犬にブロッコリーを与えても大丈夫?
ブロッコリーを犬に食べさせる方法を学びましょう
<INDEX>
- 犬にブロッコリーを与える時は茹でてから
- ブロッコリーに含まれる成分には、ストレスケアや胃の調子を整えることなどが期待できる
- ブロッコリーを含むアブラナ科の野菜は犬に与えてはいけないって本当?
- 犬の間食として取り入れる場合、1日に与えていい量の目安
犬にブロッコリーを与える時は茹でてから
ブロッコリーは小分けにして茹でる
発色をよくするための塩や油は入れずに茹でるようにしましょう。あまり長時間茹でると、ビタミンB群やビタミンCなどの水溶性ビタミンがたくさん流れ出てしまうので、茹で時間を2~3分にとどめておくといいでしょう。
硬い茎(芯)は、一般的に食べているつぼみの部分と栄養成分がほぼ同量との調査結果もありますが、硬さがあるので消化の点ではあまりおすすめできません。犬に食べさせたい場合は、くたくたになるまで茹でて細かく刻んでください。
冷凍ブロッコリーは、原材料がブロッコリーだけのものであれば解凍して犬に与えても大丈夫です。ただ、風味の点では劣ることもあります。
ブロッコリーに含まれる成分には、ストレスケアや胃の調子を整えることなどが期待できる
ブロッコリーを食べると犬の体にいいことは?
犬がブロッコリーを食べた場合の健康への働きについて、明確な研究発表は存在していないようですが、ブロッコリーに含まれる栄養素が健康に期待できる働きを3つご紹介します。
1:エイジングケアやストレスケア、胃の調子を整える
ブロッコリーに含まれる特徴的な成分、スルフォラファンは抗酸化作用によるエイジングケア、胃炎の軽減が期待されています。スルフォラファンは、ブロッコリーの新芽であるブロッコリースプラウトに特に多く含まれていますが、ブロッコリースプラウトは辛味や苦味が強い場合が多く、犬が好まない可能性もあります。
2:皮膚や粘膜の健康維持に
ブロッコリーにも含まれるβカロテンは、犬の体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜、目の健康に一役かってくれます。皮膚や粘膜は免疫に大切なバリア機能なので、これらが健康であることで免疫力を維持することにつながります。
3:血流を整える働き
ブロッコリーに含まれるビタミンKには、怪我や手術などによる出血が起きた時に、血液を固めるために必要な要素の働きを助ける作用があります。
ブロッコリーを含むアブラナ科の野菜は犬に与えてはいけないって本当?
ブロッコリーと犬の病気や薬、アレルギーの関連性は?
どのような食材でも、良い面と良くない面を持ち合わせています。ブロッコリーを避けた方がいい犬はいるのか、ブロッコリーと相性の悪い薬はあるのか、飼い主としては気になるところ。犬の食生活・健康管理の講座も開催している獣医師の丸田香緒里先生(Animal Life Partner代表)にお伺いしました。
「主にインターネットで『犬にブロッコリー、キャベツといったアブラナ科の野菜は与えてはいけない』という情報を見かけることがあります。
その理由は、アブラナ科の野菜に含まれるグルコシノレートという成分の一部が、体内でゴイトリンという物質に変化します。ゴイトリンは甲状腺でヨウ素の取り込みを阻害するため、甲状腺ホルモン(※)の合成が抑制されるといわれています。
ただ、グルコシノレートがゴイトリンに変化する量は、健康な犬が通常食べる程度のブロッコリーではそれほど影響はありません。甲状腺ホルモンの分泌が少なく、甲状腺ホルモン剤を飲んでいる犬は、与え過ぎないようにしましょう。
グルコシノレートは2004年のWHOの発表で、実験動物においてガンの発生を抑制する可能性があるといわれています。ただし、先にお話ししたようなゴイトリンの問題もありますので食べさせすぎには気を付けましょう。
他の食材や植物とのアレルギーの関連性についての報告は、今のところありません。」
(※甲状腺ホルモン:体温や心拍数の維持、代謝の調節に関わるホルモン)
犬の間食として取り入れる場合、1日に与えていい量の目安
上記の表を参考にして少量ずつ試すようにしてください。食物アレルギーはどのような食材でも反応する可能性があります。初めての食材を与える時は、体調に変化がないか様子を見るようにしてください。
犬にブロッコリーを食べさせても大丈夫?まとめ
- 犬にブロッコリーを食べさせる時は茹でてから与える
- 胃の調子を整えたり、皮膚や粘膜の健康維持が期待できる
- 甲状腺ホルモンの分泌が少ない犬は少量にとどめておく
【執筆協力】
丸田香緒里 獣医師
日本大学卒。動物病院勤務後、飼い主様にもっと近い存在になりたいと思い「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーにAnimal Life Partner設立。ペット栄養管理士など様々な資格を取得し、病院での診療や往診の他、セミナー講師やカウンセリング、企業との製品開発など活動は多岐にわたる。
ホームページ:http://animallifepartner.com/
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