Nintendo Laboってどんな商品?
Nintendo Laboはニンテンドースイッチ用のゲームソフトです
PCを開き、お行儀悪いんですがおにぎりをほおばりながらプロモーションビデオを見ました。PCから流れるピアノの音につられて、向かいに座っていたはずの娘がいつの間にかちょこんと横から覗き込み「はぁあー!」と言ってる横で、父は驚きで声が出ませんでした。
任天堂は2018年1月18日、ニンテンドースイッチを使った新しい遊び「Nintendo Labo」を発表しました。プロモーションビデオでは、ゲーム画面よりも先にダンボールが登場し、それを工作してピアノを作ったり、つりざおを作ったりし、それとニンテンドースイッチを組み合わせて遊ぶ場面が流れました。
Nintendo Laboは家庭用ゲーム機の使い方としては大変に新しく、インパクトがあり、そして面白そうで、ワクワクして、あっという間にTwitterなどのSNSでもNintendo Laboの話題で溢れました。Nintendo Laboはゲーマーだけでなく、場合によってはゲーマー以上に、普段ゲームにふれていない人の興味関心もひきました。なぜならそれはゲームという枠を超えて面白そうな遊びであることが明らかだったからです。
一方で、多様な人の興味をひいたことで、情報がやや錯綜していると感じられる部分もありました。というわけで、Nintendo Laboがどういう商品なのか、普段それほど熱心にゲームをしない人でも分かりやすいように解説してみたいと思います。
※Nintendo Laboの公式動画は以下
ゲームソフトにダンボールキットがついてきます
ニンテンドースイッチにはJoy-Conという小さなコントローラーが2つついています
これでどんなことができるのか。例えば、ダンボールキットでピアノを作ることができます。ダンボールには切れ目が入っていて、それに沿ってパーツを外し、折り曲げ、組み合わせます。ひもやゴムなど、ダンボール以外の付属品もついています。
ゲームソフトをニンテンドースイッチで起動すれば、作り方を見ることもできます。映像で解説される手順を進めたり、巻き戻したり、拡大、縮小、違う角度から見てみたり、自由自在のデジタル説明書です。
うちの娘もよく工作をします。実は保育園で昨年末にダンボールのピアノを作ったばかりでした。虹色のピアノです。そのピアノとNintendo Laboのピアノは何が違うか。
Nintendo Laboで作ったピアノはニンテンドースイッチの「Joy-Con」というコントローラーや、ニンテンドースイッチ本体を装着できるようになっています。そしてニンテンドースイッチを装着したダンボールの鍵盤を弾いてみると、なんと音がでます。ドレミファソラシド、ちゃんと曲が弾けてしまいます。
もちろんダンボールから音が出ているわけではありません。ダンボールに装着したニンテンドースイッチから音が出ています。ダンボールキットでピアノを作り、ニンテンドースイッチにゲームソフトを入れ、コントローラーやゲーム機本体とダンボールを組み合わせると、ダンボールでできた電子ピアノが工作できて、もちろんそれで遊べてしまう、これがNintendo Laboです。おっと、もちろん作れるのはピアノだけではありません。
ピアノに、ロボット操縦?
Joy-ConにはHD振動、モーションIRカメラなどの多彩な機能が搭載されていいますが、本体と同時発売の「1-2-Switch」など、一部のタイトルでしか生かし切れていない印象がありました
つりは、釣竿を作ると、それで釣りのゲームが楽しめてしまうもので、きちんとリールがついていてぐるぐるまわして遊べます。バイクは右手と左手のハンドルの間に画面がついていて、画面を見ながら運転できます。
リモコンカーはさらにユニークです。ニンテンドースイッチ本体のタッチパネルを操作すると、コントローラーとダンボールでできた車を走らせることができちゃいます。ダンボールの装置でゲームを動かすんじゃなくて、ゲームを使ってダンボールの装置を動かすことができるんですね。
もう1つは「Nintendo Labo Toy-Con 02: Robot Kit(ロボット キット)」。こちらのキットの方がちょっと高くて7,980円。しかも作れるのは1つだけ。しかし、その1つが面白いんですね。
両手両足、それに頭と背中にダンボールとJoy-Conを組み合わせたものを装着し、その状態で動いてみると、なんとゲームの中のロボットを操縦することができるというロマンあふれるキットになっています。ソフトの発売日はどちらも4月20日。
ちなみに、ダンボールシートや付属品の販売も行うということなので、壊れたらダンボールだけ買いなおすということもできそうです。もっとも、そもそもダンボール工作なわけで、少々のことはテープを貼ったりして自分で直して使うのも良いでしょう。もちろん、色を塗ったりマスキングテープでデコったりも楽しそうです。公式からもシールやマスキングテープ、ステンシルが入った「デコるセット」が発売されます。
