年金/国民年金の仕組み

国民年金が払えない! 払わないとどうなるの?

令和3年度の国民年金保険料は月額1万6610円です。この金額を翌月末日までに支払わなければなりません。国民年金保険料を支払わず、滞納する期間が長いと、将来老齢年金がもらえないだけではありません。障害年金や遺族年金を受けられないということにもなりかねません。新型コロナウイルスが原因で、家計が苦しくなり、年金保険料を払えなくなった人も、滞納したままにしないよう注意してください。

拝野 洋子

執筆者:拝野 洋子

ファイナンシャルプランナー・社会保険労務士 / 年金・社会保障ガイド

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国民年金保険料っていくら?

令和3年度の国民年金保険料は月額1万6610円です。翌月末日までに支払わなければなりません。この15年間で月額約3000円も上がっています。

会社員と公務員は給料からの天引きになるので、実際に月額1万6610円を支払わなくてはならないのは20歳以上60歳未満の自営業者や退職者、所得の高い主婦(夫)、配偶者が会社員・公務員以外の主婦(夫)等です。失業中等支払うのが大変な場合は、国民健康保険や住民税の支払いが優先されがちで、国民年金保険料は後回しになることが多いようです。

【国民年金の満額についてはコチラの動画をご覧ください】


 

国民年金保険料を支払わない期間が長期間あるとどうなる?

国民年金保険料を支払わない(滞納)期間が長いと、デメリットは10年の期間を満たせず将来老齢年金がもらえないだけではありません。障害年金でも保険料納付要件を満たせず、請求もできない事態や家族が遺族年金を受けられない事態もあります。

年金保険料を支払うのが大変に感じるときでも「支払わない」だけではダメなのです。年金保険料免除・猶予、学生納付特例の申請をしましょう。
 

多種多様な国民年金保険料免除・猶予制度、基準の所得は?

年金保険料申請免除や猶予の申請は所得の基準や失業や被災に対しての考慮もあります。まずは所得による基準を確認してみましょう。市区町村役場の国民年金課で手続きをしましょう。

1. 法定免除
生活保護の生活扶助を受けている場合、障害年金1、2級の受給権者は市区町村役場へ「国民年金保険料免除理由該当届」を届け出ると、「全額免除」扱いになります。

2. 申請免除
扶養人数や所得、仕事の事情などに応じて、「全額免除」「3/4免除」「半額免除」「1/4免除」があります。申請月から2年1カ月前までの期間について、さかのぼって申請することができます。前年所得の基準の目安を挙げます。令和3年6月分国民年金保険料までは令和元年の所得、7月分保険料からは令和2年分の所得が基準となります。

全額免除が単身で所得67万円以下、妻子1人扶養で所得137万円以下。

3/4免除が単身で所得88万円以下、妻子1人扶養で所得153万円以下。

半額免除が単身で所得128万円以下、妻子1人扶養で所得198万円以下。

1/4免除が所得168万円以下、妻子1人扶養で所得238万円以下。

3/4、半額、1/4免除は上記の額に前年支払った社会保険料を加えることもできます。

3. 若年者猶予
50歳未満で経済的な理由(低所得等)や離職、災害などの特別な理由により保険料が納められないとき。所得の基準は全額免除と同じです。

「全額免除」「納付猶予」が認められなかった場合も「1/4免除」「半額免除」「3/4免除」なら可能性はあるので、再度申請してみましょう。

4. 学生納付特例
20歳以上の学生のための制度です。経済的な理由(学生本人の所得が128万円以下)、災害などの特別な理由により保険料が納められないとき。申請免除や若年者猶予よりこちらの手続きが優先です。
 

国民年金保険料免除や若年者猶予、学生納付特例の申請は原則、毎年行うこと!

住所地の市区町村役場に保険料の免除・猶予の申請を毎年行い、「保険料滞納期間」をなくすようにしましょう。

今年度(7月から来年6月)年金保険料の免除・猶予が認められても、来年度(来年7月以降)はわからないので忘れずに毎年7月に、保険料免除・猶予の申請をしておく必要があるため気を付けましょう。

ただし「全額免除」「納付猶予」は申請書に翌年度も同じ申請をする旨を書くと、「全額免除」「納付猶予」が認められた人に対して、翌年度は申請書の提出を省略することができます。

学生は毎年4月に学校が窓口で手続きを行っているので、20歳になったら誕生月に、その後は必ず毎年4月に学生納付特例の手続きを行いましょう。もちろん市区町村役場でも手続きができます。

市区町村役場へ郵送することでも手続きはできます。新型コロナ感染拡大防止のためにも、郵送を活用した手続きもおすすめします。
 

新型コロナの影響による特例免除申請

新型コロナの影響により令和2年2月以降の国民年金保険料の納付が困難となった場合の臨時特例による国民年金保険料の免除・猶予および学生納付特例申請の受付手続きが、令和2年5月1日から開始されています。以下の2点をいずれも満たした方が対象になります。
 
・令和2年2月以降に、新型コロナの影響により収入が減少したこと
・令和2年2月以降の所得等の状況から、当年中の所得の見込みが、今の国民年金保険料の免除等に当たる水準になることが見込まれること
 
年金保険料は滞納する前に年金事務所または市区町村役場国民年金課に相談することをおすすめします。

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