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温泉ソムリエ絶賛!箱根のおすすめ日帰り露天風呂3選

箱根は、一泊してのんびり楽しむのはもちろん、新宿から箱根湯本まで小田急ロマンスカーでおよそ1時間半という好立地であることから、日帰り旅行の旅先にも最適です。温泉ソムリエでもある筆者がおすすめの、大自然を満喫できる「箱根湯寮」や本格会席がいただける「ゆとりろ庵」、芦ノ湖と富士山の共演が楽しめる「絶景日帰り温泉 龍宮殿本館」という、日帰り露天風呂が楽しめる3施設を紹介します。

森川 天喜

執筆者:森川 天喜

国内旅行ガイド

日帰りで露天風呂が楽しめる温泉施設3選

誰もが知っている神奈川県の温泉地・箱根は、一泊してのんびり楽しむのはもちろん、新宿から箱根湯本までは、小田急ロマンスカーでおよそ1時間半という好立地であることから、日帰り旅行の旅先にも最適です。

そこで、今回は温泉ソムリエでもある筆者おすすめの、箱根で日帰り露天風呂が楽しめる3施設を紹介します。
日帰り旅行にもおすすめの箱根で、のんびり温泉を楽しむ(イメージ)

日帰り旅行にもおすすめの箱根で、のんびり温泉を楽しむ(イメージ)


ひとくちに”箱根温泉”といっても、箱根にはたくさんの源泉があります。箱根は、江戸時代には東海道の「箱根関所」付近の温泉地として栄え、湯本、塔之沢、堂ヶ島、宮ノ下、底倉、木賀、芦之湯の7つの源泉が「箱根七湯(はこねしちとう)」として知られました。

現在は、さらにその数が増え、「箱根十七湯」または「箱根二十湯」ともいわれています。この違いは、「数え方の切り口の違いによるもので、箱根町としては”十七湯”と紹介することが多い」(箱根町郷土資料館学芸員 高橋さん)そうです。

【箱根湯寮】山里の雰囲気と囲炉裏を囲んでの食事が絶品!

さて、今回最初に訪れたのは、箱根の玄関口である「湯本」温泉からほど近い、「塔之沢」温泉にある「箱根湯寮(ゆりょう)」という日帰り温泉施設。箱根湯本駅から無料送迎バスが、日中、一時間に4~6本運転されており、坂道を上ること3分ほどで施設の玄関前に到着します。
"古民家風里山温泉"がコンセプトの「箱根湯寮」は、営業開始から5年で利用者100万人を突破

"古民家風里山温泉"がコンセプトの「箱根湯寮」は、営業開始から5年で利用者100万人を突破


にぎやかな箱根湯本の温泉街からわずかな距離にもかかわらず、周囲を自然に囲まれた、とても静かで恵まれた環境の中に、古民家をあしらった建物が建っています。

「箱根湯寮」の一番のおすすめポイントは、なんと、貸切個室露天風呂が19室もあること。部屋の広さも18平方メートルの部屋(2名利用)、24平方メートルの部屋(2~4名利用)、32平方メートルの部屋(2~4名利用)の3種類を用意。

貸切風呂なら、小さな子ども連れでも、まわりの目を気にせず安心して利用できますね。
貸切個室露天風呂が19室もある。写真は、2名利用の18平方メートルの部屋

貸切個室露天風呂が19室もある。写真は、2名利用の18平方メートルの部屋


次は大浴場に行ってみましょう。男湯・女湯ともに、「内湯」、「岩風呂」、素晴らしい景色が楽しめる「見晴湯」、信楽焼の陶器製の「信楽風呂」、近くの沢から汲(く)んできた水をそのまま使った「沢水風呂」、そして「熱ノ室」(サウナ)があります。
大浴場の岩風呂(女湯)

大浴場の岩風呂(女湯)


