20分ある…遊べるな!

ニンテンドースイッチの図

発売して約3週間、使えば使うほど快適なハードだと感じます

「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド(以下ゼルダBoW)」があまりに面白すぎて、ガイドは、ほんのちょっとでも暇があれば遊びたいと思うようになっています。

ガイドには4歳半の娘がいます。娘は毎日朝7時に起こします。布団の中でぐずる娘に、今日の朝ごはんがいかに美味しいかという話をすると、娘は食べ物につられてトイレに行き、服を着替え、2階から1階におりてきます。娘に朝の子ども向け番組を見せつつ朝食を用意、自分だけさっと食べ終わったらゴミ捨て、その間に奥さんは保育園の連絡帳を書いたり、娘の髪の毛を結わいたりしてくれます。ゴミ捨てを終えて家に戻ると7時50分ぐらい。娘はまだゆっくりと朝ごはんをモグモグしていて、だいたい8時15分くらいに家をでるまでのんびり食べます。

さて、ここで25分、隙ができます。この時、ニンテンドースイッチ(以下スイッチ)に手が伸びます。これまでの据え置きゲームハードだったら絶対にあり得ないことでした。できれば1時間ぐらいは遊ぶ時間が欲しいと思うことが多いですし、ましてや何かとバタバタする朝の時間、しかもテレビは娘が子ども向け番組を観ています。この時間なら「みいつけた!」か「おかあさんといっしょ」がやっています。でも、そんなことはスイッチの前では何の障害にもならず、あっという間にゲームの世界に連れて行ってくれます。

スイッチが発売されて約3週間、その間に感じたことは、なんて快適なゲーム機なんだということです。そして、快適に、ストレスなくゲームが遊べるということが、プレイヤーがゲームにはまる要素として非常に大きいということを、再認識させられました。ガイドは、もちろんゲームが大好きですし、ゲームをするのが仕事の一部のようなところもありますから、これはかなり極端な例かもしれません。でも、そんな極端な遊び方をしようとしても、スイッチは応えてくれます。

今、ニンテンドースイッチは大変な品薄で、入荷すれば即完売、ネット通販では価格が高騰、しかもこれは日本だけでなく、世界的にも大変な人気となっています。その理由には、商戦期を外した発売日ということでそもそも出荷数がやや少ないという部分もあるのですが、ゼルダBoWの素晴らしい出来に賞賛の声が集まっていることが最も大きいでしょう。しかし一方で、実際にスイッチを手にした人は、思った以上に快適に、手軽にゲームできることにも喜んでいるのではないでしょうか。

発売日に購入した人にとっては今更でもあるんですが、この盛り上がりで、だんだんスイッチが欲しくなってきちゃった、という人も多いかと思います。改めてスイッチというハードそのものの魅力をご紹介したいと思います。

即座にゲームが始められる

ゼルダの伝説の図

ものの数秒であなたはハイラルの大地に降り立っていることでしょう

もしあなたが、例えばスプラトゥーンの為にWii Uを購入していたとしたら、Wii Uと比較してその圧倒的な起動の早さに感動することでしょう。Wii Uとは違い、スイッチは基本的に電源をオフにしないで使います。やめる時は、スリープモードにしてやめて、始める時はスリープモードからの復帰です。復帰は、据え置きゲーム機というよりは、スマートフォンに近い使用感覚です。

あなたがゼルダBoWを遊ぼうと思ってスイッチをドックから取り外したら、手元に持ってくる頃には画面がついているでしょう。前にゲームを遊んでいる状態でやめた場合は、すぐにゲームが遊べるようにセッティングされています。そこからAボタンを続けて4回押したら、もうあなたはハイラルの大地に降り立っています。タイトル画面じゃないですよ、前回のセーブデータをロード…でもないです、前回やめた瞬間から即座に始まります。仮に敵に斬りかかった瞬間にやめたとしたら、バシュッという効果音とともに敵がやられるところから始まります。慣れるとドックから取り出したらAボタンを連打しながら目の前に画面を持っていき、もうゲームはスタートしてます。

スイッチをテレビにつないでいる場合は、コントローラーのボタン長押しで電源を入れればすぐに復帰です。コントローラーと本体の通信が入る分少し時間をくいますが、ガイドがストップウォッチで試してみたところ、テレビの電源がついていて入力切替まで終わっている状態なら、ボタンを押してから画面が出るまではたったの5秒でした。

