毎月のローン返済は総額50万円。老後に向けたアドバイスを

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、収入が高く、任意整理中で今後のマネープランに不安を抱く50歳の会社員男性。住宅ローン返済が29万円、事業返済が、月に13万円あり保険も月8万円支払っているという相談者に、ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください。(相談はすべて無料になります)

毎月のローン返済が高額で老後が心配に

毎月のローン返済が高額で老後が心配に



■相談者
ターセルさん(仮名)
男性/会社員/50歳
持ち家・一戸建て

■家族構成
妻(フリーランス/50代)、4人(末子・18歳)

■相談内容
任意整理しました。収入が高く再生中です。年収は約1300万円、妻はフリーランスですが、毎月30万~40万円は稼ぎます。ただ、事業返済が、月に13万円あり、保険も月8万円支払っています。末子が私立大学進学に際し、1年分の学費などは貯めました。定年は60歳で、嘱託期間は現役時の半分になりますが年収は約束されるようです。退職金も出る予定(600万~900万円)です。妻の返済は残り9年あります。自宅は賃貸2戸付きで、2戸共に埋まっており、月々15万円入りますが、管理費引くと12万円くらいです。アドバイスを宜しくお願いします。

■家計収支データ
相談者「ターセル」さんの家計収支データ

相談者「ターセル」さんの家計収支データ



■家計収支データ補足
(1)住宅コストについて
・借入額 9000万円(土地+建物)
・借り入れ開始年 2010年
・固定資産税額(年間)40万円

(2)教育費について
月0万円となっているのは、「私立高校の年間授業料80万円、最後の引き落とし完了、塾などの費用年間100万円、こちらも完了」という理由。今後大学に進学すればまた教育費が発生する。

(3)ボーナスの使いみちについて
不明

(4)妻による親の保険料負担について
死亡500万円、入院特約付き、保険期間90歳までの定期保険に加入。両親は年金暮らしのため、とても負担できないとのこと。

(5)加入保険の詳細な保障内容について
[夫]保険料トータル5万円
終身保険(死亡保障200万円、定期特約5800万円(70歳まで)、入院2万600円、8大疾病の一時金20万円)他に共済に2本。

[妻]保険料トータル4万5000円
逓減特約付き保険で、現在は死亡時約8000万円
入院は1日辺り3万5000円出ます。他に診断給付金300万円。
事業をやってきた関係で今迄1億の保障金額を維持してきたが、見直し今の金額になったとのこと。

■FP深野康彦の3つのアドバイス
アドバイス1 現状が維持できれば、老後資金は9000万円超
アドバイス2 積極的な繰上返済で早めの完済を目指す
アドバイス3 死亡保障も医療保障も必要最小限でいい

アドバイス1 現状が維持できれば、老後資金は9000万円超

現在、住宅ローンやその返済を合計すると月50万円。確かに、今後のマネープラン全般に不安を感じるかとも思いますが、心配はほぼ不要です。現状の収入が今後も維持できるなら、資金的に困ることはおそらくないと考えられます。

試算してみましょう。毎月の収支が現在40万5000円の黒字。ボーナスは年間300万円。このうちどれだけ貯蓄に回っているかは不明ですが、仮に半分貯蓄できれば150万円。これで年間636万円。ご主人が定年となる60歳までの10年間で、できる貯蓄は6360万円となります。ただし、ご主人の任意再生の返済が来年、そして奥様の事業の借り入れが9年後に終了。それぞれ返済終了後、その分がすべて貯蓄に回るとすれば、先の貯蓄額に2580万円を加算できますから、計8940万円。これに退職金(750万円とする)を加えると、9690万円となります。高収入に甘えず、心を入れ替えきちっと家計管理を行えば心配ありません。

大きな支出としては、末のお子さんの大学の教育費がありますが、自宅通学とすると、主にかかるのは大学にかかる学費。4年間で500万円として、残りは9190万円。今ある貯蓄と合わせて、定年時に約9300万円の資金は手元に残り、これが老後資金ということになります。

アドバイス2 積極的な繰上返済で早めの完済を目指す

今後のマネープランで唯一の懸念は住宅ローンでしょう。計算上は老後資金も問題ないとは言え、75歳まで毎月29万円の支払いは、やはり大きな負担であり、リスクになりかねません。したがって、積極的に繰上返済をして、早めの完済を目指しましょう。

60歳以降のご主人の収入ですが、65歳まで再雇用で働くとして「年収は半分は約束されている」とのことですから、手取りで年間550万円は確保できることになります。ただし、10年後も現在と同額の副収入と家賃収入が期待できるかは、不確定。しかし、仮にこれがともにないとしても、60歳以降の生活費は30万円ほど(奥様が負担してい両るご親の保険料はすでに発生せず、固定資産税やクルマの維持コストを月割りで加算)ですから、ご主人の収入だけで65歳までの5年間で950万円の貯蓄が新たにできます。

したがって、公的年金支給時には手持ち資金が5200万円ほどなります。公的年金の不足分をこれでカバーするわけですが、生活費30万円に対して公的年金が仮に手取り20万円とすると、不足額は月10万円。夫婦とも90歳まで生きるとして、不足額は計3000万円ですから、それでも2000万円以上が残ります。しかも、これには家賃収入や奥様の収入は加えていません。今後しっかり家計管理ができるという前提に立てば、マネープランとしては、問題ないと言えるわけです。

アドバイス3 死亡保障も医療保障も必要最小限でいい

家計支出で、気になることがひとつ。保険について、資金的には余裕がありますので、このままでも大きな負担にはなりませんが、無駄な支出、生活コストを落としたいというのであれば、見直していいと思います。

具体的には、まず死亡保障。奥様の8000万円は事業主ということで、万が一に備え、かつ保険料を事業経費とすることも可能ですから、まだその目的は理解できますが、ご主人の6000万円は明らかに過大。もう子育ても終わり、奥様も自立できる経済的基盤があります。必要性があるとすれば、ご主人名義で住宅ローンを借りていて、団体信用生命保険に加入していないというケース。もしそうでなければ、少なくとも終身保険の定期特約部分は不要です。

同様に、医療保障として入院給付が日額2万円というのも、過大でしょう。入院するなら、どうしても1人部屋という人もいるでしょうが、入院自体が短期化傾向にある中、割高な保険料を支払いこれだけの保障を確保することは、非効率と言えます。保険料コストを下げて、その分、貯蓄に回す。そして、入院したらその費用は貯蓄から支払う方が合理的です。入院給付を確保したいなら5000円で十分でしょう。

したがって、加入されている終身保険を払済保険にして、2本加入している共済を1本だけにする。あるいは、どちらも解約して、割安な掛け捨ての医療保険に加入してもいいでしょう。それだけで、保険料は10分の1程度になります。検討してみてください。

教えてくれたのは…… 
深野 康彦さん  

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マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。近著に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/清水京武

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