中小企業診断士試験合格者は過去問を重視している

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過去問はどう使えばよいの?


私はこれまで、数百人の中小企業診断士試験合格者のお話を伺う機会がありましたが、誰1人として「全く過去問題を解きませんでした」という方にお会いしたことがありません。

言い換えれば、合格者全員が過去問をやっていたということです。

それも、ストレート合格者など比較的短期間で合格した人であればあるほど、その傾向が強いのです。

過去問を使った試験対策が中小企業診断士試験対策に不可欠であることは、間違いありません。

そのため、私が講師をしているTACでもすべての講師が「過去問は必ずやってください」と口を酸っぱくして言います。

それにも関わらず、過去問学習を疎かにしてしまう方々は、決して少なくありません。


過去問を使った勉強を疎かにしてしまう3つの理由

真剣に中小企業診断士試験の学習に取り組んでいる受験生であれば、過去問学習が大切であることを認識しているはずです。

それでも、過去問をつい避けてしまうには理由があります。

  1. 講義の復習や答練の準備・振り返りなど、基本知識の習得や基礎問題を解くことばかりを優先してしまう
  2. 過去問(本試験問題)は難しいから、ちゃんと知識が身についてから解こうと先延ばしにしてしまう
  3. 二度と同じ問題は出ないから、過去問をやってもあまり意味がないだろうと思い込んでしまう

これらの理由は、不合格経験を持つ合格者にインタビューした時に言っていたことです。

もちろん「合格した年には過去問にしっかり取り組んだ」とも語っていました。

これは、1次試験・2次試験に共通して言えることです。


過去問題集は「出題のされ方を知る」ためのテキスト

市販の過去問題集は、概ね過去5年分の問題と解答・解説が掲載されています。

“過去問題集”なので、アウトプットツールという位置づけで捉えている方も多いですが、私自身は出題パターンを知るためのインプットツールであるということを強調して伝えています。
  • 基本テキストで学んだ知識が、本試験ではどんな出され方をしているのか?
  • 基礎問題集と本試験問題には、どの程度難易度のギャップがあるのか?
  • 頻出領域の場合、どんな風に切り口を変えて繰り返し出されているのか?
  • 五肢(四肢)選択式や空欄穴埋め、図表やグラフを使った問題等、どのような出題形式が多いのか?
  • 単純な知識問題が多いのか? 読解力を要する問題が多いのか?
これらは、過去問題集で確認するのが一番手っ取り早いはずです。

確かに二度と同じ問題は出ませんが、切り口を変えて繰り返し同じ知識が問われたり、似たような問題が再度出題されたりすることはよくあります。

せっかく知識を身につけても、本試験での出され方を知った上で必要な対策を取らねば受かるはずがありません。


過去問はいつから解けばいいの?

早ければ早い方がいいのは、間違いありません。

でも、解くことにこだわりすぎることはありません。

極論を言えば、学習当初は一読するだけでもいいぐらいです。

知識が身についていない状態で過去問を解こうとしても、全く解けずに時間を浪費するだけではなく、挫折感からモチベーションダウンにもなりかねないからです。

ある受験生は、1月から学習を開始して、その年に見事ストレート合格を果たしました。

その方は、私の講義を聞きながらテキストに書き込みしつつ、重要論点についてはその場で過去問題集の該当箇所を開いて、都度確認をしていました。

「実際の本試験では、どんな出題のされ方をしたのか?」の確認です。

「講義を聞きながら、そんなことができるの?」と思うかもしれませんが、重要論点や頻出論点は必然的に説明時間も長く取ります。

だからこそ、そのやり方を取り入れられたのでしょう。

その方から、1次試験を500点以上(合格点は420点)取ってクリアしたとご報告いただいた時も、納得の二文字しかありませんでした。

過去問題集は、学習当初は出され方の確認のためのインプットツールとして活用し、基礎問題集で慣れてきたタイミングで実際に問題を解くアウトプットツールとして使用するというやり方をおすすめします。


過去問題集に載っている全部の問題を解いた方がいいの?


1次試験は7科目ありますが、科目によって多少異なります。

経営法務については、出題後の法改正に関連する問題は解答自体が変わってしまったり、もはや問題として成立しなかったりするケースもあります。

過去問題集を選ぶ際には「法改正に対応した解答・解説になっているか?」に注意して選ぶことが大切です。

また、中小企業経営・中小企業政策にも注意が必要です。

中小企業経営の領域は、主に前年の中小企業白書 からの出題が中心です。

その内容は毎年変わるため、出題のされ方を知るインプットツールとしてのみ使います。

中小企業政策の領域は、繰り返し出される論点とそうでない論点が混在しています。

政策そのものがずっと存在しているもの、なくなってしまうもの、新しくできるものが混在しているためです。

資格学校の講座が提供する情報を元に重要過去問だけピックアップして取り組んだり、答練や模試などのアウトプットツールを優先して取り組んだりすることをおすすめします。

他の科目でも法改正が絡むことがありますが、基本的には過去問重視の学習をしましょう。

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