中小企業診断士、合格しても稼げる人と稼げない人がいる
資格を取ったら、稼ぎたい!
「中小企業診断士」合格のための勉強法・スケジュールでは、中小企業診断士資格を目指す受験生に焦点をあて、合格する人としない人の思考や行動の違いをお話ししました。
今回は、合格後の中小企業診断士に焦点をあて、資格を活かして稼げる人と稼げない人の違いをご紹介します。
中小企業診断士に限らず、「難関資格だから、取ったら必ず稼げる」というわけではないのが現実です。
<目次>
稼げる中小企業診断士は「プロとしての専門性を発揮できる」
中小企業診断士は、経営全般の知識を有すゼネラリスト資格であると言われています。【中小企業診断士】税理士・社労士・行政書士との違いでも述べたように、税理士の税務や社会保険労務士の労務のように、特定の業務に特化して仕事をするわけではありません。
一方で、中小企業診断士業界の中で存在感を発揮するためには、「自分の得意分野や強み」を明確にする必要があります。
中小企業診断士業界では、自分自身の専門外の仕事は他の中小企業診断士を紹介するケースが多いからです。
例えば私の場合、中小企業診断士登録1年目は、ネイリストやネイルサロンの店長・マネージャー経験をPRして「美容業界専門のコンサルタント・講師」として認知してもらうように務めました。
その甲斐あって、「美容」のキーワードで名前を思い出してもらえるようになり、たくさんの仕事をご紹介頂いたため、登録後9カ月で独立に至りました。
私のように特定の業界を専門とする中小企業診断士もいれば、ITやブランディングなど特定分野に特化する方、研修・セミナーなど講師業に特化する方など、一口に専門性といってもバラエティに富んでいます。
専門分野がないと、誰にでもできる安価な仕事しか回ってきません。
それでも、頂いた仕事を丁寧にこなして実績をコツコツと積み上げることで、稼げる中小企業診断士への道筋をつくることができます。
稼げる中小企業診断士は「経営者に対して上から目線にならない」
経営者や、商工会議所や商工会の職員の方々のお話を伺っていると、どうも自分自身の立場を履き違えている専門家(士業)が存在するようです。「何様ですか?」とツッコミたくなるような上から目線の発言を繰り返し、誠意ある対応ができないタイプの方々です。
このようなタイプの方には、リピートの仕事がほとんど来ません。
当たり前のことですが、企業経営の担い手は経営者や従業員であり、専門家はその支援者(サポーター)に他なりません。
ところが、専門家という立場上「先生」と呼ばれることが多いからなのか、「経営指導」という業務があるからなのか、自分の方が立場が上だと勘違いしてしまうケースが少なくないようです。
中小企業診断士は、企業のコンサルティングを行いますが、それは経営者よりも上の立場ということでは決してないのです。
経営者の中には、「専門家は経営者よりも下の立場だ」という方もいらっしゃるようですが、私はそれも違うと思います。
中小企業診断士のような専門家は、上下関係ではなく、企業経営のサポーターとして客観的な立場で経営者に関わっていく存在なのです。
稼げる中小企業診断士は「周りの人を大切にしている」
稼げる中小企業診断士
私はこれまで、多くの尊敬に値する中小企業診断士の方々にお会いしてきました。
その方々に共通していることは、従業員や得意先・仕入先などの人々に対して、丁寧に接することを心がけているということです。
例えば、予算が限られているプロジェクトのチームを組む際に、たとえ自分のところの利益が少なくなっても、チームメンバーが不満を抱かないよう、できる限り報いる姿勢を貫きます。
すると、人望や評判が高まり多くの人が集まってくるため、結果的に仕事も集まってきます。
一方で、目先の利益ばかりを気にして、周りの貢献を搾取するような仕事のやり方をしている方も、少なくありません。
短期的な経済的利益よりも、信頼関係や人間関係を大切にすることで、中長期的な利益を得られる人こそ、本当に稼げている人なのです。
稼げる中小企業診断士はセミナー参加等「インプットを怠らない」
インプットとは、有益な情報収集によりビジネストレンドをキャッチアップすること、読書や有料のセミナーやオンラインサロンへの参加による新たな知識の補充などです。中小企業診断士の基本的な仕事は、“診る(コンサルティング)・書く(執筆)・話す(セミナー・研修)”ですが、いずれも自分が保有する知識や経験に基づくアウトプットです。
アウトプットだけに偏ってしまうと、やがてはネタが尽きて枯渇します。
そうならないためにも、最先端のビジネストレンドなどの情報の鮮度を保つためにも、継続的なインプットは不可欠です。
稼げる中小企業診断士は「行動力がある」
企業内・独立どちらであっても、中小企業診断士資格を活かすためには、何らかの行動に移さなくてはなりません。独立診断士であれば、いろいろなところに顔を出して自分自身を知ってもらったりPRしたりすることで、仕事を獲得しなくてはなりません。
企業内診断士であれば、中小企業診断士資格を活かせる部署への異動願いを出したり、副業を始めたり、研究活動に参加したりと様々です。
アサヒグループやNECなど大手企業にお勤めの方の場合は、社内診断士会が存在するケースもあるため、その活動に参加するのもよいでしょう。
中小企業診断士資格を取ったら稼げる……なんて無責任なことを言うつもりはありませんが、稼げる人になるためのきっかけとなる資格であることは、間違いありません。
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