ランジェリー・下着

2018年は見せる下着が増える?パリ国際ランジェリー展

下着は、よりお洒落に進化する!2018年パリ国際ランジェリー展から、最新の下着情報をお伝えします。

土井 千鶴

執筆者:土井 千鶴

ランジェリーガイド

下着のアウター化が進む!2018パリ国際ランジェリー展

パリ国際ランジェリー展2018

2018年1月21日~23日まで、パリ市内でパリ国際ランジェリー展が開催されました。


【INDEX】2018年の下着トレンドはこうなる!
下着のアウター化が進む! 2018パリ国際ランジェリー展
もはや「ファッションのサポートアイテム」ではない?
1.素材もアウター化?「ベルベット」などの光沢素材を効果的に使用
2.ファッションと同じく、「鮮やか色・華やか柄」のブームが到来
3.お腹すっぽりなのにお洒落な新時代の「ハイウエストショーツ」
4.ストレッチレースの登場で「見せるシェイプウェア」の時代に


2018年も「パリ国際ランジェリー展」が行われました。1月21日から23日までパリ市内で開催され、世界のランジェリーメーカーが集結するランジェリーの展示会です。今回も様々な下着ブランドやトレンドを取材することができました。最新の下着情報をお伝えします。


もはや「ファッションのサポートアイテム」ではない?

パリ国際ランジェリー展2018

様々な最新の下着のトレンドが集まりました


下着のトレンドは、近年ファッションと連動するように、よりお洒落に様々な方向に多様化してきました。2017年の記事「多様化が止まらない!パリ国際ランジェリー展2017」では、次のような3つの動きをキャッチしました。

【2017年の下着・ランジェリーのトレンドは?】
1.ブラ&ショーツからの進化……「下着のアウター化」
2.ファッショナブルで合理的な「デザイン・ボディスーツ」
3.軽くやさしいつけ心地の「ソフトブラ」の時代へ


さて、2018年はどうでしょうか?

ガイドの見解ではランジェリーアイテムがファッションの一部としてトレンドに影響を与えているように感じています。素材、色、デザインなどさらにファッション化し、下着のアウター化が進んでいるように感じました。

写真左はハーフトップ風のブラ。写真右はハイウエストのパンティが印象的。

写真左はハーフトップのような形のブラ。写真右は、ハイウエストのパンティが印象的。


記事『1950-70年代のフレンチ・ランジェリーの進化』で紹介したように、下着は「洋服を美しく見せるためのサポート的役割」と捉えられてきました。だからこそ、ニュールックの流行でくびれを演出する下着が生まれ、ミニスカートの誕生でパンティストッキングが人気となったのです。長い歴史を振り返ると、その時代のファッションに合わせて、下着は変化してきたのです。

しかし、2018年の下着は、「ファッションの一部」として洋服と同化し始めています。

例えば、ファッションブランドのコレクションでは、ボディスーツやビスチェなどの下着は見せるアイテムとして登場し、欠かせないものとなっています。もっと日常的な話でいえば、ブラジャー機能付きのブラトップなどは見せてもOKなアウターと下着としてのインナーの中間として人気を博し、もはや毎日に欠かせないファッション下着になっていますよね。

画像左は、まるで「ブラトップ」のような形。画像右は、首回りのレースが美しく、ファッションショーとは言え、見せるお洒落を意識した下着だと感じます。

画像左は、まるで「ブラトップ」のような形。画像右は、首回りのレースが美しく、ファッションショーとは言え、見せるお洒落を意識した下着だと感じます。


このように下着はバストメイクやボディメイクとしてファッションのサポート的役割から、洋服と連動したお洒落アイテムへと変化しています。下着=見せないもの、身体を整えるものという概念を越え、下着のお洒落もファッションと同じように自由に楽しむようになっていくのではないでしょうか?

では具体的に、2018年パリ国際ランジェリー展のトレンドを紹介します。


1.素材もアウター化?「ベルベット」などの光沢素材を効果的に使用

パリ国際ランジェリー展2018

ラグジュアリーなベルベットのハイウェストショーツ


下着のアウター化は、素材でも明確になります。2018年の秋冬アイテムには、光沢が美しいベルベット素材が女性のボディを華やかに飾るデザインが多くみられました。

従来、ベルベットやスパンコールなど光沢感のある素材は、パーティドレスなどに使われるアウター素材ですよね。
パリ国際ランジェリー展2018

ベルベットのボディスーツ


しかも、ただ洋服(アウター)の素材を使って下着を作るということではなく、下着として必要な機能を持った、肌に直接身につけても快適な柔らかいベルベットでボディを包みます。

こういったボディスーツはキャミソールやカットソーのようなイメージで、上にサッとドレッシーなジャケットを羽織って即パーティドレスに……というような上級者のお洒落を楽しむ提案でもあります。なかなか日常で取り入れることは難しいですが、まさに「下着とファッションの融合」を目指す今後の展望が見え隠れするデザインなのです。

パリ国際ランジェリー展2018

ベルベットリボンでお洒落なボディスーツ


また、副素材にベルベットを使用したデザインもあります。光沢のあるベルベットリボンをストラップやアンダーバストに付けることで、よりアップグレードなランジェリーのお洒落を楽しめます。こちらは日常のランジェリーにも取り入れやすいアイディアではないでしょうか?


