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帽子が解決してること マリオ オデッセイ

秋のニンテンドースイッチキラータイトル「スーパーマリオ オデッセイ」。春に本体と同時発売された「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」と同じように、世界中で絶賛されています。このゲームのすばらしさの秘密は、新しく加わった帽子アクションに隠されています。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

帽子のすごさ

マリオ オデッセイの図

今回のマリオは帽子とともに旅をします

春にニンテンドースイッチと同時発売で「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」が登場し、世界中がその新しさ、完成度に舌を巻きました。そして秋に「スーパーマリオ オデッセイ」が登場すると、もう一度世界中のゲーム関係者がざわつきます。

ガイドもオデッセイをプレイすると、あっという間に夢中になって、そしてマリオとともに世界中を旅し、旅先の国をどこまでもどこまでも走り回り、そしてクリアした後も、まだ楽しくて旅を続けています。

さて、本作には優れている点が非常に数多くありますが、そのうちの1つは帽子のアクションでしょう。今回のマリオはキャッピーという、意思のある帽子と旅をします。そして帽子を投げるアクションが加わっているんですが、これがアクションゲームとしての間口を広げつつ深みを出すという見事なギミックになっています。途中、強制的に帽子がない状態でプレイするエリアがあったりするんですが、急になんだか心細く感じたりするほどです。この帽子のすごさについて、お話したいと思います。

帽子でできること

ニンテンドースイッチの図

振りやすいように、バラバラのJoy-Con2つを両手にもって遊ぶスタイルが推奨されています

帽子はYボタンを押すとクルクルーと回転しながら前方へ飛んでいきます。一定距離飛ぶとマリオのもとにもどってきますが、Yボタンを押しっぱなしにしておくと、飛んだ先でしばらく止まってから戻ります。止まっている帽子に駆け寄ると、帽子を台にしてびよーんと跳ねることもできます。

帽子を投げた先に、何かがあると帽子は反応して勝手にアクションしてくれます。コインがあればとってくれますし、杭があれば引っこ抜きます。床が汚れていれば拭き取ってくれたりなんてことも。さらに重要なのはキャプチャーです。帽子が飛んだ先に、キャプチャーできる対象がいると、マリオはキャプチャーします。キャプチャーというのは簡単に言うと、相手に乗り移るということです。カエルにキャプチャーするとマリオはカエルになって、高くジャンプできるようになります。カエルマリオになるんじゃないですよ、カエルになるんです。

このキャプチャーはすごく面白くて、クリボーになって仲間のクリボーの上に乗っかってみたり、キラーになって飛んでみたり。大きな恐竜にキャプチャーすれば周りのものを破壊しながら突進できます。生き物だけではなく、戦車にキャプチャーして砲弾を撃つとか、果ては電気にキャプチャーして電線の中を進むなんてことまでできます。

あまりに便利なのに慣れてしまって、ある時バイクが置いてあるので、よしバイクにキャプチャーしようと思ったらキャプチャーできず、ちょっと悩んだ後、普通に乗ることを思いついた、なんてこともガイドはありました。

帽子は投げたあとにJoy-Conを振ると近くの対象にホーミングしてくれるので、コインを取るのでもキャプチャーするのでも、近くに投げてJoy-Conを振ればうまいことやってくれます。

帽子が解決してくれる

マリオ オデッセイの図

キラーだやばい! タイミングを計ってジャンプ…しなくても帽子投げとけばキャプチャーして、今度は自分がキラーに!

さて、この帽子を投げるアクションなんですが、これが楽しいだけでなく、ゲームをかなり遊びやすくしています。マリオが敵を倒す方法といえばジャンプして上から踏むというのが定番ですが、3D空間ではこれが結構難しいんですね。でも、ご安心、今回は帽子がありますから。ボス戦などはともかくとして、ほとんどの場合は踏まなくても何とかなります。帽子さえ投げておけば、倒せるか、キャプチャーできるか、どちらかです。

もう1つ、マリオといえばジャンプして足場から足場に飛び移るアクションです。やっぱり、3D空間を把握してジャンプするのは慣れがいります。しかし、これも困ったら帽子を投げておけば何とかなることが多々あります。単純に帽子を投げると滞空時間が少し伸び、飛距離もちょっと稼げます。さらに投げた先にキャプチャーの対象がいれば、キャプチャーするんですね。キャプチャーはマリオがその場で変身するのではなく、対象に乗り移るんです。つまり、足場にいる敵をキャプチャーできれば足場に瞬間移動することになります。