とくに「見晴湯」は開放的で、周囲の大自然を満喫できます。寝湯のように寝転ぶと、木々の梢(こずえ)の上を雲が行き過ぎ、また、周囲に遮るものがないので、吹きすぎる風が、とても気持ちよく感じられました。
大浴場の開放的な「見晴湯」(男湯)

大浴場の開放的な「見晴湯」(男湯)


そして、ぜひ体験したいのが、毎日、一時間毎にサウナ内で実施される「ロウリュウサービス」。

ロウリュウとは、フィンランドの伝統的な入浴法で、熱したサウナストーンにアロマ水をかけることで、サウナ内を高温のミストサウナにし、大きな団扇(うちわ)であおいで熱風を送ります。最初は熱さに驚きますが、かなり汗をかくので、デトックス効果、間違いなし!
一時間毎にサウナ内で実施される「ロウリュウサービス」(提供:箱根湯寮)

一時間毎にサウナ内で実施される「ロウリュウサービス」(提供:箱根湯寮)


ちなみに、「箱根湯寮」の温泉の"泉質"は「アルカリ性単純温泉」。単純温泉というのは、温泉1kgに溶け込んでいる成分の総量が1000mg未満の温泉のことで、「湯あたり」しにくいので体に優しく、子どもからお年寄りまで、誰でも楽しめる温泉ということができます。

また、温泉の成分を細かく見てみると、pH値(水素イオン濃度)が「9.0」というのが特徴になっています。一般にpH値が「7.5」以上のアルカリ性温泉は”美肌効果”ありとされるので、お肌ツルツル&美白効果が期待されます。
ヤマメの塩焼きは、炭火を使って40分くらいかけて遠火でジックリ焼く

ヤマメの塩焼きは、炭火を使って40分くらいかけて遠火でジックリ焼く


さて、温泉の後の楽しみといえば、お酒と食事ですが、「箱根湯寮」のおすすめ料理は、囲炉裏(いろり)付きのテーブルを囲んでの炉端焼き。

とくに神奈川県北部の山北町産のヤマメの塩焼きは、炭火を使って40分くらいかけて遠火でジックリ焼くので、骨までやわらか。頭から尻尾まで丸ごと食べられます。
囲炉裏を囲んで「炉端焼き」を楽しむ

囲炉裏を囲んで「炉端焼き」を楽しむ


「箱根湯寮」を運営する「小田急リゾーツ」の広報担当・伊藤彬人さんは、

「当施設は、新宿からロマンスカーで1時間半の箱根湯本駅からも近く、旅疲れせず、旅情を味わえるのが醍醐味です。平日も夜9時まで、お風呂も食事もお楽しみいただけるので、仕事帰りにも、ぜひ箱根にお立ち寄りください」

と、日帰り温泉施設ならではの箱根の楽しみ方を提案してくれました。

<DATA>
■箱根湯寮
住所:箱根町塔之澤4
アクセス:箱根登山鉄道「箱根湯本」駅より無料送迎バスで約3分
タオル:貸切個室には備付けあり。その他は販売のみでレンタルなし
浴衣:レンタルあり
アメニティ:販売
予約方法:貸切個室は電話で直近一ヶ月の予約可能。大浴場は予約不要
ホームページ → 箱根湯寮ホームページ
※大浴場は、小学生未満利用不可

【ゆとりろ庵】コテージ風の貸し切り露天と本格会席

次に訪れたのは、箱根登山鉄道の終点「強羅(ごうら)駅」でケーブルカーに乗り換え、3駅目の「中強羅」駅から徒歩2分の「ゆとりろ庵」。
「ゆとりろ庵」の入口

「ゆとりろ庵」の入口


「ゆとりろ庵」は温泉旅館なので、宿泊プランが基本ですが、部屋の空き状況などに応じて、部屋と食事と温泉がセットになった日帰り温泉プランを利用することができます。

日帰りプランは、チェックインしてお部屋とお風呂を使って、食事をいただくのは宿泊プランと一緒ですが、その日の夜のうちにチェックアウトするのが違いになります。
コテージ風の貸し切り露天風呂