このダンボールで作るピアノや釣竿などを、Toy-Conと呼びますが、様々なToy-Conを作って、それで遊ぶのがNintendo Laboの主な楽しみ方です。でも、それだけじゃありません。
遊んで、知って、思いつく
不思議な道具も、自分で作ってみればその仕組みが分かってきます
できるだけ簡単にお話します。ピアノの内部にはニンテンドースイッチのコントローラー、Joy-Conを装着します。Joy-Conには「モーションIRカメラ」というカメラが備わっています。モーションというのは「動き」ですよね、IRというのは「赤外線」のことです。
実はこのカメラ、レンズの横に赤外線の光を出す仕組みが付いています。赤外線を出して、何かに当たって跳ね返ってきたところをカメラが捉えることで、モノの動きを精密に感知できるというのが「モーションIRカメラ」というわけです。
このモーションIRカメラを装備したJoy-Conがピアノ内部に設置され、鍵盤の動きを感知して、それをニンテンドースイッチ本体に無線で知らせて音を出す、というのが大雑把な仕組みです。おそらく、自分で作ってみれば、鍵盤を弾くとピアノの中でここの部分が動いて、それをこっちにつけたカメラが見てるんだな、というのが分かるはずです。
そしてこの仕組みは、ゲーム画面でも解説してくれるようです。ダンボールでできたピアノから音が鳴る、それを自分の手で作って、仕組みが分かっていく過程というのは、とても面白そうではないでしょうか。
さらに、仕組みが分かれば自分でも作れます。IRカメラにこういう動きを見せてあげれば音が鳴るんだな…ということが分かればオリジナルの楽器だって作れちゃうはずです。もっとも、オリジナル楽器が作れちゃう人は少数でしょう。
でも今の時代です。YouTubeなどの動画投稿サイトに自作の楽器を演奏する動画や、それを作る解説動画が登場するでしょう。おそらく、ダンボールで制作するための型紙を配布する人も出てくるんじゃないでしょうか。作って、遊んで、発見して、創作して、それが広がって…という遊びをNintendo Laboは狙って作られています。
子どもと遊ぼう!
Nintendo Laboに限らず、お子さんにゲームを買い与えるときは、できるだけたくさん一緒に遊ぶことをオススメします(イラスト 橋本モチチ)
Nintendo Laboが発表された朝の出来事の続きです。プロモーションビデオを見終わると、目を輝かせている娘から質問攻めにあいました。「ニンテンドースイッチなの?」「そうだよ」「つくるの?」「そうだよ」「ざいりょうは?」「ダンボール」「エコだから?」「エコ……かなあ?」「……お父さんのゲーム?」「子どもも遊べるよ」「わたしも?」「ねえ、これダンボールのピアノが作れるみたいなんだけど、作ったピアノから音が出るんだって。お父さんと作る?」
最後にこちらから聞いてみると「わたし、この、ニンテンドースイッチ、おとうさんとやるー!」と高らかに宣言しました。Nintendo Laboを遊ぶのはどういう人達かということを想像した時、もちろん、大人が真剣にダンボール工作したり、仕組みを熟知して新しいToy-Conを発明して、インターネットで公開して、そういう遊びもあるでしょう。
でも、やっぱり本丸は子どもと大人が一緒に遊ぶシチュエーションではないでしょうか。しばしば、子育ての話題において、ゲームが子どもを孤独にする、といった問題が取り上げられることがあります。また、子どもにゲームをどのくらいさせるか、というのは子育てをする親の間ではポピュラーな議題の1つです。
ガイドがそれらについて聞かれた時に答えているのは、ゲームを与えるべきか、そうでないのか、どのくらい遊ばせるべきか、それはそれぞれのご家庭で判断すればいいと思いますが、できるだけたくさん一緒に遊ぶといいですよ、ということです。
一緒に遊べば、まず子どもを孤独にすることはありませんね。そしてゲームの内容も把握できます。それが子どもにどんな影響を与えるのか、好ましいものか、そうでないものか、そうでないとして容認できる範囲なのか、心や体に負担があるのか。その上で、各ご家庭で判断すれば良いのです。
ですから、もしこの記事を読んで、Nintendo Laboに興味を持ったお父さんやお母さんがいらっしゃいましたら、ぜひ、一緒にお子さんと遊んでいただきたいと思います。
一緒にパッケージを開いて、工作の難しいところは手伝ってあげて、できあがったゲームを一緒に遊んで、仕組みについて考えてみたり、デコレーションするための材料を買いに行ったり、壊れたら修理するのだって楽しいかもしれません。ぜひ、親子一緒に、この工作とゲームと遊びがこんがらがったエンターテイメントを楽しんでください。
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