HDMIリンクに対応しているテレビであれば、スイッチ本体の電源を入れると、テレビを勝手につけて入力切替までしてくれます。テレビのリモコンは全く必要ありません。テレビの電源が切れていて、入力切替もできていない状態からボタン長押しで画面が写るまでの時間を計ってみました。これはテレビの方の仕様によっても違うと思いますが、ガイドの自宅のテレビでは、10秒程でした。そしてそこからAボタンを4回押すと、やっぱりもうゲームは始まっています。いずれにしてもかなり素早くゲームが始められ、ストレスは全くありません。

ちなみに、ガイドが自分のスマートフォンでスリープから復帰して任天堂が配信しているモバイル端末向けゲームアプリの「ファイアーエムブレム ヒーローズ」を起動するのにかかった時間を計ったら17秒かかりました。さらに、ファイアーエムブレム ヒーローズの場合はそこでやっとタイトル画面です。ゲームを始めるまでには、お知らせがあって、ログインボーナス等があって、ホーム画面があってバトルに移動して…そんなことしている間にリンクはもう野山を駆け回っている頃でしょう。実はスイッチでゼルダBoWを遊ぶ方が圧倒的にプレイが早く始まるのです。それこそ携帯モードで遊ぶ場合で比較したらその差は歴然です。

持っている人にあわせてスイッチするハード

ニンテンドースイッチの図

ちなみにガイドはJoy-Conグリップを全然使いません。TVモードの時も2つのコントローラーをバラバラに両手で持って遊んでいます。これが楽なのです

スリープと復帰という機能は、PlayStation4などのハードにも搭載されている機能です。それらと比較してもスイッチの動作はさらに軽快に感じられますが、より重要なことは数秒の差ではなく、スイッチがプレイヤーの環境にあわせてモードを変化させて遊べるという、最も大きな特徴との組み合わせにあります。

スイッチが発表されたとき、プロモーションビデオでは、TVモードを使って家のリビングで、携帯モードを使って公園に、テーブルモードで友達と、と様々な場面で形態を変えて遊ぶスイッチの様子が流されました。その時少なからず、みんなそんなにいつでもどこでもゲームがしたいのだろうか、という反応がありました。

しかし、実際に発売されてガイドや、周りで使っている人の様子を聞いてみると、どうもその考え方はちょっと違うかもしれません。というのは、スイッチの3つのモードというのは、1人のプレイヤーが全てを使いこなす為にあるというよりは、自分の遊び方に合わせて遊べるハードであるという方が正しいようです。

例えば、ほとんど携帯モードでしか遊ばない、という人もいます。テレビがない自分の部屋で遊びたい、ベッドで寝っ転がって遊びたい、だったら携帯モードです。テレビは使わないんだけど、テーブルモードで遊ぶという人もいます。コントローラーを本体に装着して遊ぶより、に装着して遊ぶか、あるいはNintendo Switch Proコントローラーを使った方が遊びたいという人です。もちろん、大きなテレビ画面の迫力ある映像で遊びたいという人もいます。

そして、ガイドが当てはまるのですが、そのいくつかを、あるいは全てを場面によって使い分ける人もいます。ガイドに関して言えば、家族がリビングにいない時はTVモード、娘がテレビを見ていれば携帯モード、そしてそのまま外出時も持ち歩き電車などの乗り物でも遊び、そして外出先でテーブルモードを使っての多人数プレイも楽しみます。

ゲームとプレイヤーを密に繋ぐ

ゼルダの伝説の図

いくら遊んでも遊び足りないゲームだからこそ、いつでもどこでも遊べるスイッチの特性が光ります

こういったスイッチのハード特性は、1-2-Switchのような多人数かつ短時間で遊ぶようなゲームにこそふさわしいかとも思われましたが、使ってみると、ロンチタイトルの目玉であるゼルダBoWとの相性は大変良いものでした。ゼルダBoWは、これまでのゼルダシリーズで当たり前になっていた要素を大きく見直し、オープンワールドになった作品です。

従来通りの1時間、2時間とかかる長いダンジョンを順番に解いていくというよりは、果てしなく広大なフィールドを自由に探索する時間が圧倒的に長く、そしてそれがとにかく面白く、世界中から絶賛されています。ここでは詳細なご紹介は避けますが、森でキノコを探して、トカゲを追い回し、木の陰から弓で鹿を狙い、高い塔に登って周りを見渡し、気になる建物があればすぐさま空を滑空して一気に向かったり、真夜中に敵が居眠りしている隙に周りの草を燃やして火責めをしてみたり、地図を眺めて不思議な形の地形があるとどうしても行ってみたくなたり、とにかく遊んでいると気になることやってみたいことが次から次に浮かんできて、片っ端から試すと面白い結果で続々応えてくれる、そんなゲームになっています。