とにかく怪しいものがあったら帽子、敵が来たら帽子、落ちそうになったら帽子、困ったら帽子でいいんです。誰でも簡単に遊べる…とまでは言いませんが、帽子にアクションをいくつも集約することで、相当に遊びやすくしています。

帽子を使って、さらに高みへ

ニンテンドースイッチの図

スーパーマリオ オデッセイはニンテンドースイッチのブームを支えるソフトに

帽子を投げておきさえすればいいんだから、今回のマリオは簡単でやりごたえがないのでしょうか? とんでもありません! さらに素晴らしいことは、この帽子のアクション、慣れて使いこなせるようになると、今度はさらに複雑に組み合わせて縦横無尽に駆け巡ることができるようになるのです。

例えば、マリオはジャンプした後、空中でZLボタンとYボタンを押すことで。さらに前方にダイブすることができます。これを帽子と組み合わせて、まずジャンプ、空中で帽子を投げる、Yボタン押しっぱなしで帽子待機、帽子に向かってダイブ、帽子を踏んでさらに高くぴょーん、そこからもう1回ダイブ、なんてことができてしまいます。

もちろん初心者が最初からこんなことはできませんし、ここまで複雑な動きができなくてもゲームを進めることができるように設計されています。ですが、使えるようになると、同じ場所でも何通りの方法で目的地に行くことができるようになっていろんな場所にまるで忍者のように移動できるようになりますし、落ちそうな場面でも空中で帽子を踏んでかなり先の足場までいくことができます。

マリオのアクションにはこの他にも、3段ジャンプであるとか、壁キック、走り幅跳びなどなど、多彩なアクションがありますから、複雑に組合すと思いもよらない動きができるのです。そしてアクションが上達していく時の爽快感、帽子を巧みに操って空中でアクロバットを決める気持ちよさは、格別のものがあります。

箱庭マリオの最高峰

スーパーマリオ 3Dランド

「スーパーマリオ 3Dランド」などは、箱庭ではないステージクリア型のマリオ(イラスト 橋本モチチ)

さあ、簡単に遊べて、しかも奥が深いアクション、これを使って今回は世界中を旅します。限定されたコースではなく、広い国を駆け巡ることができるのです。これがもう本当に、本当に楽しいんです。

非常に特徴的な場所として、ニュードンク・シティという国があります。これはおそらくニューヨークをモチーフにしていて、マリオの世界とは思えないような、ビルが立ち並ぶ国です。しかし、現代的な街並みをマリオがアクションすると、これはもうメチャクチャに楽しいんですね。地上からビルのてっぺんへ、てっぺんから舞い降りて、途中で帽子を投げて方向転換、ダイブして帽子踏んでまたジャンプ。縦横無尽に駆け巡ります。

今回はパワームーンというアイテムを探すのがゲームの主な目的で、これが各地の国中に、たくさん隠されています。また、国ごとにその国限定のコインが隠されてまして、これも探すとマリオの衣装などを購入することができます。

このパワームーンとコインを探して国中の隅から隅まで走りまわるわけです。ストーリーを進めるのに必要なパワームーンはあまり苦労せずとも集まります。コインは全く集めなくてもゲームの進行に支障はありません。でも、遊んでると楽しいので、ガイドは夢中になってかき集めました。死角になっている場所、複雑な地形を登って到達するところ、高いところから飛び降りていくところ。細い道、木の上、ビルの陰。それこそ帽子を駆使して国中をビュンビュン駆けていくんです。マリオですから落ちたらミスという場面もたくさんありますが、それ以上に、別に落ちても失敗してもリスクなく、とにかくマリオのアクションを自在に操って、帽子を投げて、北へ南へ、上へ下へと国中を駆け巡る時間がたっぷりあります。

ある程度狭い空間で、はっきりとした道がきまっているステージを遊ばせることをメインにしたマリオに対し、今回のように広い空間を自由に遊べるマリオを箱庭マリオと呼ぶことがあります。スーパーマリオ オデッセイは箱庭マリオの決定版とも呼べる楽しさです。そしてその楽しさを支えているのが、帽子のアクションなんですね。Yボタンを押すだけでいくつもの役割をこなしてくれつつ、うまくあやつればマリオがまさに自由自在。

ゲームを始めて困ったことがあれば、とにかく帽子が色々解決してくれて、慣れてくると帽子を使ったさらに複雑な動きができるようになり、気がつけば帽子と一緒に世界中を旅してありとあらゆる場所を制覇している、それがマリオ オデッセイなんです。


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