企業診断士を副業にするなら、平日夜や週末にできる業務がベスト
私の周りの企業内診断士の多くが取り組んでいるものとして、4つご紹介します。
- 執筆
- 週末の講師業
- 商店街支援
- 補助金申請書類作成
執筆の仕事は、いつでもどこでもできるのがメリットですが、ライティングスキルや元ネタ、取材ノウハウが必要です。
また、余程実績や経験を積まない限りは、高単価の依頼は入ってきませんから、継続するための工夫としてある程度効率的にこなせるようになるためのトレーニングと経験が必要です。
週末の講師業は、公的機関や自治体主催の創業セミナーや受験指導校の講師が多いようです。
採用試験にパスしたり、決定権者との人脈が必要といったハードルはありますが、ある程度のスキルさえあれば、初心者でもできる仕事です。
商店街支援は、PJとしてチームで取り組むケースが多く、ほとんど手弁当でやっているケースが大半です。
チームなので、各自が集まれるときに集まって進行していくため、過度な負担がなく参画できます。
一定の成果を出すことで、少額ながら報酬がもらえたり、5年に1回の更新に必要な実務ポイントが獲得できたりという点で、企業内診断士にとってのメリットは大きいと言えるでしょう。
補助金申請書作成は、ノウハウを持っている事業者からレクチャーを受けることで、その後下請け的に一定の仕事を獲得できるため、お小遣い稼ぎとしては十分で、最初は誰しも取り組む人気のある業務です。
いずれは仕事を選べるようになる
中小企業診断士の仕事は多様ですが、それぞれのバックボーンは異なります。したがって、自分自身の専門性を活かしつつ、自分が求める報酬やノウハウを獲得できるようになるために、コツコツと実績を積みながら、いずれは仕事を選べるようになっていくことが、大切なのです。
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