遊んでも遊んでもきりがないくらい面白いことで満ち溢れ、とても時間が足りないゲームであると同時に、必ずしもたっぷりまとまった時間がなければ遊べないゲームではなく、20分程度の時間があれば、じゃあ、新しい場所に出かける前に食事を作りためておこうとか、その為に欲しい食材があるから取りに行こうとか、そういえばこの間あの人が言ってた場所この近くだから寄っていこうかな、と遊べるゲームでもあります。

そんな中で、もちろんそうはいってもゆっくり遊びたいよ、という人もいるでしょう。しかし一方で、あまりの面白さに魅了され、そしていくら遊んでも遊び足りないそのボリュームから、少しの時間でも遊べる時間を狙って遊びたいと思う人もいるはずです。その時、スイッチは、環境を選ばず、プレイヤーにあわせて、しかもいかなる形態においても、約10秒もあればゲームをスタートさせます。

そうなると、ガイドのようなゲーム大好き人間はもう、朝のバタバタした隙間のちょっとした時間であったとしても、気がつけばスイッチを手に持っているのです。もう、どこからどう見ても、ゼルダにはまってる人です。

ニンテンドースイッチのこれから

スプラトゥーンの図

スプラトゥーン2の試射会を楽しみにしている人も多いでしょう(イラスト 橋本モチチ)

スイッチは、いつでも、どこでも、ユーザーの環境やスタイルにあわせて、ゼルダBoWのような大作においても自由に遊べるハードとしてスタートを切りました。ゼルダBoWは世界中で賞賛を浴び、多くのユーザーを魅了していますが、プレイヤーの生活にピッタリと密着して足の先から頭のてっぺんまでみごとに沈めこんでいるのは、やはりスイッチというハードの特性がひとつ挙げられるでしょう。変幻自在にスイッチすることで、ユーザーの生活にピッタリとくっついて濃厚なゲーム体験を提供します。

この後、いつでもどこでも最大8人対戦の「マリオカート8 デラックス」が4月28日、さらには特に日本で盛り上がる「スプラトゥーン2」が夏に、冬には「スーパーマリオ オデッセイ」と、任天堂ファンに対しては定期的に大きなタイトルが見えています。

スイッチの今後の課題はやはりサードパーティの盛り上がりでしょう。この点に関してはまだまだ未知なところが多いですし、実際に様子見という状態のメーカーが大半かと思います。しかし、現時点で非常に良い状況もあります。1つは、単純にスタートをうまくきることができたこと。ゼルダBoWの評価が大変高く、世界中で良い売れ行き、となれば当然そこに乗っかっていこうと考えるメーカーもでてきます。

もう1つは、ここまでお話してきたように、スイッチというハードの特異性は、ユーザーの環境やプレイスタイルにピッタリ密着してゲームの面白さを最大限まで遊びつくさせることができる点にあることが、ゼルダBoWによってきわめて鮮明になったということです。プレイに時間のかかる大作タイトルこそ、好きな時間に好きな場所で好きなように遊べるということには、それ自体に大きな価値があります。

1つ現状に大きな懸念があるとすれば、出荷台数です。そもそも、ゼルダBoWが非常に評価が高いことも、人気で品薄であることも事実ではあるんですが、一方でスイッチは出荷台数は必ずしも多いとは言えません。北米では発売2日の販売台数が過去の任天堂ハードで最も多かったことが報じられています。しかし日本市場を見てみると、実は発売3週間の販売台数はWii Uに及びません。少なくとも、日本市場に関して言えば品薄の大きな原因は出荷不足であると言えます。

好意的に捉えれば、商戦期を外して発売しているにも関わらず予想外に人気が出たため品薄になっているともいえますが、一方で、単純に出荷台数が少ない為に機会損失を起こしているとも言えます。任天堂は2017年度の生産計画を当初の800万台から1,600万台以上に引き上げるとの報道がなされました。

2017年3月25日、26日は「スプラトゥーン2」の先行試射会が開催されます。おそらく現時点でもこの試射会に参加したいのにハードが買えずジリジリとしているユーザーが少なからずいることでしょう。ゼルダBoWはWii U版もありますが、スプラトゥーン2の試射会こそ、スイッチが無くては遊べないのですからね。

コンテンツの継続的な投下はもちろんのこと、生産と流通のコントロールも含めて、今この盛り上がりを失速させることなく、つなげていくことができるかが、サードパーティーの積極的な参入にもつながり、ひいてはスイッチの今後を大きく左右することになりそうです。

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