志望校の決め方! 何を基準に選ぶのか?
志望校の決め方
その時、気になるのが「合格の可能性」です。確かに、「受かる」か「受からないか」は切実な問題なのですが、本当に気にしなければいけないことは、仮に合格したとして、その高校の授業についていけるかということです。
受験生ですから、受かってからのことよりも、受かるかどうかの方に注意が向かいがちなのは仕方ありません。しかし、最も大切なのは、受かってからどうなのかということです。
指導が厳しい高校か、ゆるい高校か
公立の進学校を志望するA君は、合格可能性が50%程度で、まさに五分五分の勝負でした。それでも何とかその高校に合格して、進学したA君を待っていたのは、「赤点地獄」でした。もともとさぼりぐせがあったA君は、高校受験の時は必死に勉強していたのですが、高校に受かってからというもの、ほとんど勉強をやりませんでした。高校から出る課題をやらず、テストの前に少し勉強する程度だったのです。
その高校は、進学校なので毎日、課題が出ます。しかし、課題を出さない生徒に厳しく指導するという方針ではない高校で、いわゆる、指導がゆるい高校だったのです。
さぼりぐせのあるA君にとっては、指導がゆるいその高校は、まさにパラダイス。高校生活を謳歌していましたが、そこは進学校なので定期テストは難しく、全く歯が立ちません。その結果、テストでは赤点の連発という始末。さぼった代償は大きかったのです。
もちろん、高校に進学してさぼってしまったA君にも問題があります。高校進学を機に、心機一転、自ら進んで勉強するつもりならば、指導のゆるい高校でも良かったかもしれません。
逆に、「自分のさぼり癖はなおらないだろうな」と思うのであれば、志望校をワンランク落として中堅の進学校にするか、あるいは毎日の課題をきっちりと見てくれる指導に厳しい高校に変えるべきだったでしょう。
いずれにしても、合格した後のことを、真剣に考えていなかったことが問題と言えそうです。
評判の高い高校か、充実した高校か
こんな事例もあります。Bさんは進学校として有名な公立高校Xを第一志望としていました。ある日、Bさんは私立高校Yのオープンキャンパスへ行きました。その高校は、系列大学の付属高校で、高大連携といって高校生の時からも大学の授業に触れる機会が多くある高校です。また、文部科学省が指定するスーパーサイエンスハイスクール(SSH)にも指定されていて、理系が充実した高校です。
将来、薬学部に進学してガンの治療薬について研究をしたいと思っていたBさんにとっては、私立高校Yはまさにもってこいの高校だったのです。
しかし、大学の合格実績や入試難易度は、私立高校のYよりも公立高校Xの方が上です。周りの評判も、公立高校のXの方がはるかに上なのです。
さんざん迷ったBさんは、結局、私立高校のYを第一志望にすることに決断しました。見事合格したBさんは、もちろんY高校に進学し、SSHという特色を生かした充実した高校生活を送ることができました。そして、その後、系列大学の薬学部に進学することになりました。
志望校の決め方は、合格してからのことを考えるのがポイント
これには後日談があり、公立高校Xに進学したBさんの友人から、「X高校はとにかく課題が多くて、毎日、課題ばっかりやる高校生活だった。Y高校に行ったBちゃんは正解だよ」と言われたそうです。Bさんの選択はまさに成功した例なのです。このように、志望校というのは大学の合格実績や入試難易度だけが判断基準ではありません。大切なのは、合格したその後をイメージしているかどうかなのです。
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