2.ファッションと同じく、「鮮やか色・華やか柄」のブームが到来

パリ国際ランジェリー展2018

鮮やかな色のランジェリーたち


下着は洋服の下に着てボディをサポートする役目が主なので、「定番のベージュや黒、白」を中心に展開されてきました。特に、日本では機能性下着が根強い人気で、透けない下着や矯正下着が人気なのでよりその点が色濃い印象です。

しかし、2018年秋冬は、あらゆる色を楽しむようにカラフルで自由な色の組み合わせが登場しているのも特徴です。

パリ国際ランジェリー展2018

レースの配色が新鮮なランジェリー


生地とレースの配色の組み合わせや、今までにない華やかな多色使いのプリントで、より楽しいファッションランジェリーの世界へと導いてくれるデザインが豊作。

ファッション業界においても、シンプルでベーシックな着こなしのブームが落ち着き、デコラティブでプレイフルなトレンドがやってきていますよね。それと同じで、ファッションを楽しむようにカラフルなプリントや大胆な配色の下着がより日常的になっていくことを予感させています。

パリ国際ランジェリー展2018

カラフルなプリントのランジェリー



3.お腹すっぽりなのにお洒落な新時代の「ハイウエストショーツ」

パリ国際ランジェリー展2018

お洒落なニッカーズ


お腹まですっぽり覆い隠すショーツというと、子供や年配向けのショーツのイメージがありましたが、今季、新たなお洒落ランジェリーとして注目されます。

完璧にくびれたウエストを持った女性であればどんな下着でも着こなせますが、あまり小さなショーツは躊躇してしまう人にも朗報。今季トレンドの「ニッカーズ」などとも呼ばれるハイウエストショーツは、しっかりお腹周りをカバーしてくれる上、デザインも繊細で美しいレースを採用しており、大人のお洒落を楽しむことができます。
パリ国際ランジェリー展2018

ニッカーズはお洒落ランジェリーに


写真のような繊細なレースのニッカーズ(ハイウエストショーツ)ならば、ブラ&ショーツスタイルをより美しいラグジュアリーなランジェリーへと進化させます。

かつての勝負下着は、男性の目を意識したデザインで、日常的に身に着けるような着心地を備えていないものも少なくありませんでしたが、今後はこういった「着る女性側」が心地よく、「見た目もセクシーで、素肌やスタイルを美しく見せる」というランジェリーが増えていくのかもしれません!


4.ストレッチレースの登場で「見せるシェイプウェア」の時代に

パリ国際ランジェリー展2018

お洒落に変身したシェイプウェア・ボディスーツ


多くのランジェリーブランドで展開されているシェイプウエアやボディスーツは、ここ数年で大きく販売を増やしてきました。その理由は1枚で、ブラジャーとシェイパ-を兼ね備え、忙しい現代の女性にとって合理的な下着だからです。

とはいえ、こっそりと身に着けるイメージのアイテムでしたが、2017年ごろから、素肌に身に着けるアクセサリーのように「見せたくなるデザイン」へと進化しつつあります。

パリ国際ランジェリー展2018

ワコールフランスのシェイプウェア

素材の進化もその一役を買っていて、ストレッチの効いたレースやパワーネットなどの素材がお洒落なシェイプウェアで重要なポイントになっています。

見た目は繊細なレースでありながら、体のラインを整えつつ心地よく体にフィットする……そんな高機能素材の開発により、現代の女性になくてはならいないファッションアクセサリーになりつつあるのです。今後、「シェイプウエアやボディスーツなどの機能性下着はキツくて苦しくて見た目はイマイチ」という古いイメージが更新されていくことが予想されるでしょう。

以上、2018年秋冬のトレンド予想でした。ランジェリーがアウター化してファッションとの境がなくなり、機能性で着心地がよく、かつカラフルでデザイン性の高い下着が、より日常的に着られるようになっていきそうですね。

次回は、パリ国際ランジェリー展で見つけたお洒落なランジェリーブランドと評判になった日本のブランドを紹介します。

■問い合わせ先
パリ国際ランジェリー展・モードシティ
担当:ユートヴェット 磯部
お問合せ先:misobe@eurovet.fr

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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