コテージ風の貸し切り露天風呂


「ゆとりろ庵」のおすすめは、まるで山のコテージのような脱衣所が備えられた貸し切り露天風呂。全部で4室あり、それぞれ、お庭に植えられている植物が違います。強羅は箱根でもやや標高が高めな場所なので、露天風呂から眺める星空もきれいなのだそうですよ。
貸し切り露天風呂の浴室で、強羅の自然を満喫

貸し切り露天風呂の浴室で、強羅の自然を満喫


強羅温泉というと、独特の匂いと色のある硫酸塩泉や硫黄泉のイメージがありますが、「ゆとりろ庵」の温泉の泉質は無色透明な「ナトリウム-塩化物温泉」です。塩化物泉というのは海水のような塩分を含んだ温泉のことで、一般に皮膚に塩分が付着することで、保温効果や保湿効果があるとされ、冷え性や乾燥肌の人などにはうれしいですね。
2種類の湯が楽しめる「ゆとりろ庵」の大浴場(女湯)

2種類の湯が楽しめる「ゆとりろ庵」の大浴場(女湯)


続いて、大浴場にも足を運んでみましょう。こちらの大浴場の特色は、2種類の源泉が楽しめること。浴室内に2つの浴槽があり、一つは早雲山から引いたお湯、もう一つは上強羅から引いた湯で、いずれも「ナトリウム-塩化物泉」です。

「ゆとりろ庵」は温泉もさることながら、旅館ならではの本格的な会席料理が楽しめる食事も、おすすめポイントです。
写真の「旬粋会席」とスタンダードな和室、貸切個室露天風呂の入浴がついたプランで、およそ1万円

写真の「旬粋会席」とスタンダードな和室、貸切個室露天風呂の入浴がついたプランで、およそ1万円


会席料理のメニューのうち、とくに人気が高いのは、箱根西麓野菜を使った「ゆとりろ庵流バーニャカウダー」。野菜にソースをつけた後、パン粉をからめて食べる独特の食感のバーニャで、これが食べたくてリピートするお客さんもいるという逸品です。

副支配人の安藤智史さんからは、「箱根でも数少ない個室露天風呂がおすすめです。ご家族や友人との貴重な時間を楽しくお過ごしください」というメッセージをいただきました。

<DATA>
■ゆとりろ庵
住所:箱根町強羅1300-119
アクセス:箱根登山ケーブルカー「中強羅」駅より徒歩2分
タオル:レンタルあり
浴衣:レンタルあり
アメニティ:備え付け
予約方法:ウェブでプラン予約(公式サイト、じゃらん等の宿泊予約サイト)
ホームページ → ゆとりろ庵ホームページ

【龍宮殿本館】富士山と芦ノ湖が同時に見られる露天風呂

最後に訪れたのは、箱根の中でもとくに景色が素晴らしい芦ノ湖畔に建つ、まるで京都・宇治の平等院のような建物「絶景日帰り温泉 龍宮殿本館」です。
芦ノ湖遊覧船から見た「絶景日帰り温泉 龍宮殿本館」

芦ノ湖遊覧船から見た「絶景日帰り温泉 龍宮殿本館」


この建物は、元々、昭和13年に静岡県の浜名湖畔の高級ホテル「浜名湖ホテル」として建てられたもので、昭和32年に現在地へ移築。その後、旅館として運営されてきましたが、耐震工事と建物リニューアルを行い、昨年7月に日帰り温泉施設としてリニューアルオープンしました。

建物に入ると、まず正面に現れるのが、レッドカーペットが敷かれた重厚な階段と和洋折衷の豪華なシャンデリア。”国内屈指の高級ホテル”として建てられた面影が、建物の随所に残されています。
国内屈指の高級ホテルとして建てられた面影が随所に残っている

