50代で恋なんてイタイ?

アラフィフ世代の恋愛が世間を賑わせているが、その背景にあるものは?

アラフィフ世代の恋愛が世間を賑わせているが、その背景にあるものは?


2017年、不倫報道で話題になった藤吉久美子さんも、活動自粛に追い込まれた斉藤由貴さんも50代である。相手もともに50代後半。50代女性の不倫が世間を賑わせた。

「50代でも不倫なんてするの?」と若い人は驚くかもしれない。確かに20代から見たら「50代の恋なんてイタイわ」と思うだろう。だが、50代になればわかる。恋心に年齢は関係ないということが。


恋愛至上主義とバブルを生きてきた世代

今の50代から下の年代は、若いころから恋愛の薫陶を受けてきた。

それより上の世代が「結婚するまで女性は自分を大事にしなければいけない」という処女信仰を親や世間から押しつけられてきたのと違い、「恋愛のひとつやふたつしてから結婚したほうがいい」「同棲くらいしてから結婚したほうがいいのではないか」という価値観の中で育ってきた。

しかも20代のころにバブル前夜からバブル真っ盛りを過ごしている。景気がよく、女性は女性であるだけでちやほやされた。恋愛への抵抗感も少なく、男性と接することイコール恋愛ではないことも経験済みだ。

当時の曲を流す「バブル時代を復活させたディスコ」には、今、多くの50代女性たちが通っている。中には若かりしころのボディコンファッションの女性もいる。そういう場所では、新たに恋愛も勃発しやすいと彼女たちは語った。

30歳前後で結婚した彼女たちも、もう子どもたちが成人、独立した世代。改めて自分と向き合い、仕事や趣味に前向きになっている。


40代後半になってから久しぶりに仕事を始めたヨウコさん(54歳)は、社会と再度接点をもってみて独身時代に戻ったような新鮮な気持ちになったという。

「そういえば独身時代は、男女関係なくみんなで飲みに行って楽しかった、朝まで遊んだこともあったなと思い出しました。専業主婦時代が長かったんですが、独身のときの感覚はすぐによみがえってきた。そして恋愛感情も」

封印していた恋愛感情は、社会に出るとすぐ戻ってきた。そして彼女は、職場の年下上司と恋に落ちてしまった。

「好きな人がいるというのが活力になるんですよね。お互いに結婚しているからダブル不倫と言われてしまうのだろうけど、男女がいるところには恋愛沙汰は起こるでしょう。周りに迷惑をかけずに密かに静かに潜行しています(笑)」

一昔前なら、既婚なのに恋をしてしまった、どうしよう……と戸惑う女性が多かったのだが、今どきの特徴として、不倫をしている女性たちに罪悪感はない。それも「結婚と恋愛は別」だからだ。


今までの人生があったからこそ惹かれ合う

これが最後の恋愛かもしれない、と考え始める世代でもある。

これが最後の恋愛かもしれない、と考え始める世代でもある。



「お互いに家庭があるけど出会ってしまった。でもだからこそ出会ったとも言える。つまり、ふたりとも独身時代に出会っていたとしても恋に落ちなかったのではないかと思うんです。家庭も含めて今までの人生があって、ここで出会ったから恋になった。そう考えると、これも貴重な出会いなんだろうと感じています」

サトミさん(55歳)はそう分析する。彼女も仕事関係で知り合った同世代の既婚男性と3年にわたってつきあっている。

携帯が登場して「対個人」で電話やメールができるようになったため不倫がしやすくなり、今はスマホでますます連絡が簡易になった。携帯電話の時代は週末、家で携帯ばかり気にしているのはおかしいと言われたものだが、今はいつでもスマホを握りしめていても「ゲームやってる」ですんでしまうのだ。

不倫カップルが「思いつめる」ことが少なくなっている。それも、酸いも甘いもかみ分けた世代だからこそ。

「これが最後の恋かもしれないと思うと、せつなさゆえに燃えるところもあります。子どもたちも成人した今、これからはひとりの女性として自由に生きたい。女として最後に輝く瞬間かもしれないから……」

サトミさんの夫もまだ現役で仕事をしているが、彼女にとって夫はすでに「男」ではない。「女として最後に輝きたい」と思っている女性たちにとっては、「男」との関係がある意味で欠かせないのかもしれないと感じる。異性を意識することによって、自分の中の「女性」が頭をもたげてくるからだ。


「これが最後の恋かもしれない」

かつて40代後半の女性たちが更年期にさしかかって、「もう今しか恋をする時期がない。50歳を越えたら恋愛なんかできない」とせっぱつまったように話していたのを思い出す。

今はその危機感が50代後半になってやってきている。

50代女性の恋は芸能人だけでなく一般女性にもあり、いずれも恋をしていることで、元気で生き生きしているように見える。不倫の場合は善悪の問題がついて回るが、この年齢になると「欲望に忠実」であることは活力のひとつになのかもしれない。
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