国内屈指の高級ホテルとして建てられた面影が随所に残っている


「龍宮殿本館」の大浴場(内湯・露天風呂)は、男女それぞれの趣きがまったく異なります。女性用浴室は、建物リニューアル時に新たに増床した新棟で、芦ノ湖に向かって突き出すように設計されているのが特徴。

とくに露天風呂は、最近流行しているインフィニティプールのようで、まるでお風呂が芦ノ湖に溶け込むように見えます。
インフィニティプールのような女性用浴室の露天風呂(提供:プリンスホテル)

インフィニティプールのような女性用浴室の露天風呂(提供:プリンスホテル)


一方の男性用浴室はリニューアル前からあった、男湯・女湯として交互に使用していた2つの浴室を、それぞれ内風呂・露天風呂に改装したもの。歴史あるホテル建築ならではの風格のあるつくりになっています。
風格ある男性用浴室の露天風呂

風格ある男性用浴室の露天風呂


男女いずれの浴場からも、芦ノ湖と富士山の”絶景”を楽しむことができますが、芦ノ湖と富士山が両方同時に見えるのは、箱根の日帰り温泉施設では、唯一なのだそうです。

さて、芦ノ湖畔には、「芦之湯温泉」「芦ノ湖温泉」などの源泉がありますが、「龍宮殿」の温泉に使われているのは、芦ノ湖畔にそびえる駒ヶ岳(1356m)の中腹から湧く、「蛸川(たこかわ)温泉」という源泉です。
「湯休み処」は旅館時代の客室をなるべく活かすようにつくられている

「湯休み処」は旅館時代の客室をなるべく活かすようにつくられている


「蛸川温泉」は昭和62年に発見された、「箱根十七湯」の中で最も新しい温泉。この場所からは温泉は出ないだろうといわれていた場所から出たことから、”幻の湯”ともいわれています。

泉質は「カルシウム・ナトリウム-硫酸塩温泉」。一般に、傷や火傷、高血圧などに良いとされるほか、肌の蘇生効果が期待されることから「若返りの湯・美人の湯」ともいわれます。また、pH値が7.7の弱アルカリ性温泉なので”美肌効果”ありとされます。つまり、いわゆる”美人の湯”の性質を2つ備えた温泉ということになります。
箱根姫の水たま肌もめん湯豆腐御膳(一部)

箱根姫の水たま肌もめん湯豆腐御膳(一部)


さて、「龍宮殿本館」の食事でおすすめなのは、湯豆腐です。豆腐製造に使われている水は、戦国時代に、小田原北条氏の姫君たちが朝夕の化粧水として使ったとされる「姫の水」と呼ばれる天然水で、神奈川県下でも有数の美味しい水なのだとか。

箱根は、”名物”と呼ばれる食べ物が意外に少ない中で、箱根ならではのものを味わっていただきたいという思いから、この湯豆腐を提供しているそうです。
「星空天体観測&夜景ナイトツアー」イメージ(提供:プリンスホテル)

「星空天体観測&夜景ナイトツアー」イメージ(提供:プリンスホテル)


最後に、プリンスホテル箱根芦ノ湖地区事業戦略リーダーの稲葉健二さんに、そのほかのおすすめポイントをうかがいました。

「龍宮殿本館の建物は国登録有形文化財になっており、中に入るだけでも価値のある建物です。また、水族館などのある”箱根園”も近く、毎週土曜日の夜には、駒ヶ岳ロープウェーの頂上駅付近で、”星空天体観測&ナイトツアー”を開催しているので、これらもあわせてお楽しみください」

<DATA>
■絶景日帰り温泉 龍宮殿本館
住所:箱根町元箱根139
アクセス:「元箱根」バス停から無料循環バスで17分
タオル:レンタルあり
浴衣:レンタルあり
アメニティ:備え付け
予約方法:貸切休憩室は電話で予約。温泉入浴は予約不要
ホームページ → 絶景日帰り温泉 龍宮殿本館ホームページ

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